プロローグ 夢を追う者

──ストーリーⅠ 白の猫少年────


路地裏に入ると、そこは荒れくれ者の溜まり場だった。
獣のような目で睨み付けてくる奴らに、アヴァンは目もくれず、奥に進んでいく…。
そこに、一人の少年が絡んでくる。


「そこの兄ちゃん、何してんのかなー?」

アヴァン「あ?」

「ここはぼく達の縄張りなんだよね~…
 早く出て行かないと…痛い目見るよ?」


と、話しかけてきたのは白い髪の猫耳少年─シロンだ。


アヴァン「なんだ?
 お前、ここの縄張りのリーダーか?」

シロン「え?
 …いや、ぼくは幹部というか子分というか…
 と、とにかく!あまり用がないなら、帰った方が身の為だぞ!」

アヴァン「ほーぅ…俺さ、人を探してんだ」

シロン「へ?人を?」

アヴァン「そう!俺のギルドに入ってくれるヤツ!」

シロン「ぎ、ギルド!?」


シロンの尻尾がピンと立つ。
何やら興味がある様子。


アヴァン「あぁ!いろんな事するぜ?
 人を助けたり、たまにお宝見つけたり…
 いろんな場所にも行ってみたいな!」

シロン「た、楽しそう…!」

アヴァン「お?お前も来るか?」

シロン「あ……で、でも、そんなにアンタって強い人なの?
 ぼくには、そこら辺のチンピラにしか見えないけど?」


ジーッといぶかしげに、アヴァンを見つめる。


アヴァン「お前はチンピラどころか、ただのガキにしか見えねぇがな…」

シロン「な、なにぉーっ!!
 ぼくに喧嘩を売るなんて良い度胸だ!
 ちょっとギルドに興味あったけど、今無くなった!
 ボコボコにして泣かして帰してやるーっ!!」


ぶんぶんと尻尾を振って、シロンは怒る。
それを見て、アヴァンはニッと笑う。


アヴァン「じゃあ、俺が勝ったらギルドに入れよな?」

シロン「え、入れてくれr……(首をブルブル振る)
 だ、誰が入るかばっきゃろう!!」


ざっと、シロンは白いナイフを構える。


シロン「ぼくに売ったこと、後悔させてやるんだから!」

アヴァン「おうおう、そう来なくっちゃな!」


アヴァンはちらりとあたりを見ると、木の棒を手にする。


アヴァン「これぐらいでいいか。
 かかってこいよ」

シロン「きぃー!どこまでも上から目線かよ!
 もう激おこプンプン丸だよ!」


地団駄を踏んでから、シロンはアヴァンに飛びかかり、白い剣を振りかざす。
が、それをひらりと避け、木の棒をスキを見せたシロンの背中に打ち込む。


アヴァン「せいやっ!」

シロン「にゃっ!?」


べしゃっ!と地面に倒れる。


シロン「にゃ~…つ、強い!?」


よろりと起き上がるシロンに、アヴァンはほぉ、と感心した顔をする。


アヴァン「お前も、なかなかやるじゃねーか。
 だが、一歩…
 いや、一万歩及ばなかったな!」

シロン「どんだけ余裕ぶっこくのこの人!?
 …やだ、帰る…
 おうち帰るぅーっ!!」


シロンは泣きながら去って行った。


アヴァン「あ、おい!!
 …あいつ、めっちゃ泣いてたな。
 どんだけ悔しかったんだよ…
 あ、つか、俺のギルドに入るんじゃねーのかよっ!!」

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