ふしゆとお馬☆彡


─────競馬場には、家族ファミリーで楽しめるよう、
巨大遊具アスレチックスや走り回れる芝生や馬とふれあえる広場がある。

ここは栄陽競馬場(紅南国競馬場)─────

の、

お子様向け家族広場ファミリーエリア(内馬場)─────。



呂「うわーーん」

競馬場関係者「坊や、どうしたんだい?」

父「すみません。ポニーのうきうき餌やり体験がこわかったみたいで」

競馬場関係者「ポニーは小さくて可愛いお馬さんだけど悪戯好きなとこがあるからね。でも、人懐っこいから大丈夫だよ」

呂「うわーーんっ!!ポニーがこれでもかってくらい寄ってくるよーーっ!!」

競馬場関係者「それはね、坊やがニンジンスティックをはなさないからだよ」


康「えーんえんえん」

競馬場関係者「お嬢ちゃんもポニーがこわいのかな?大丈夫だよ。ポニーは優しくて可愛い人慣れしてるお馬さんだからね。こわくないよ」

父「いえ、このコは、ポニーじゃなくて、競走馬サラブレッドに乗りたいって泣いてるんです」

康「お父様ーーっ!あたし、ポニーのわくわく乗馬体験じゃなくて、競走馬サラブレッドに乗りたーーいっ!!霜淇淋ソフトクリームみたいに真っ白いお馬さんに乗りたーーいっ!!乗馬広場一周じゃなくって、本馬場コース一周半したーーいっ!!えーんえんえんっ」





呂「うわーーんっ!!山羊に頭突きされたーーっ!!」

父「呂候、じゃ、あっちで兎さんにニンジンあげよっか?」

康「えーんえんえん。競走馬サラブレッドに乗りたーーいっ!!白いお馬さんで本馬場周回したーーいっ!!えーんえんえんえん」

父「康琳、大きくなったら、なんとか白い競走馬で本馬場周回できるよう、なんとかしてあげるからね。そうだ!霜淇淋ソフトクリーム、食べよっか?」

競馬場関係者「旦那、最近の乗馬倶楽部の在籍馬は元競走馬が人気だし主流なんで、競走馬サラブレッドに乗るのはなんとかなるかもしれやせんが、白毛の馬となると希少ですし、本馬場を走るのは、騎手免許を持った騎手の領分で、それも狭き門で、なにより、まだ女性騎手は、認められとりませんぜ?」


父(あっ、柳娟っ!!)
父(また、長男と末娘にかかりっきりになってしまった…)
父(妻に、ちゃんと次男のことも見ててって言われたのに)

柳「短距離は速さスピード。長距離は体力スタミナ。枠順もだけど、まずは適性を見る。短距離に強い馬か長距離に強い馬か、芝向きか砂向きか、重馬場に強いか、左回りが得意か右回りか、小回りが利くか大回りできるか、馬群を嫌う馬か─────。適性って言うのは、その競走馬の個性で、持って生まれた素質や調教で身に付けるものもあるけど、親から受け継がれたものは変わらないから、競馬は、血統が重視されるの」


競馬場初心者A「なるほどー」
競馬場初心者B「なるほどー」
競馬場初心者C「なるほどなーっ!もし、ウマが隠し子やったら、血統変わるっちゅーことで、馬券買い直しっちゅーことやなっ!?」


柳「だからっ!! 血統がさかのぼれるのが競走馬サラブレッドなんだから、競走馬に隠し子なんていないのっ!!」

父(アイツは、どっちに似たのか。それともあざと同じで持って生まれた資質か。どこでも誰とでもやっていけるからな)

おわり
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