サリエルとは
「よくあんな触媒を手懐けたよな、アイツ…」
通路の角でそんな声が聞こえて、思わずツカサは立ち止まる。
ツカサ(…職員達が話してる…)
「あぁ、サリエルのこと?」
「アイツ、弟が来るまでかなり荒れてたもん。やばかっただろ?」
「そうだね…
一時期パートナーの消費スピード早かったよね…」
「パートナーを人間として見てねーっつーか…
つか、自分が元人間だったこと忘れてんじゃねーのかってくらいやばくってさ…」
「たぶん、あの子が死んでからだよね…
ルキフェルが死んでから…」
「まぁたしかに、あれからおかしくなった。
怖かったよなぁ…次は俺達なのかなって…
マジ死神だったよな、あの頃は…」
ショウタ「ツーカサくんっ、なーにしてるのっ?」
ツカサ「…ショウタ」
ショウタ「ん?どしたの?」
ツカサ「…こっち行こう。聞きたいことあるの」
ショウタ「うん?いいけど…」
先程の職員のいるところとは反対方向へ行く。
ふと、向こうでバタバタと立ち去る音が聞こえる。
流石に聞き耳を立てていたのがバレてしまっただろうか…。
ショウタ「…ツカサくん?ちょっと怖い顔してんね?」
ツカサ「…そう思う?」
ショウタ「アキラ睨んでる時と同じ…
いや、それより半分くらいな顔?」
ツカサ「ふ…なにそれ…
…君、職員たちに嫌われてるの?」
ショウタ「うん?そう思ったことはないけど…
なんかあった?」
ツカサ「…イヤな噂してる奴らがいたよ。
君が死神のようだったって」
ショウタ「んー?あー、そうね。
アキラが来る前は、オレはさながら死神だっただろうね。
パートナーを、何人も殺してさ…」
ツカサ「それ本当なんだ?」
ショウタ「認めるよ。オレはパートナーを見捨てたこともあるし殺したこともある。そういう記録もされてる。
でも、ツカサくんは殺さないし見捨てないよ。
アキラがいるし、何より君はユウキちゃんの恋人。
あんなに仲良くなった人を殺すほど、オレは落ちぶれちゃいねーよ」
ツカサ「他の奴は良かったんだ?」
ショウタ「…ここのパートナー試験、受けに来るやつなんてそうそう居ない。
同じ月に二回もパートナー試験ができるなんて、かなり入れ食いって感じ。
で、誰も希望者がいなければどこからパートナー被験者を探すと思う?」
ツカサ「…ランダム?」
ショウタ「いや、触媒とは違うからな。
生身で戦うんだ。ちゃんと戦える奴じゃないといけない…
正解は囚人だ。
それも、何度も人を殺したことのある奴らね」
ツカサ「っ……」
ショウタ「あーいう奴らは容赦なく魔物を屠れるから、パートナー試験で訓練するより意外とてっとり早く任務に出れたりする。
ま、触媒であるこちらの心象に関してはーお察しだな」
ツカサ「それでも、殺す理由になるの…?」
ショウタ「…ツカサ、これは君だから打ち明けるよ。
オレはね、アキラが来る前は死にたがってたんだ」
ツカサ「え…」
ショウタ「多分、疲れてたんだろうな。
ユウキちゃんの前任の天使の触媒が、目の前で死んだんだ。
それを見て、すっごく羨ましかった。
触媒って死ねるんだって…だから死にたがっちゃって…」
ツカサ「…ん、そう……」
ショウタ「でも今は大丈夫!
アキラもいるし、守りたいものも目の前にできたし!
