プロローグ 夢を追う者

──ストーリーⅢ モノクロキャットブラザーズ────


死闘(?)の末、仲間になったグレムリンのグリード。
しかし、アヴァンは嬉しさ半分、しょんぼり半分だった。


アヴァン(あの時は何も考えてなかったが、勧誘仲間第一号がモンスターって、どういう事だよ…)

グリード「飛空挺!飛空挺!!」

アヴァン「はいはい、帰ってからな。
 つか、完全にあの白猫見失ったんだが…」


どうするか、大通りに行こうか、なんて考えていると──。


「いたーっ!」

アヴァン「!?」


大声に振り返ると、仁王立ちしているシロンと彼に似た黒髪の猫耳少年―クロンがいた。


シロン「やっと見つけた!
 さっきはよくもやってくれたな!今度こそ負けないんだから!!」

クロン「……」

アヴァン「あぁ!?お前まだやる気かよ」

シロン「二本先取が常識だろ?」

アヴァン「さっきはそんなルール提示されなかったぞ!!」

シロン「今回はつよぉーい味方、クロンちゃんがいるからね!
 双子パワーなめんニャーッ!」

クロン「こいつの気が収まるまで、付き合ってください。
 おれ、こいつ止めんのめんどくさいんで…」

アヴァン「なんだろう、この子…すげぇ消極的…」


落ち着いた、というかだるそうにしているクロンを横目に、シロンはびしっと決めて言い放つ。


シロン「今度こそ負けないんだから!」

クロン「あまり気張ると、また負けるぞ…」

アヴァン「グリード、そこにいろよ…
 って、あれ?」


辺りを見るとグリードがいない。
気配を辿って見上げると、グリードが屋根の上で毛ずくろいをしている。


アヴァン「あんにゃろ〜…俺のこと応援する気ゼロかよ!」

シロン「どこ見てんのさ!先手必勝!!」

アヴァン「うおっと!」


アヴァンはギリギリのところでシロンのナイフ攻撃を交わし、木の剣で応戦する。


クロン「んー、一応、応援ぐらいはするか。
 “刃から彼の者を守れ、バリアー”」

アヴァン「おりゃ!」


バキンッ!シロンを攻撃するがなにかに邪魔され、別のものが割れた感覚が手に響く。


シロン「ナイス!クロンちゃん!でりゃあ!」

アヴァン「いっ!?」


ばんっ!アヴァンの手から木の剣がすっ飛んでいく。


アヴァン「っ……やってくれんじゃねーか!」


にっと笑いながら、アヴァンは飛びずさり、辺りを見回す。


シロン「さっきっから思ってたけど、アンタ武器とか持ってないの?」


ナイフを弄びながら、シロンは訊ねる。


アヴァン「ん?あぁ、あるにはあるけど、ここで出すにゃ大きすぎんだよ…
 …お、今度はブロンスソードはっけ〜ん!」

シロン「まって!?なんでここにそんな剣落ちてんのさ!!」

クロン「……」


クロンは訝しげにアヴァンを見つめる。


アヴァン「さてさて、ちょっとは本気見せてやろうかな!」


ぐっと、剣を構える。
すると、青銅の刀身に炎が舞う。


シロン「え……もしかしてそれ!?」

クロン「…“水の守護よ、彼の者を守れ、アクアバリアー”」

アヴァン「はっ、そんなもの効かねぇよ!
 火炎斬!」


シロンの周りをクロンが掛けた水の繭が守るが、それよりもアヴァンの炎が強く、シロンはかなりのダメージを受けてしまう。


シロン「うわぁ!!」


シロンはそのまま尻餅をつく。
アヴァンは焼け焦げてしまったブロンスソードを投げ捨てる。


アヴァン「やっぱ魔法使うとこっちが持たねぇか…
 で、大丈夫か?お前」

シロン「…ムニャ~ッ!また負けた~」

クロン「ドンマイ」


ひっくり返ってジタジタするシロンに、クロンはしゃがんで見ている。


アヴァン「大丈夫そうだな。
 てか、そっちの黒い方、全く攻撃してこねぇじゃねぇか…」

クロン「おれ、補助専門だし…
 こいつは攻撃専門」

シロン「だから二人で強いんだよ!
 なかなか手強かったでしょ?」


にっと笑うシロン。
たしかに、先ほどの戦闘と比べれば、なかなかに手ごわい相手だったかもしれない。


アヴァン「まぁな。
 で、今度こそ仲間になるんだろうな?」

シロン「うん!
 …と、言いたいところだけど、ちょっとリーダーに話つけてくるから、それからでも良いかな?」

アヴァン「あ?良いけど…
 簡単に承諾してくれるのかそれ?」

クロン「大丈夫、うちのリーダーちょろい人だから」

アヴァン(大丈夫かそのリーダー…)

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