ウィングズ・ギルド
死闘(?)の末、仲間になったグレムリンのグリード。
しかし、アヴァンは嬉しさ半分、しょんぼり半分だった。
アヴァン(あの時は何も考えてなかったが、勧誘仲間第一号がモンスターって、どういう事だよ…)
グリード「飛空挺!飛空挺!!」
アヴァン「はいはい、帰ってからな。
つか、完全にあの白猫見失ったんだが…」
どうするか、大通りに行こうか、なんて考えていると──
「いたーっ!」
アヴァン「!?」
大声に振り返ると、仁王立ちしているシロンと彼に似た黒髪の猫耳少年―クロンがいた。
シロン「やっと見つけた!
さっきはよくもやってくれたけど、今度こそ負けないんだから!!」
クロン「……」
アヴァン「あぁ!?お前まだやる気かよ」
シロン「二本先取が常識だろ?」
アヴァン「さっきそんなルール提示されなかったぞ!!」
シロン「今回はつよぉーい味方、クロンちゃんがいるからね!
双子パワーなめんニャーッ!」
クロン「こいつの気が収まるまで、付き合ってください。
おれ、こいつ止めんのめんどくさいんで…」
アヴァン「なんだろう…この子、消極的……」
落ち着いた、というかだるそうにしているクロンを横目に、シロンはびしっと決めて言い放つ。
シロン「今度こそ負けないんだから!」
クロン「あまり気張ると、また負けるぞ…」
アヴァン「グリード、そこにいろよ……って、あれ?」
辺りを見るとグリードがいない。
上を見あげるとグリードが屋根の上で毛ずくろいをしている。
アヴァン「あんにゃろ、俺のこと応援する気ゼロかよ!」
シロン「どこ見てんのさ!先手必勝!!」
アヴァン「うおっと!」
アヴァンはギリギリのところでシロンのナイフ攻撃を交わし、木の剣で応戦する。
クロン「んー、一応応援ぐらいはするか。
“刃からかの者を守れ、バリアー”」
アヴァン「おりゃ!」
バキンッ!シロンを攻撃するがなにかに邪魔され、別のものが割れた感覚が手に響く。
シロン「ナイス!クロンちゃん!でりゃあ!」
アヴァン「いっ!?」
ばんっ!アヴァンの手から木の剣がすっ飛んでいく。
アヴァン「っ……やってくれんじゃねーか!」
にっと笑いながら、アヴァンは飛びずさり、辺りを見回す。
シロン「さっきっから思ってたけど、アンタ武器とか持ってないの?」
ナイフを弄びながら、シロンは訊ねる。
アヴァン「ん?あぁ、あるにはあるけど、ここで出すにゃ大きすぎんだよ……お、今度は青銅の剣はっけ〜ん!」
シロン「まって!?なんでここにそんな剣落ちてんのさ!!」
クロン「……」
クロンは訝しげにアヴァンを見つめる。
アヴァン「さてさて、ちょっとは本気見せてやろうかな!」
ぐっと、剣を構える。
すると、青銅の刀身に炎が舞う。
シロン「え……もしかしてそれ!?」
クロン「……“水の守護よ、かの者を守れ、アクアバリアー”」
アヴァン「はっ、そんなもの効かねぇよ!
火炎斬!」
シロンの周りをクロンが掛けた水の繭が守るが、それよりもアヴァンの炎が強く、シロンはかなりのダメージを受けてしまう。
シロン「うわぁ!!」
シロンはそのまま尻餅をつく。
アヴァンは焼けこけてしまった青銅の剣を捨てる。
アヴァン「やっぱ魔法使うとこっちが持たねぇか……
で、大丈夫か?お前」
シロン「……ムニャ~ッ!また負けた~」
クロン「ドンマイ」
ひっくり返ってジタジタするシロンに、クロンはしゃがんで見ている。
アヴァン「大丈夫そうだな。
てか、そっちの黒い方、全く攻撃してこねぇじゃねぇか…」
クロン「おれ、補助専門だし、こいつは攻撃専門」
シロン「だから二人で強いんだよ!