もう死神なんて呼ばせねーぜ?」
ツカサ「うん、期待してるよ、ショウタ」
ショウタ「おう!」
ツカサ(…サリエル、か…
その名前が気になって調べたことがある。
昔の神話の本に、天使の名前として書かれていた…
死神の天使…
…ま、僕には関係ないことかな)
通路の角でそんな声が聞こえて、思わずツカサは立ち止まる。
ツカサ(…職員達が話してる…)
「あぁ、サリエルのこと?」
「アイツ、弟が来るまでかなり荒れてたもん。やばかっただろ?」
「そうだね…
一時期パートナーの消費スピード早かったよね…」
「パートナーを人間として見てねーっつーか…
つか、自分が元人間だったこと忘れてんじゃねーのかってくらいやばくってさ…」
「たぶん、あの子が死んでからだよね…
ルキフェルが死んでから…」
「まぁたしかに、あれからおかしくなった。
怖かったよなぁ…次は俺達なのかなって…
マジ死神だったよな、あの頃は…」
ショウタ「ツーカサくんっ、なーにしてるのっ?」
ツカサ「…ショウタ」
ショウタ「ん?どしたの?」
ツカサ「…こっち行こう。聞きたいことあるの」
ショウタ「うん?いいけど…」
先程の職員のいるところとは反対方向へ行く。
ふと、向こうでバタバタと立ち去る音が聞こえる。
流石に聞き耳を立てていたのがバレてしまっただろうか…。
ショウタ「…ツカサくん?ちょっと怖い顔してんね?」
ツカサ「…そう思う?」
ショウタ「アキラ睨んでる時と同じ…
いや、それより半分くらいな顔?」
ツカサ「ふ…なにそれ…
…君、職員たちに嫌われてるの?」
ショウタ「うん?そう思ったことはないけど…
なんかあった?」
ツカサ「…イヤな噂してる奴らがいたよ。
君が死神のようだったって」
ショウタ「んー?あー、そうね。
アキラが来る前は、オレはさながら死神だっただろうね。
パートナーを、何人も殺してさ…」
ツカサ「それ本当なんだ?」
ショウタ「認めるよ。オレはパートナーを見捨てたこともあるし殺したこともある。そういう記録もされてる。
でも、ツカサくんは殺さないし見捨てないよ。
アキラがいるし、何より君はユウキちゃんの恋人。
あんなに仲良くなった人を殺すほど、オレは落ちぶれちゃいねーよ」
ツカサ「他の奴は良かったんだ?」
ショウタ「…ここのパートナー試験、受けに来るやつなんてそうそう居ない。
同じ月に二回もパートナー試験ができるなんて、かなり入れ食いって感じ。
で、誰も希望者がいなければどこからパートナー被験者を探すと思う?」
ツカサ「…ランダム?」
ショウタ「いや、触媒とは違うからな。
生身で戦うんだ。ちゃんと戦える奴じゃないといけない…
正解は囚人だ。
それも、何度も人を殺したことのある奴らね」
ツカサ「っ……」
ショウタ「あーいう奴らは容赦なく魔物を屠れるから、パートナー試験で訓練するより意外とてっとり早く任務に出れたりする。
ま、触媒であるこちらの心象に関してはーお察しだな」
ツカサ「それでも、殺す理由になるの…?」
ショウタ「…ツカサ、これは君だから打ち明けるよ。
オレはね、アキラが来る前は死にたがってたんだ」
ツカサ「え…」
ショウタ「多分、疲れてたんだろうな。
ユウキちゃんの前任の天使の触媒が、目の前で死んだんだ。
それを見て、すっごく羨ましかった。
触媒って死ねるんだって…だから死にたがっちゃって…」
ツカサ「…ん、そう……」
ショウタ「でも今は大丈夫!
アキラもいるし、守りたいものも目の前にできたし!
もう死神なんて呼ばせねーぜ?」
ツカサ「うん、期待してるよ、ショウタ」
ショウタ「おう!」
ツカサ(…サリエル、か…
その名前が気になって調べたことがある。
昔の神話の本に、天使の名前として書かれていた…
死神の天使…
…ま、僕には関係ないことかな)
