僕の可愛い天使

パートナー試験というものがあるらしい。
天使の触媒は触媒単体では魔物を狩ることはできない。
操縦者というパートナーがいて、初めて魔物と相対することができるそうだ。
でも、パートナー試験の相手は…。


サリエル「やっほーサリエルだよー!
 えーっと、君は轟木 司くんで合ってるかな?」

ツカサ「…そう、です…」

サリエル「んん?もしかして、こんなかわいいショタっ子が現れてびっくりしてるかーんじ?
 ま、驚くよね〜。てかそっちより体が真っ白いこともかなー?」

ツカサ「…ここに、三剣 結城って子はいる?」

サリエル「ん?誰それ?」

ツカサ「…天使の触媒にされた子…僕の恋人…」

サリエル「…まーじで?
 ふ、ははは!!」


突然笑い出す真っ白な子ども─サリエルに、僕は怒りを募らせる。


ツカサ「っ、何がおかしいんだ!!」

サリエル「くは、いやごめんごめん!悪い意味で笑ったんじゃないさ!
 あ、いや、事に関しては悪いことなのかな…
 天使の触媒に選ばれたのはご愁傷さま。でもね今期すっごく面白いことが起きてるよ!」

ツカサ「…どういうこと…?」

サリエル「たぶんカマエルかな?君の恋人さん。
 女の子でしょ?18歳くらいの」

ツカサ「…そうだよ、高校三年」

サリエル「うんうん…その子のパートナーね、オレの弟!」

ツカサ「…だから何?」

サリエル「うんだから、オレなら融通利くってこと!
 君、自分の恋人さん守りたいでしょ?」

ツカサ「当然だろ」

サリエル「オレもね、オレの弟守りたいの。
 でも今、オレパートナー決まってないから出撃が彼らに偏ってるわけ。
 オレ、さっさとあの子達を守れるようになりたいわけ!
 だ、か、ら!オレとパートナーになって?」

ツカサ「…君は、僕と目的が同じなの…?
 天使の触媒なのに…?」

サリエル「言っとくけど、こういうのすっごくラッキー案件だからね!滅多にないよこんなこと!
 オレだって驚いてる、弟も間違いなく驚く。
 てか、君ちゃんと適性あるよね???」

ツカサ「適性…君は銃型、なんだっけ?
 僕は弓道部所属で四段持ち。
 あと、リアルダイブFPSゲームで大会優勝経験者」

サリエル「りある、だいぶ?」

ツカサ「…実物の銃自体は扱ったことはないけど、命中させることに関しては自信はある。
 これでどう?」

サリエル「ん、まぁ…よく分からんけどわかった!
 とりあえず、銃の基本さえ入れたらやれそうってやつだね!
 じゃ、早速練習しよっか!」


サリエルは手を差し出す。


サリエル「この手を取れば最後、君は平和な日常には戻れなくなる。
 それでも君は、世界の為に…いや、君の場合は、恋人の為に、オレの手を取るかい?」

ツカサ「…僕は、あの子の為に…!!」


サリエルの手を取ると、手の中に白いライフル銃が現れていた。


ツカサ「…銃に、なった…?」

《ライフル銃か。ロングの方がお好みで?》

ツカサ「うわ!?頭に声が!?」

《うーんなんて新鮮な反応!
 オレは君の手元のライフル銃さ。
 まぁもちろん、君が望むなら別の形にもなれるけど、できるだけ飛び道具で頼むよ?》

ツカサ「…サリエル、なんだね君は?」

《多部 翔太(タベ ショウタ)》

ツカサ「え…?」

ショウタ《オレの本当の名前。
 気軽にショウタって呼んでくれ。ショウちゃんでもいいよ!》

ツカサ「…で、ショウタ、これからどうすればいい?」

ショウタ《あだ名は無視かい、まぁいいけど。
 まずは慣らしかな?オレと息を合わせるやり方を覚えようか》


それから、その日は訓練を続けた。
サリエルことショウタは、言動におふざけがあるものの意外にスパルタで、ちょっとついてくのがやっとだった。


ショウタ《ふむ、まぁまだまだ改善余地ありだけど概ね良好。
 これから上手くなればいいって感じかな。
 ま、最初から天才的銃裁き出されてもこっちも困っちゃうけどw》

ツカサ「はぁ…ふぅ…意外にしんどいな、これ…」

ショウタ《初めはそんなものよ、頑張れ若人よ!》

ツカサ「アンタいくつなんだよ…」


すると、拍手の音。
見ると、白衣の男が立っていた。


「素晴らしい。まだまだ荒削りだが実戦投入しても申し分はないだろう。
 おっと、挨拶がまだだったね。
 私はこの施設の所長、名を加美平 時臣(かみだいら ときおみ)という。
 ま、みんなからは所長と呼ばれているから、君もそう呼ぶといい」

ツカサ「……」

ショウタ《所長ーこの子ちょっとピリついてるからあんま煽る言い方しないほうがいいよ〜》

所長「…そうだね、サリエルの言うとおりだ。
 どうやら君には目的があるそうだね。
 早速だが、彼女に会いに行くかい?」

ツカサ「…会えるの?」

所長「…正直、あまり期待はしてくれるなよ?
 彼女はもう、君の知ってる彼女ではないだろう」
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