ふしゆとお馬☆彡
康「───馬の性質について。馬は草食で大人しく、人にもよくなつく優しい動物です。ただし、警戒心が強く臆病な性格も持ち合わせています。近づく時は、不意に後ろから近づくことは絶対に避け、接する時は、馬の気持ちを考えながら接してあげましょう!馬の動き方について───」
父(末娘が、馬について勉強をしている)
父「乗馬の勉強をしているのかい?」
康「あ、お父様」
父「乗馬の筆記試験の勉強かい?」
康「はい、お父様」
父「そうかそうか」
康「乗馬には、階級によっては実技だけじゃなくて筆記試験もあって、あたしは、乗馬技能検定の障害馬術三級の合格を目指してるんです。四、五飛ばして、飛び級で」
父「じゃ、合格したらご褒美になんでも欲しいものを買ってあげよう」
康「……」
父「着せ替え人形の新しいお洋服かな。髪飾りかな。宝石かな?宝石はまだちょっと早いか」
康「お父様、乗馬のお勉強は、着せ替え人形の新しいお洋服や、髪飾りや、宝石のためにするんじゃありません。お馬さんに怪我をさせず、自分も怪我をせず、周りも怪我させないためにするんです」
父「……」
康「ニンジンを目の前にぶら下げられたお馬さんみたいには、ご褒美じゃ、試験は合格できませんわ。それに、あたし、自分と愛馬の力で合格したいんです」
父「……」
☆
父「……」
母「あなた、お店を開ける準備しなくていいの?」
父「なんのために商人に生まれ、なんのために商売をしてるのか分からなくなってね、…フッ。末娘の欲しいものを買うのが生きがいなのに。あと、君の欲しいものを買うのが」
母「柳娟が、新しい服欲しがってたわよ。牛、持ち上げた時、最近、腕回りがキツいんですって」
父「次男が?どうせ牛の角で破くんだから、長男のおさがりで十分だろ」
母「あなた、末娘が可愛いのは分かるけど、次男の前でそれ言わないでよ。もし次男がおかしな道にそれるようなことがあったら、あなたにも少し責任があるわよ」
おわり