小話

・臓器クジ

アキラ「臓器クジって知ってます?」

ツカサ「…なにそれ?」

アキラ「思考実験ですよ。
 一人の人を殺し、その臓器を取り出し、複数の必要な人に配り救う行為は正しいと言えるのか」

ツカサ「…それ」

アキラ「この世界の摂理と似てますね。
 今まさに、私達の目の前にいる天使達がそうですよ」

ツカサ「……」

アキラ「彼らは臓器クジのアタリです。
 世界に殺され、身体を切り分けられ、そして数多を救う天使となる。
 このクジびきに、人間の介入は存在しない。
 一応、年齢制限はあるようですけど、それを選ぶのは神様だそうです。
 そして、その神様も無作為に決めてるとも…」

ツカサ「…だとしても、こんなパーソナルを持った人間の身内を二人も引くなんて、その神も運が良いんだか悪いんだか」

アキラ「それもそうですね。
 …ショウタが天使の触媒に選ばれてしまって、俺の人生はめちゃくちゃにされてしまったでしょう。
 きっと、貴方もすでにそうなのでしょう」

ツカサ「…関係ない、僕にはユウちゃんがいないと話にならないから」

アキラ「同意です、私もショウタがいないと生きていけません。
 これを不幸と呼ぶか、幸と呼ぶかも、なかなかに考えものですけどね」

ツカサ「…アンタはこうなれて幸せなの?」

アキラ「ええ、幸せですよ」

ツカサ「…そ、僕にはまだわからないや」

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