特務捜査班の日常
・HIAの共同訓練にて
悠真「…で、なんで治安局の若い子たちがいるわけ?」
スコティ「マサマサパイセンも若いだろ」
セス「オレたちも呼ばれたんですよ、対ホロウ6課の共同訓練に」
スコティ「治安局の未来の前線、セスきゅんを鍛える為の一つの工程かな〜。
…それで言うと、ぼくが居ることが一番の疑問点です。なんでいるんですかね?」
悠真「そうだね。君、後方支援だよね?」
スコティ「それも実地的な方じゃなくて情報戦型ですよ?ぼく入ります?」
「え?でも…プライベートでご利用されておりますよね?」
スコティ「え?あ…あー…」
セス「そうなのか?」
「はい。しかも、かなりのランカーだとお聞きしておりますが…」
スコティ「……」
悠真「んー…聞いちゃ、まずかった感じかな?」
スコティ「色々特殊というか何というか…
まぁハマってるのは事実ですけど…」
セス「じゃあ、スコもここじゃ先輩ってことだな!
よろしくお願いします、スコ先輩!」
スコティ「ねぇ今君楽しんでるよね!?
頭抱えてるところ見て楽しんでるよねぇ!?」
セス「なんのことだ?」
スコティ「尻尾くねらせて目をそらしてんじゃねーよ!」
そんなこんなで、VR装置の前に通される一行。
職員が渡してきた簡易説明書を見て、悠真は顔を顰める。
悠真「えー…またこのセリフを言わなきゃいけないわけ…?」
セス「えーと…”都市を守るため、我、〇〇は、光とならん”…
この〇〇は自分の名前を言えばいいんだな?」
スコティ「何そのセリフちょーカッコイー!!」
悠真「ウソでしょ君たち、すっごい平気そう!!」
セス「掛け声は掛け声。別に恥ずかしがることもないですよ」
スコティ「ノッてしまえばなんとやらですよ!」
悠真「ほんとに?無理してないよね?」
スコティ「いちいち細かいなぁマサマサパイセンは。
こういう時こそ楽しめ、ですよ?」
悠真「……そっか、そうだよね…
これは、若い二人に負けてられないな!」
スコティ「マサマサパイセン、天丼っすか…?」
それぞれ口上を名乗り上げて、ログインする。
悠真は久々に訪れたホログラムの空間。
セスは慣れてなさそうに、辺りを頻りに見回している。
セス「わぁ…なんだここ…!」
悠真「うんうん、不思議な感覚だよね!
バーチャルの中なのに、身体の重さも質量も感じる…いつ来ても不思議な体験だよ」
セス「バーチャルの中…なのにあまりにも先輩の見た目もオレの身体もそのままですね…
そうだ、スコは…」
と、あたりを見渡すと、そこには見覚えのある珍しい人がいた。
セス「あれ?ジェーン先輩?なんでここに?」
スラッとした黒髪のネズミのシリオンの女性が、気まずそうにこちらを見ている。
「……」
悠真「えっと、この人は?」
セス「特務捜査班のひとりのジェーン先輩です。
ジェーン先輩、スコティを見ませんでしたか?」
「…ぼくだよ」
セス「え?」
「君たちには、ジェーン先生に見えてるかもしれないけど…中身は正真正銘、スコティ・ホールドだよ」
セス「え……えぇ!?」
悠真「君、ジェーンとやらのアバターを借りてるのかい?」
「…千面相とやらが、ここのシステムを掌握した事件があっただろう?
その話を聞いて、以前から参加していたジェーン先生が辞めちゃって、そんでもってデータを全部ぼくに押し付けてきたの。
戦闘データを抜かれてるのは先生からしたらかなり不都合な状況だからね」
悠真「あちゃぁ…それは、ご愁傷さま…」
セス「それでなんで、スコがそのアバターとやらを使う必要があるんだ?」
「戦闘データを上書きする為にぼくの動きを利用してるの。
これで、ジェーン先生の戦闘技術を盗ませないようにね。
ま、正直、焼け石に水な行為だとは思うけどやらないよりマシだし、なによりジェーン先生からは“アタイの身体、色んなことに使っときなさい”って言われちゃってるし…
あと、ぼくのアバターで動いても身動き取りづらい自認があるので」
セス「な、なるほど…?」
「セス、これからやることはジェーン先生の動きとは全く違うから。いつもどおりのバディだと思わないようにね」
セス「わかった、気をつける」
悠真「随分大胆だなぁ…
というか、背丈も全然違うのに動かせるんだ?」
「要はイマジネーションの問題。
“先生はいつもこう動いている”を再現するに過ぎないんだ。
最も、どうしたってぼくは先生じゃないから、粗もあればぼく特有の行動も起こす。
でも、ここの仮想敵を相手にするには十分過ぎるくらいに、このアバターは育ててある。
ランカー舐めないでよね」
悠真「OK、なら普通に進行しちゃうね」
セス「…そんなに動けるなら、リアルのお前も動けるんじゃないのかよ」
「セスく〜ん?君のその筋肉は付け焼き刃ではないでしょ〜?
