☆星にribbonを遊戯☆

#1


「いーいっ!?言われた時間にあたしの部屋にくること!
大っ切なっ、大切な日なんだからっ!
完っ璧な作戦だわっ」

やたら「っ」の多い口調で、
柳宿の部屋に呼び出された翼宿。

(どーせ、しょーっもないっ、
しょーっもないっ、ことやろっ)

と、思いつつ、言われた時間に
柳宿の部屋を訪れた翼宿。

「はい♡」

と、めかしこんだ柳宿に、
手渡されたのは、桃色の、紐<リボン>。

「?」

と、受け取った翼宿に、

「はい♡」

と、くるり、と、後ろを向き、
揃えた両手首を差し出した柳宿。

「??」

「はいっ♡」

と、もう一度、「っ」を、付けて言う。

「なんや、コレ??」

「なにって、見りゃわかるでしょ?リボンよ。
それで、あたしのことをラッピングしてぇ、
星宿様にプレゼントするのっ♡

『ダーリンへの誕生日プレゼントは、
この、ア・タ・シ♡』って♡

もうっ、誰が、ハニーよっ!?柳宿、恥ずかしいっ♡」

「………」

想像以上に、しょーもないことだった。

しかし、当の本人<プレゼント>にとっては、
誰に捧げるか、が、なによりも、大切なこと。

「いーいっ!キッツく、キッツく縛って、
左右対称に、結ぶのよっ!
簡単には、ほどけないようにっ!」

「けけけ(笑)そのまま、メル〇リに売り出されるんが、オチやぁ~」

(きっつぅ、きっつぅ、二度とほどけんように縛り上げてから
言えばよかったぁ…)

殴られた頬を撫でながら、後に立つ後悔をする翼宿。

しゅるり、と、後ろ手に、揃えた柳宿の両手首に
二周させたリボンを、きゅっ、と、結んだ。

「出来たで」

「ありがとー♡

……って、縦結びになってるじゃないっ!!」

姿見に映った自分の姿を見た柳宿。

「やり直し」

と、するり、と、リボン抜け、を、する。

お前は、世紀のマジシャンかっ、と、
ブツブツ文句を言いながら、もう一度、
後ろ手の、柳宿の手首に、リボンを1周半、かけたところで、

「そうしたら、片方のリボンの端を、両手首の間に通す」

と、翼宿に指示を出す。

「こうか?」

片方のリボンの端を、両手首の間に通した翼宿。

「そう。そうしたら、リボン両端を、前に持ってくる」

「……こうか?」

リボンの両端を前に持ってきた翼宿。

「そうそう。そうしたら、おへその辺りでクロスさせ、
そのまま両肩に持ってくる」

「……こ、こうかぁ?」

「後ろに垂らしたリボンの端を、背中でクロスさせ」

「……こ、こうかぁ!?」

「両腕の自由を奪うようにして、また前に持ってきたら」

「……こっ、こうかぁ!?」

「股下に通すっ!!」

「……こっ、こうかぁっ!?────って、なんやねん、コレ!?」

「簡易亀甲縛りよ?なあに、あんた、亀甲縛りも知らないの?
山賊の頭のクセに」

「関係あるかぁ(怒)(呆)!!」

翼宿は、怒りと呆れに任せ、
リボンの端と端を、きゅっ、と、引っ張った。


「…ンッ!?」

予期せぬ締め付けに、予期せず声を漏らした柳宿。


(……やだ、キツい)


「……次は?」

「……へ?」

「次、どうすんね?この紐」


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