壊れた器

……?
首をかしげる。
ここはどこだろう。
いや、見覚えはある。
ずいぶん、昔の記憶だ…。
どうしてそんなことを思い出せるのだろう…。
そんなことを考えながら、目の前に来た、フードを目深に被った誰かに目を向ける。


ショウタ「…だれ?」

「神様だよ」

ショウタ「神様…?え、神様ってあの神様!?」

「君はどの神様のことを言っているのかな?」

ショウタ「この組織の神様!」

「うん正解。それで合ってるね」

ショウタ「久しぶりだな!
 あれ?なんでそんなこと…」

「…君は先ほど、シャットダウンしたね。
 それも、再起動不能の…」

ショウタ「あ…うん、アキラのこと、泣かせちゃった。
 悪い兄ちゃんだよな」

「いいや、自らで彼を幸せにしようとしたのは、立派なことだと思うよ。
 やれることも少ないのに、よくできたものさ」

ショウタ「アキラから来てくれたからね。
 なら、最大限に可愛がってやらないと…
 …それも、もう終わりだけど…」

「…その器は限界だ。
 ずいぶんと使い古しただろう。無茶もしていたようだしね」

ショウタ「うん、そう…え?器が限界?」

「あぁそうだ」

ショウタ「んー…こっちは?」


自分の胸にある、アクアマリンのコアを指差す。


「そちらは、寿命にはまだ早いだろう。
 君がまだ戦うことを望むのであれば、新しい器を用意しよう」

ショウタ「え…オレ、まだ生きれるの…?」

「あぁ、君はまだ戦い続けられるかい?」

ショウタ「戦うよ!アキラが生きてる限り…あ」

「どうしたの?」

ショウタ「やば、アキラ今、死にたがってる…
 どうしよ、オレまた余計なことをしちゃったかも…」

「…でも、彼はまだ戦うことを望むようだよ。
 私としては大助かりだけれども」

ショウタ「え、アキラ戦うの?
 まだ、戦うって決めてくれたの…?」

「あぁ、彼女と共に戦うと…」

ショウタ「…えへ、えへへ、そっか、戦うんだ。戦ってくれるんだ!
 なぁなぁ!早く器ちょうだい!
 アキラの事、驚かしてやりたい!
 目を丸くしてびっくりするんだろうな!
 もしかしたらまた、泣かせちゃうかな?怒られたらどうしよう?にひひひ…」

「楽しそうですね」

ショウタ「楽しいよ、嬉しいよ!
 オレはまだ、アキラのそばにいれるのが、まだ戦えるのが!」

「…君の元の器はかなり古かった。
 なんせ、数十年間も使い古してくれた、バージョンも彼女とはかなり差異のあるものだっただろう。
 でも、新たな器であれば、新たなに目覚めた力である単独換装もできるだろう。
 ツカサくんにも、あまり苦労をかけずに済むかもしれないね」

ショウタ「え?オレそんなに型落ちだったの?
 実は長持ちさせすぎてたの?
 …あの時の無茶って、意外とそうでもない?」

「いや?たぶんあれで5年は縮まっていると思うよ?」

ショウタ「あ、意外とやってる…
 でも、確かに単独換装って魅力的だったんだよなぁ…
 ユウキちゃんが羨ましくて仕方なかったぜ!」

「気に入ってもらえそうだね」

ショウタ「あぁ!…なぁ神様!」

「なんですか?」

ショウタ「オレ、いま世界一幸せなヒーローかもしれない!」

「…そう…なら、私も嬉しいよ」

ショウタ「うん!」
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