今から育てるには時間が足りないんだよ、ぼくの身体は」
セス「なら、今から育てればいいだろ」
「ぼくは情報戦がしたいので、リアル筋肉は間に合ってまーす」
悠真「はは、育てる先はもう決まってる感じだね」
「でもさ、そう思うとさ、このバーチャル空間ってすごいよね。
アバターデータを貸してくれるのなら誰にだってなれるんだから」
悠真「誰にだってか…エーテリアスにもなれる?」
「…なれるだろうけど、好んでなるものじゃないだろ」
セス「そうですよ先輩」
悠真「ふふ、冗談だって」
悠真「…で、なんで治安局の若い子たちがいるわけ?」
スコティ「マサマサパイセンも若いだろ」
セス「オレたちも呼ばれたんですよ、対ホロウ6課の共同訓練に」
スコティ「治安局の未来の前線、セスきゅんを鍛える為の一つの工程かな〜。
…それで言うと、ぼくが居ることが一番の疑問点です。なんでいるんですかね?」
悠真「そうだね。君、後方支援だよね?」
スコティ「それも実地的な方じゃなくて情報戦型ですよ?ぼく入ります?」
「え?でも…プライベートでご利用されておりますよね?」
スコティ「え?あ…あー…」
セス「そうなのか?」
「はい。しかも、かなりのランカーだとお聞きしておりますが…」
スコティ「……」
悠真「んー…聞いちゃ、まずかった感じかな?」
スコティ「色々特殊というか何というか…
まぁハマってるのは事実ですけど…」
セス「じゃあ、スコもここじゃ先輩ってことだな!
よろしくお願いします、スコ先輩!」
スコティ「ねぇ今君楽しんでるよね!?
頭抱えてるところ見て楽しんでるよねぇ!?」
セス「なんのことだ?」
スコティ「尻尾くねらせて目をそらしてんじゃねーよ!」
そんなこんなで、VR装置の前に通される一行。
職員が渡してきた簡易説明書を見て、悠真は顔を顰める。
悠真「えー…またこのセリフを言わなきゃいけないわけ…?」
セス「えーと…”都市を守るため、我、〇〇は、光とならん”…
この〇〇は自分の名前を言えばいいんだな?」
スコティ「何そのセリフちょーカッコイー!!」
悠真「ウソでしょ君たち、すっごい平気そう!!」
セス「掛け声は掛け声。別に恥ずかしがることもないですよ」
スコティ「ノッてしまえばなんとやらですよ!」
悠真「ほんとに?無理してないよね?」
スコティ「いちいち細かいなぁマサマサパイセンは。
こういう時こそ楽しめ、ですよ?」
悠真「……そっか、そうだよね…
これは、若い二人に負けてられないな!」
スコティ「マサマサパイセン、天丼っすか…?」
それぞれ口上を名乗り上げて、ログインする。
悠真は久々に訪れたホログラムの空間。
セスは慣れてなさそうに、辺りを頻りに見回している。
セス「わぁ…なんだここ…!」
悠真「うんうん、不思議な感覚だよね!
バーチャルの中なのに、身体の重さも質量も感じる…いつ来ても不思議な体験だよ」
セス「バーチャルの中…なのにあまりにも先輩の見た目もオレの身体もそのままですね…
そうだ、スコは…」
と、あたりを見渡すと、そこには見覚えのある珍しい人がいた。
セス「あれ?ジェーン先輩?なんでここに?」
スラッとした黒髪のネズミのシリオンの女性が、気まずそうにこちらを見ている。
「……」
悠真「えっと、この人は?」
セス「特務捜査班のひとりのジェーン先輩です。
ジェーン先輩、スコティを見ませんでしたか?」
「…ぼくだよ」
セス「え?」
「君たちには、ジェーン先生に見えてるかもしれないけど…中身は正真正銘、スコティ・ホールドだよ」
セス「え……えぇ!?」
悠真「君、ジェーンとやらのアバターを借りてるのかい?」
「…千面相とやらが、ここのシステムを掌握した事件があっただろう?
その話を聞いて、以前から参加していたジェーン先生が辞めちゃって、そんでもってデータを全部ぼくに押し付けてきたの。
戦闘データを抜かれてるのは先生からしたらかなり不都合な状況だからね」
悠真「あちゃぁ…それは、ご愁傷さま…」
セス「それでなんで、スコがそのアバターとやらを使う必要があるんだ?」
「戦闘データを上書きする為にぼくの動きを利用してるの。
これで、ジェーン先生の戦闘技術を盗ませないようにね。
ま、正直、焼け石に水な行為だとは思うけどやらないよりマシだし、なによりジェーン先生からは“アタイの身体、色んなことに使っときなさい”って言われちゃってるし…
あと、ぼくのアバターで動いても身動き取りづらい自認があるので」
セス「な、なるほど…?」
「セス、これからやることはジェーン先生の動きとは全く違うから。いつもどおりのバディだと思わないようにね」
セス「わかった、気をつける」
悠真「随分大胆だなぁ…
というか、背丈も全然違うのに動かせるんだ?」
「要はイマジネーションの問題。
“先生はいつもこう動いている”を再現するに過ぎないんだ。
最も、どうしたってぼくは先生じゃないから、粗もあればぼく特有の行動も起こす。
でも、ここの仮想敵を相手にするには十分過ぎるくらいに、このアバターは育ててある。
ランカー舐めないでよね」
悠真「OK、なら普通に進行しちゃうね」
セス「…そんなに動けるなら、リアルのお前も動けるんじゃないのかよ」
「セスく〜ん?君のその筋肉は付け焼き刃ではないでしょ〜?
今から育てるには時間が足りないんだよ、ぼくの身体は」
セス「なら、今から育てればいいだろ」
「ぼくは情報戦がしたいので、リアル筋肉は間に合ってまーす」
悠真「はは、育てる先はもう決まってる感じだね」
「でもさ、そう思うとさ、このバーチャル空間ってすごいよね。
アバターデータを貸してくれるのなら誰にだってなれるんだから」
悠真「誰にだってか…エーテリアスにもなれる?」
「…なれるだろうけど、好んでなるものじゃないだろ」
セス「そうですよ先輩」
悠真「ふふ、冗談だって」
