ふしゆとお馬☆彡


父「よしっ、三兄妹!次の休みは、今流行りの、生息地エリア分けされた敷地内を自由に動き回れる動物たちのありのままの姿が見られると、巷で話題の、動物園に連れてってやるぞっ!」

呂「わーいっ!」
柳「わーいっ!」
康「わーいっ♡」

父「なんの動物が見たいかな?」

柳「僕、ゴリラーっ!」
呂「僕、突然、牙を剥いたり、爪を立てたりしない、人間に飼いならされた、野性味のない動物―っ!」
柳「それじゃ、動物園のコンセプト、台無しだよっ」
康「あたし、お馬さーんっ♡お父様っ、お馬さんサラブレッドは、いる?」

父「うーん、競走馬サラブレッドはいないかな。でも、シマウマはいるよ」

康「白いシマウマさんは、いる?」

父「うーん、シマウマから、シマを取ったら、ただのおウマさんかな」

康「じゃ、芦毛あしげ(※)のシマウマさんはいる?」※斑(まだら)模様

父「芦毛のシマウマさんはいないよ」

康「じゃ♡水玉模様のシマウマさんは、いる?」

父「水玉模様のシマウマさんはいないかな♡(デレデレ)」

母(また末娘にデレデレして)

康「じゃーあっ♡ハート柄のシマウマさんはいる?」

父「ハート柄のシマウマさんはいないよーっ♡」

康「えーっ♡ハート柄のシマウマさんがいたらっ♡かわいーのにーっ♡」

父「……」





─────数日後。


妻「あなた、次の春夏の展示会コレクション、ハート柄に変更するってホント?縞柄ストライプじゃなくて」

夫「ああ、やっぱ、縞柄ストライプよりハート柄の方が可愛いと思うんだ」

妻「今、下請けの織物工房の方がきて、織り機フル稼働、織り子さん総動員でも、織り終わらないって、半泣きで、見本サンプル、百パターン、置いていかれたけど。─────商品の不当な減額や返品は下請法に引っかかるわよ?」

夫「向こうも商売だ。商品ストライプは、織り上がり問わず、額面通り、全額支払い。商品ハート柄は新規受注し、額面の三倍。さらに織り子さんには特別手当ボーナス。さらに迢衣服問屋うちハート柄オリジナル・デザインが、よそへ出回らないよう専属契約と、売上から5%の利ザヤマージンを支払うと言ったら、もろ手を挙げて、契約書にサインしてくれたよ」

妻「嬉し泣きだったのかしら」

おわり
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