壊れた器

スーツ姿の三人が、晴天の墓の前で立ちつくしている。
大男は墓石の前で祈りを捧げている。


ユウキ「…アキラさん、そろそろ…」

ツカサ「ショウタのことは、うん…残念だったけど…」

アキラ「まぁ…でも大変なのは、貴方のほうですよ。
 今は、天使の触媒がいない状態なのですから」

ツカサ「それは…関係ないよ…
 アンタは家族を亡くしたんだから…」

アキラ「…ムチャクチャな奴だったでしょ?兄さん…
 ほんっと、ノーテンキ過ぎだし、ちゃらんぽらんだし、ほっとくとすぐ突っ込もうとするし…
 常にハイテンションだわ、人の話聞かないわ、挙げ句の果てには例え古いわ…」

ショウタ「……」

ユウキ・ツカサ「「…!?」」


いつの間にか後ろにいたショウタに驚く二人。
しかし、ショウタはしーっと口に指をあてている。


アキラ「でもさ、俺にとっては…唯一無二の兄さんだったんだよ…
 こうやって助けに行くまで、助けたいって思うまでにすごい兄さんだったんだよ!
 なのに…なんで…」

ショウタ「あー…そうだな、死んじゃったのは残念だ。
 すっげー残念」

アキラ「……え?」

ショウタ「でも、ここにニューお兄ちゃんがいるって話する?」

アキラ「!?!?!?」


目を丸くして驚くアキラに、ユウキが戸惑うように話す。


ユウキ「あの、さっきそこに来て…
 黙っててって、ジェスチャーされて…」

ショウタ「テッテレー♪」

アキラ「はぁああああ!!!!????」

ツカサ「いやそうもなるよ…なんでいるの君」

ショウタ「いやーオレもね、死んじゃったなー壊れちゃったなーって思ってたわけ。
 でもそれ…器の話だったみたい」

ユウキ「器の話?」

ショウタ「おん。なんかこっち、普通に人間の寿命くらいは持つらしいよ?」


と、ショウタは自らのアクアマリンのコア部分を指差す。


アキラ「はい????」

ショウタ「そして、お兄ちゃんはニューウルトラハイテクお兄ちゃんに生まれ変わりましたー!
 まぁいわゆる、ユウキちゃんと同じ単独換装ができるようになったってハナシ!
 ツカサくん、便利になったね!」

アキラ「は い??????」

ツカサ「便利、なのかな…?」

ショウタ「んふー…でぇ、愚弟よ、先程のお兄ちゃんの悪口はどーいうことでござりますかなコノヤロー!!!」

アキラ「いでででてごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!!!」

ショウタ「だーれがちゃらんぽらんの話聞かないノータリンじゃ!!
 こちとら必死こいて若者言葉学んどるんじゃ!おいっ!!」

アキラ「そこまで言ってないしそれ全く使えてな、いだだだだ!!!!」

ツカサ「こんな鮮やかなコブラツイストからのスリーパーホールドなかなか見ないよ…
 体格差一番あるはずなのに…」


息を切らす愚弟ことアキラ。
勝利のウイニングポーズを決めるお兄ちゃんことショウタ。
それを蚊帳の外で見ているツカサとユウキ。
このカオス空間の中に、所長がやってくる。


所長「ショウタくん早いよ…
 アキラくんがツカサくんのそばにいるって言った途端にこれなんだから…」

ショウタ「やー特定レーダーもかなり上がっててさ!
 そういや、身体スペックもかなり向上してるかも!
 器職人さん、いい仕事してますね〜!」

所長「へへ、そうだろ?
 以前の数百倍の耐久力もあるから、シールド持ちのガンの展開すれば、シェルター並に耐えられると思うよ」

ショウタ「マジで!?亀の如く引き込もれるわけ?うっひょい!!」

ツカサ「それ、喜ぶところか?」

アキラ「あの、兄さん…?
 マジでどういうこと…?」

ショウタ「まぁつまり…オレはまだ生きてるよってこと」

アキラ「っ…兄さんっ!!」

ショウタ「うはは、よしよし、でっけーのに泣き虫だなー君は」

アキラ「うううぅ…」


泣き出すアキラをあやすショウタ。
ツカサもこれには空気を読んで、ユウキを呼ぶ。


ツカサ「ユウちゃん、先行こっか」

ユウキ「え…うん…」

ツカサ「所長も、先戻りますよー」

所長「えぇ!?でもまだ、サリエルの調整が…」

ツカサ「あんだけ動いてたら帰ってからでもできますよね?お邪魔者は帰る!」


ショウタ「…アキラごめんね、死んでなくて」

アキラ「ぐす…アンタは俺の感情をどれだけ弄ぶ気ですか…!」

ショウタ「け、結果的にそうなってるだけなんだよなぁ…
 …お兄ちゃん心配かけすぎたね、ごめんごめん」

アキラ「もう絶対離しませんよ、今度こそは…!」

ショウタ「おーこわ。
 うん、お前のそばにいるよ、アキラ」


──To Be Continued…
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