プロローグ 夢を追う者

──ストーリーⅣ 雷鳴エレクトロ────


シロンとクロンに別れを告げた後、再び仲間探しに赴くアヴァンとグリード。
その後ろに、後を付ける人影を気にしながら…。


アヴァン「………なんだよ、お前」


振り向くと、ぴょんっ!と金髪の少年─エレットが驚く。


エレット「うわっ!?」

アヴァン「結構前から、俺の後つけてたよな?」

グリード「ツケテタ、ツケテタ」


グリードが肩の上で頷く。


エレット「え!?グレムリンも気付いてたの!?
 やっぱり、ボクに隠密行動は向いてないのかなぁ…」


と、エレットはがっくりとうなだれる。


アヴァン「で、何のようだ?」

エレット「……え、えっと…」


モジモジしながら目を泳がせるエレット。


アヴァン「あ?」


首をかしげるアヴァン。
やがて決心がついたのか、エレットはアヴァンを見て、頭を下げる。


エレット「えっと!ボクも、ギルドに入れてください!!」

アヴァン「え……」

エレット「あ、アヴァンさんの張り紙見たんです。
 ボク、色んな所に行きたいし、人の役にも立ちたいんです。
 でも、なかなかうまくいかなくて…
 そしたら、あの張り紙を見て、ギルドでならやっていけるんじゃないかって思ったんです」

アヴァン「………」


黙っているアヴァンに、エレットは不安げにのぞき込む。


エレット「…あ、アヴァンさん?」

アヴァン「やべぇ、今めっちゃ感動してる…」

エレット「えぇ!?」

アヴァン「まさかあの張り紙見て、ここまで来てくれる奴がいるとは思わなくてよ…
 分かった!一緒に頑張ろうぜ!!」

エレット「その前に!」

アヴァン「え?」

エレット「手合わせ、お願いしても良いですか?
 ボクの出来ること、貴方に見せたいんです!!」

アヴァン「あ、おう……」
 (まぁ、確かに出来ることは見たいけど…)

エレット「…だめ、ですか?」

アヴァン「だめじゃないだめじゃない!
 オラァ!どんとかかってこいやーっ!!」

エレット「はい!よろしくお願いしまーす!」


構えるエレット。
アヴァンは辺りを見回す。


アヴァン「さっき青銅の剣をダメにしたからなぁ…
 しかし、こいつはどれくらいがいいか…」


ふと、鉄製の剣を見つける。


アヴァン「んーこいつでいいか。
 おらかかって来やがれ!」

エレット「えっと……大丈夫ですか?」

アヴァン「あ?何がだよ?」

エレット「ボクの攻撃、痺れますよ?」

アヴァン「へ?」


ビリビリ……エレットの周りに雷の閃光が走る。
アヴァンは一瞬で悟った。
こいつは、やばい…………と。


エレット「やるからには全力ですよね!
 最大火力!エレクトロサンダー!!」


砲弾のように放たれた閃光が、アヴァン目がけて飛んでくる。


アヴァン「うぉあ!?」


アヴァンはすんでのところで躱す。
閃光はそのまま海の彼方まで飛んでいく。


アヴァン「っ……ぜぇ、ぜぇ……」


冷や汗まみれのアヴァンは無理な体勢からぱたりと地面に倒れる。
そこにエレットがキラキラした顔で覗いてくる。


エレット「どうでした?ボクの実力は?」

アヴァン「あぁ、お前、この先伸びるぞ…」

エレット「ホントに!?
 よーし、これからも頑張るぞぉー!!」

アヴァン(…だーッ!あっぶねぇ!
 なんだあの砲撃!?
 こいつ、普通に強い…
 こんな奴が、今まで誰にも目ぇ付けられなかったとか信じらんねぇ…)

エレット「あ、そうだ。
 アヴァンさんに、是非紹介したい人がいるんですよ」

アヴァン「お?そうなのか?
 つか、敬語とさん付けはやめろよな、これから仲間になるんだし」

エレット「え?そうですね!
 …じゃなかった、そうだね、アヴァン!」

アヴァン「よし。
 んじゃ早速、そいつの元に案内してくれ」

エレット「ラジャー!」

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