☆お飯事遊戯(おままごとゆうぎ)☆

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将棋に興じる井宿と星宿様。
プラスチックのコップに、おビールを注ぐフリをする柳宿。
ミルク瓶を、咥えさせられている翼宿。
4人で、ピンク色の折り畳み式の小さなおもちゃの机を囲む。

「銀冠穴熊」

「居飛車穴熊、なのだ」

「今日ね、ばったり、西の城壁の上で、誰に出くわしたと思う?
そうなの!あの人!切れ長の目の。ルビー色の髪した。
左太ももに『房』の字のある」

「矢倉中飛車」

「ゴキゲン中飛車、なのだ」

「それでね、『いいわね、あなたのご主人様は。
カッコよくて、優しくって、生まれながらの勝ち組で、
うらやましいわ』ってゆーから、言ってやったの。

ごめんなさいね~♡どこからど~見ても、お似合いの夫婦でッ♡って」


パチンッ


「王手、なのだ」

「待った!」

「待ったなしなのだ」

「おほほほほ~♡」

「夫婦の会話、成立してないやん」

「ねえ、あなたぁ♡今夜あたり、二人目、作りましょうよぉ♡
この子の将来は、もう、あきらめたから」

「あきらめたるなや。ちゃんと育てぇ。ホーニンシュギか。
ホーニンシュギってなんや」

「ほらっ、ジョン!騒がないの!ハウス!」

「次は、白黒つけようではないか」

「白黒勝負。望むところ、なのだ」

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