☆星にribbonを遊戯☆

#2


紐を引く手を緩めずに、翼宿が問う。

「次、どうしてほしいねん?」

「……ンッ……」

紐を引く手を緩めずに、締め付けて、翼宿が言う。

「……その紐を、もう一度、前に持ってきたら……ンンッ、、」

「……こうか?」

「……あンッ……」


きゅっ、と、締め付けられる。

(やだ……、キツい……)

下半身が。


「……次は?まだ、あるやろ?」

「……首の後ろで……一度、結ぶっ……アッ……!!」


きゅっ、と、また、締め付けられる。

(ダメ……、キツい……)

特に下半身が。


「……たっ、翼宿、ちょ、ちょっと、緩めて……ンンッ、、」

「……お前が、キツく縛り上げい、言うたんやろ……?」

「……アッ……!!」


(確かに、キツく締め付けてって言ったのは、あたしだけど……)


「……あと、どないしてほしいねん?言うてみい?」


桃色のリボンの端を手にした翼宿と、鏡越しに目が合う。


(……ハァ、、翼宿っ、あんたなんで、こんな上手いのっ!?
簡易亀甲縛りがっ!!)


「……あと、余ったリボンの両端を……、
リボン結びに、、して?……左右対称に……ん……」

桃色のリボンの端を手にした翼宿に、鏡越しに、ねだる。

きゅっ、と、リボンを結んだ翼宿。


「……出来たで」

「……あ……」


姿見に映った自分の姿を見る。
華奢な体を、痛めるよりは、いたわるように、絡んだリボン。
リボンと同じ、桃色に染めた頬。
桃色の吐息がかかるほど近づいた顔に、
思わず視線を外すと、
華奢な手首には、結んだリボン。


「……って、どーして最後、縦結びになるのよっ!?バカッ!」

「バカってなんやねん!?
今の、お前のカッコのほうが、よっぽどバカやぞっ!」

「なんですってぇ~~~」

近すぎる顔を、両手で、ばちん、と挟むように、殴ろうとする。
─────しかし、抜けない。



「きゃっ……!?」

バランスを崩した柳宿。

「どわっ!?」

翼宿の胸に倒れ込み、そのまま、押し倒す。



と、約束の時間通りに、柳宿の部屋の扉が、叩かれた。


「はっ!星宿様だわっ!ちょっと、お待ちになって……ッ」

しかし、無常にも開かれた扉。

星宿様は、柳宿と翼宿のその姿を一目見るなり、

「す、すまない」

と、謝った。

「ちょ、ちょっと、お待ちになってッ!」

柳宿の呼び止めに、ちょっと、お待ちになった星宿様。


「………」


無言で、柳宿と翼宿のその姿を見つめた。


「……すまない」

「今の謝罪はなんですの~~~ッ!?」


そのまま、ぱたん、と、扉は閉まった。

「ああっ!星宿様っ!お待ちになって!ウェイッ!!(wite!!)
ちょっと、翼宿、あんたっ、いつまで絡みついてんのよッ!?」

「しらんがなっ!お前が、暴れるからやろっ!?
なんで、このリボン、こんな長いねんっ!?何用やねんッ!?」


星宿様に捧げるはずだったプレゼント用のピンク色のリボンが、
もうしばらく、ほどけそうにない、柳宿と翼宿なのでした🎀


The END
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