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ウィングズ・ギルド

シロンとクロンに別れを告げた後、再び仲間探しに赴くアヴァン。
その後ろに、後を付ける人影を気にしながら…

アヴァン「………なんだよ、お前」

振り向くと、ぴょんっ!と金髪の少年、エレットが驚く。

エレット「うわっ!?」
アヴァン「結構前から、俺の後つけてたよな?」
グリード「ツケテタ、ツケテタ」

グリードが肩の上で頷く。

エレット「え!?グレムリンも気付いてたの!?
 やっぱり、ボクに隠密行動は向いてないのかなぁ…」

と、エレットはがっくりとうなだれる。

アヴァン「で、何のようだ?」
エレット「……え、えっと…」

モジモジしながら目を泳がせるエレット。

アヴァン「あ?」

首をかしげるアヴァン。
やがて決心がついたのか、エレットはアヴァンを見て、頭を下げる。

エレット「えっと!ボクも、ギルドに入れてください!!」
アヴァン「え……」
エレット「あ、アヴァンさんの張り紙見たんです。
 ボク、色んな所に行きたいし、人の役にも立ちたいんです。
 でも、なかなかうまくいかなくて…
 そしたら、あの張り紙を見て、ギルドでならやっていけるんじゃないかって思ったんです」
アヴァン「………」

黙っているアヴァンに、エレットは不安げにのぞき込む。

エレット「…あ、アヴァンさん?」
アヴァン「やべぇ、今めっちゃ感動してる…」
エレット「えぇ!?」
アヴァン「まさかあの張り紙見てくれる奴がいるとは思わなくてよ…
 分かった!一緒に頑張ろうぜ!!」
エレット「その前に!」
アヴァン「え?」
エレット「手合わせ、お願いしても良いですか?
 ボクの出来ること見せたいんです!!」
アヴァン「あ、おう……」
 (まぁ、確かにできることは見たいけど…)
エレット「…だめ、ですか?」
アヴァン「だめじゃないだめじゃない!
 オラァどんとかかってこいやーっ!!」
エレット「はい!よろしくお願いしまーす!」

構えるエレット。
アヴァンは辺りを見回す。

アヴァン「さっき青銅の剣をダメにしたからなぁ……
 しかし、こいつはどれくらいがいいか……」

ふと、鉄製の剣を見つける。

アヴァン「んーこいつでいいか。
 おらかかって来やがれ!」
エレット「えっと……大丈夫ですか?」
アヴァン「あ?何がだよ?」
エレット「ボクの攻撃、痺れますよ?」
アヴァン「へ?」

ビリビリ……エレットの周りに雷の閃光が走る。
アヴァンは一瞬で悟った。
こいつは、やばい…………と。

エレット「やるからには全力ですよね!
 最大火力!エレクトロサンダー!!」

砲弾のように放たれた閃光がアヴァン目がけて飛んでくる。

アヴァン「うぉあ!?」

アヴァンはすんでのところでかわす。
閃光はそのまま海の方まで飛んでいく。

アヴァン「っ……ぜぇ、ぜぇ……」

冷や汗まみれのアヴァンは無理な体勢からぱたりと地面に倒れる。
そこにエレットがキラキラした顔で覗いてくる。

エレット「どうでした?ボクの実力は?」
アヴァン「あぁ、お前、この先伸びるぞ…」
エレット「ホントに!?
 よーし、これからも頑張るぞぉー!!」
アヴァン(…だーッ!あっぶねぇ!なんだあの砲撃!?
 こいつ、普通に強い…こんな奴が、今まで誰にも目を付けられなかったとか信じらんねぇ…)
エレット「あ、そうだ。
 アヴァンさんに、是非紹介したい人がいるんですよ」
アヴァン「お?そうなのか?
 つか、敬語とさん付けはやめろよな、これから仲間になるんだし」
エレット「え?そうですね!…じゃなかった、そうだね、アヴァン」
アヴァン「よし。
 んじゃ早速、そいつの元に案内してくれ」
エレット「ラジャー!」

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