エレットとセレナーデの館

数分後…ことの状況を聞いたレイが植物園にやってくる。
エヒナはサボテンの応急処置に夢中で、エクレールは伸びていて、バトラはシズルにふん縛られている。
レイはアヴァンとシュールに深々と頭を下げる。


レイ「すみません僕の家族が迷惑をかけてしまったようで…」

アヴァン「あーいやいや楽しいもんでしたよ、色々と!」

シュール「どこがだ…
 で、シズルは暴れてるバトラを止めに来たのか?」

シズル「それもあるけれど…
 依頼の話を聞いたよ、まさか、うちを調査する依頼がきちゃうなんてね。
 うん、そろそろ隠すのも限界になってきたみたいだね…」

シュール「どういうこと?」

シズル「実は、エレット以外のドールは能力がとても不安定になりやすくってね。
 暴走すると手がつけられなくなることの方が多いんだ、さっきのエクレールみたいにね」

アヴァン「だからこいつら、外に出たことがないって…」

シズル「エレットを自由に歩かせてある程度住民の皆には慣れてもらおうかと思っていたんだけれど…
 でも、次の手を打つにはまだ、そちらの準備が間に合っていないんじゃない?」

レイ「うん。
 でもね、それはもう解決かな」

シズル「え?…まさか、完成したのかい?」

レイ「うん!
 でもこれ、アヴァンさん達とゼロのおかげかな?」

ゼロ「オレの?」

レイ「うん、不安定になる理由がいまいち良く掴めてなかったんだけど、今回の一連の騒動で理由が掴めたよ。
 理由は感情の起伏、大きく揺さぶられるようなことがあると能力が暴走してしまって自分ではどうすることも出来なくなってしまうんだ。
 それを抑える、または中和する技術は既にあるから、後はその装置を作れば完璧ってこと」

シズル「なるほど、確かに」

アヴァン「んー?さっぱりわかんね」

シズル「ふふ、分からなくていいよ。
 これは、私達の仕事だからね」

ゼロ「…これで、俺達は外の世界に行けるのか?」

レイ「そうだね、支障はないと思うよ」

ゼロ「そっか、それはよかった…」

アヴァン「なんだ?そんなに外に興味があったのか?」

ゼロ「っ、ち、違う。
 トルエノやエヒナ達は、外に出るのが夢だったからな。
 あいつらの願いが叶って嬉しいと、思っただけだ」

シュール「お前、結構家族思いなんだな」

シズル「ここじゃ一番のお兄ちゃんだからね、ゼロは」

ゼロ「ふんっ」

アヴァン「それで、エレットは?
 今日はまだ来てなかったけど…」

シズル「今はね、風邪をひいて寝込んでるんだ」

シュール「本当か?」

アヴァン「まじかよ、見舞いに行ってやらなきゃな!」

シュール「お前がいるとうるさい帰れ」

アヴァン「はぁ!?なんでだよ!病は気からとか言うだろ?
 俺の元気パワーを分けてやれば、一日で復活すんぞ!出し方わかんねぇけど!!」

シュール「帰れ!」

レイ「ふふ、まぁまぁ。
 ぜひお見舞いに行ってあげてください。エレットも喜ぶと思いますよ。
 ゼロ、エレットの部屋に案内してあげて」

ゼロ「わかった」

シュール「…シズル、ほんとにこのうるさいの連れてってもいいのか?」

シズル「まぁ…レイもこう言ってるし、エレットも気にしてたから…ね」

シュール「はぁ、オレはもう知らないからな」

アヴァン「なんで俺こんな害悪扱いされてんの?」

シュール「日頃の行い」

アヴァン「ひっどっ!!」

12/14ページ
スキ