☆兄妹遊戯☆
☆紅南国。栄陽の都(みやこ)。
人々で賑わう市街地にて─────。
「康琳?」
「兄様っ♡」
妹の姿を見つけ、声をかけるが、
その隣にいる少年の存在に気づき、
泣きボクロのある、
ややタレ目がちな大きな瞳で、
その少年の顔を、ギロリと睨む。
「……康琳、そいつは?まさかっ、彼し…」
「え♡」
彼氏、と言われかけ、まんざらでもない表情を浮かべる、
器量の悪くない、少年。
「いやですわ、兄様っ♡
こちら、お買い物を手伝ってくれたり、
荷物を代わりに持ってくれたり、
髪飾りや首飾りを買ってくれたり、
人気のお菓子を並んで買ってきてくれたりする、
ただの男の子のお友達ですわっ♡」
「え?」
耳を疑う、少年。
「ね♡?」
兄にそっくりの、
ややタレ目がちな大きな瞳を細め、
魅惑の微笑みを少年に投げかける、美少女。
(なんて、小悪魔なんだっ!そこが好きだ!)
「なーんだボーイフレンドかぁ~」
柳娟は、ほっとしたような、
早合点したことを恥じるような表情を浮かべる。
「だけどもし────、康琳を泣かすようなマネをしたら、コロスよ」
(ええっ!!?コロサれるの!?ただの友達なのに!!?)
「きゃ♡兄様ったら♡」
「柳娟ク~ン♡」
「ん?」
突然現れ、駆け寄り、
柳娟に腕を自分の腕を絡ませる、
これまた器量は良い、少女。
「兄様?そちら方は?」
チラリと、兄の腕に絡みつく少女の顔に、視線をやる。
「もしかして、ガールフ…」
「違う」
「はっ!!?」
「たまに、一緒に街へ出掛けたり、
芝居を観たり、お茶したりする関係」
「はぁっ!!??」
「なっ♡?」
妹そっくりの大きな瞳で、
魅惑の微笑みを少女に投げかける、美少年。
(レンドも言わせず、あっさり女友達であることすら否定するなんてっ、
もうっ好きっ!!)
「なぁ~んだ、そうでしたの」
康琳は、ほっとしたような、
早合点したことを恥じるような表情を浮かべる。
「でももし─────、兄様を振り回すようなことがあったら、
その腕────……。
兄様、なにか、ご用ですの?」
「はあっ!!?その腕が、なんなのよっ!!?最後まで言いなさいよっっ!!」
「外食するから、帰ってきなさいって。行こ、康琳」
「はい♡兄様っ♡」
「「じゃ、またね!」」
「「ま、またね……」」
ふたりの、姿、形、そっくりな兄妹は、
それぞれ友達と、友達未満に手を振ると、
まるで恋人同士のように仲睦まじく、
その場を去ってゆく。
「康琳、なに、食べたい?」
「兄様っ、康琳、杏仁豆腐食べたいっ♡」
「もー、杏仁豆腐はデザートだろ」
「じゃ、兄様は?」
「うーん、マンゴープリンかなー」
「もー、それもデザートっ♡うふふふふ」
「あはははは」
まだしばらくは、兄離れ、妹離れ、出来そうにない、
紅南国一の、美形兄妹でしたっ♡
おわり
人々で賑わう市街地にて─────。
「康琳?」
「兄様っ♡」
妹の姿を見つけ、声をかけるが、
その隣にいる少年の存在に気づき、
泣きボクロのある、
ややタレ目がちな大きな瞳で、
その少年の顔を、ギロリと睨む。
「……康琳、そいつは?まさかっ、彼し…」
「え♡」
彼氏、と言われかけ、まんざらでもない表情を浮かべる、
器量の悪くない、少年。
「いやですわ、兄様っ♡
こちら、お買い物を手伝ってくれたり、
荷物を代わりに持ってくれたり、
髪飾りや首飾りを買ってくれたり、
人気のお菓子を並んで買ってきてくれたりする、
ただの男の子のお友達ですわっ♡」
「え?」
耳を疑う、少年。
「ね♡?」
兄にそっくりの、
ややタレ目がちな大きな瞳を細め、
魅惑の微笑みを少年に投げかける、美少女。
(なんて、小悪魔なんだっ!そこが好きだ!)
「なーんだボーイフレンドかぁ~」
柳娟は、ほっとしたような、
早合点したことを恥じるような表情を浮かべる。
「だけどもし────、康琳を泣かすようなマネをしたら、コロスよ」
(ええっ!!?コロサれるの!?ただの友達なのに!!?)
「きゃ♡兄様ったら♡」
「柳娟ク~ン♡」
「ん?」
突然現れ、駆け寄り、
柳娟に腕を自分の腕を絡ませる、
これまた器量は良い、少女。
「兄様?そちら方は?」
チラリと、兄の腕に絡みつく少女の顔に、視線をやる。
「もしかして、ガールフ…」
「違う」
「はっ!!?」
「たまに、一緒に街へ出掛けたり、
芝居を観たり、お茶したりする関係」
「はぁっ!!??」
「なっ♡?」
妹そっくりの大きな瞳で、
魅惑の微笑みを少女に投げかける、美少年。
(レンドも言わせず、あっさり女友達であることすら否定するなんてっ、
もうっ好きっ!!)
「なぁ~んだ、そうでしたの」
康琳は、ほっとしたような、
早合点したことを恥じるような表情を浮かべる。
「でももし─────、兄様を振り回すようなことがあったら、
その腕────……。
兄様、なにか、ご用ですの?」
「はあっ!!?その腕が、なんなのよっ!!?最後まで言いなさいよっっ!!」
「外食するから、帰ってきなさいって。行こ、康琳」
「はい♡兄様っ♡」
「「じゃ、またね!」」
「「ま、またね……」」
ふたりの、姿、形、そっくりな兄妹は、
それぞれ友達と、友達未満に手を振ると、
まるで恋人同士のように仲睦まじく、
その場を去ってゆく。
「康琳、なに、食べたい?」
「兄様っ、康琳、杏仁豆腐食べたいっ♡」
「もー、杏仁豆腐はデザートだろ」
「じゃ、兄様は?」
「うーん、マンゴープリンかなー」
「もー、それもデザートっ♡うふふふふ」
「あはははは」
まだしばらくは、兄離れ、妹離れ、出来そうにない、
紅南国一の、美形兄妹でしたっ♡
おわり
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