プロローグ 夢を追う者

──ストーリーⅤ ブラコンにはご注意を────


エレットが紹介したい人がいると案内をしてくれたのは新時計台。
そこに、その人がいるらしいのだが…。


アヴァン「…なぁ、そこで仁王立ちしてる奴がそうか?」
エレット「いえ、知らない人です」


そっぽを向くエレットに、焦げ茶の青年─シズルは驚愕する。


シズル「知らない人とか、酷いよエレット!」

エレット「知りませんよ。
 あなたみたいな不審な兄さんなんて」

アヴァン「知ってんじゃん!つか兄貴!?」

シズル「そうだ!俺はシズル・ノクターン!
 エレット・ノクターンの兄だ!!」

エレット「そういうことするから嫌いなんだよ、このバカ兄さん!!!」

シズル「ガーン!!」

アヴァン(なんだこの修羅場は…)

シズル「ふふふ…そうか、反抗期か…
 自分から自立しようと努力してるんだね、お兄ちゃん感動したよ…」

アヴァン(なんか感動し始めたぞこの兄貴…)

シズル「だが、しかし!
 私はどこの馬の骨か知らぬ貴様に、我が弟を託すつもりはないぞ!」

アヴァン(なんか俺に飛び火した!?)
 「ちょ、お兄さんいきなり何を…」

シズル「貴様に兄と呼ばれる筋合いはなーいッ!!」

アヴァン「だーっ!めんどくせーなこいつ!!」

シズル「いざ尋常に、勝負!!」

アヴァン「超展開すぎてついていけねーよっ!!」

シズル「エレットに手を出したこと、後悔させてやる…」

アヴァン「俺は何もしてねぇし!!」


トンファーを構え、アヴァンに連撃を喰らわせる。
その動きはとても速く、アヴァンは鉄製の剣で避けるのが精一杯だ。


アヴァン(な、なんだよこいつ…!?)

シズル「どうした?もう終わりかい?
 たくっ、最近の若い奴らはホントに運動不足だね…」

アヴァン(運動不足とかそういう次元じゃねーだろ!!
 これ、本気出さないと、不味いかも…
 だがっ!!)


間合いを取ろうにも素早く詰め寄り、行動が取れない。


シズル「これで、終わりだよっ」


トンファーの刃が妖しく光り輝く。
そこから時空が歪むような魔力を感じる。


アヴァン(時空使いだと!?
 無理無理!こんなの相手にできねぇ!!)


アヴァンは苦虫を噛んだ顔をし、防御体制に入る。
すると……。


エレット「…兄さん」


バチッ…放電の音がエレットから響く。


シズル「え?」


振り返った刹那、

ドッシャーン!!

突然の雷鳴。
シズルとアヴァンの間に大きな抉り、焼き焦げた穴ができる。
 

アヴァン(っ…地面が抉れてる!?
 雷一発落としただけで…)

シズル「…え、エレット?」


明らかな怒りの反応に、シズルは戸惑う。
エレットは怒りの目でシズルをにらむ。


エレット「兄さん、いつもいつもボクの邪魔ばかり…
 もちろん、それが兄さんの優しさだということも知ってるよ?
 でも、ボクはもう子供じゃないんだよ?
 自分の事くらいしっかりできるし、将来だって考えてる!
 アヴァンについていこうと思ったのも、ボクの意思だ。
それを兄さん、止める気なの?
 ねぇ?違うよね?」

シズル「……」

アヴァン(俺様茅の外~)

グリード(ソト~)


アヴァンとグリードは体育座りで、二人の様子を見守っていた。


シズル「…そうだね、うん、心配性が過ぎたね。
 あはは、君の事が見えないと、とても不安になるのは僕の悪い所だね…」

エレット「…ボク、回りが見えてない時の兄さんは嫌いだけど、兄さんは好きだよ?
 だから、兄さんにはボクの事、見守っていてほしいな」

シズル「…あぁ、分かった。
 と、いうことでアヴァンくん」

アヴァン「あ、はい!?」
 (やべぇ、暇すぎてグリードとしりとりしてた)

シズル「俺もギルドに入らせてもらうから、よろしく」

アヴァン「え……あ、はい」

エレット「え!?兄さんも入るの!?」

シズル「僕には君を見守る義務があるからね。
 といっても、私には本業というものがあるから付きっきりって訳じゃないけど」

エレット「やったー!」

アヴァン「ブラコン怖ぇ…」

グリード「アヴァン、どんぐりノ次ー!」

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