なかなか手強かったでしょ?」
にっと笑うシロン。
たしかに、先ほどの戦闘と比べれば、なかなかに手ごわい相手だったかもしれない。
アヴァン「まぁな。
で、今度こそ仲間になるんだろうな?」
シロン「うん!…と、言いたいところだけど、ちょっとリーダーに話つけてくるから、それからでも良いかな?」
アヴァン「あ?良いけど…簡単に承諾してくれるのかそれ?」
クロン「大丈夫、うちのリーダーちょろい人だから」
アヴァン(大丈夫かそのリーダー…)
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しかし、アヴァンは嬉しさ半分、しょんぼり半分だった。
アヴァン(あの時は何も考えてなかったが、勧誘仲間第一号がモンスターって、どういう事だよ…)
グリード「飛空挺!飛空挺!!」
アヴァン「はいはい、帰ってからな。
つか、完全にあの白猫見失ったんだが…」
どうするか、大通りに行こうか、なんて考えていると──
「いたーっ!」
アヴァン「!?」
大声に振り返ると、仁王立ちしているシロンと彼に似た黒髪の猫耳少年―クロンがいた。
シロン「やっと見つけた!
さっきはよくもやってくれたけど、今度こそ負けないんだから!!」
クロン「……」
アヴァン「あぁ!?お前まだやる気かよ」
シロン「二本先取が常識だろ?」
アヴァン「さっきそんなルール提示されなかったぞ!!」
シロン「今回はつよぉーい味方、クロンちゃんがいるからね!
双子パワーなめんニャーッ!」
クロン「こいつの気が収まるまで、付き合ってください。
おれ、こいつ止めんのめんどくさいんで…」
アヴァン「なんだろう…この子、消極的……」
落ち着いた、というかだるそうにしているクロンを横目に、シロンはびしっと決めて言い放つ。
シロン「今度こそ負けないんだから!」
クロン「あまり気張ると、また負けるぞ…」
アヴァン「グリード、そこにいろよ……って、あれ?」
辺りを見るとグリードがいない。
上を見あげるとグリードが屋根の上で毛ずくろいをしている。
アヴァン「あんにゃろ、俺のこと応援する気ゼロかよ!」
シロン「どこ見てんのさ!先手必勝!!」
アヴァン「うおっと!」
アヴァンはギリギリのところでシロンのナイフ攻撃を交わし、木の剣で応戦する。
クロン「んー、一応応援ぐらいはするか。
“刃からかの者を守れ、バリアー”」
アヴァン「おりゃ!」
バキンッ!シロンを攻撃するがなにかに邪魔され、別のものが割れた感覚が手に響く。
シロン「ナイス!クロンちゃん!でりゃあ!」
アヴァン「いっ!?」
ばんっ!アヴァンの手から木の剣がすっ飛んでいく。
アヴァン「っ……やってくれんじゃねーか!」
にっと笑いながら、アヴァンは飛びずさり、辺りを見回す。
シロン「さっきっから思ってたけど、アンタ武器とか持ってないの?」
ナイフを弄びながら、シロンは訊ねる。
アヴァン「ん?あぁ、あるにはあるけど、ここで出すにゃ大きすぎんだよ……お、今度は青銅の剣はっけ〜ん!」
シロン「まって!?なんでここにそんな剣落ちてんのさ!!」
クロン「……」
クロンは訝しげにアヴァンを見つめる。
アヴァン「さてさて、ちょっとは本気見せてやろうかな!」
ぐっと、剣を構える。
すると、青銅の刀身に炎が舞う。
シロン「え……もしかしてそれ!?」
クロン「……“水の守護よ、かの者を守れ、アクアバリアー”」
アヴァン「はっ、そんなもの効かねぇよ!
火炎斬!」
シロンの周りをクロンが掛けた水の繭が守るが、それよりもアヴァンの炎が強く、シロンはかなりのダメージを受けてしまう。
シロン「うわぁ!!」
シロンはそのまま尻餅をつく。
アヴァンは焼けこけてしまった青銅の剣を捨てる。
アヴァン「やっぱ魔法使うとこっちが持たねぇか……
で、大丈夫か?お前」
シロン「……ムニャ~ッ!また負けた~」
クロン「ドンマイ」
ひっくり返ってジタジタするシロンに、クロンはしゃがんで見ている。
アヴァン「大丈夫そうだな。
てか、そっちの黒い方、全く攻撃してこねぇじゃねぇか…」
クロン「おれ、補助専門だし、こいつは攻撃専門」
シロン「だから二人で強いんだよ!
なかなか手強かったでしょ?」
にっと笑うシロン。
たしかに、先ほどの戦闘と比べれば、なかなかに手ごわい相手だったかもしれない。
アヴァン「まぁな。
で、今度こそ仲間になるんだろうな?」
シロン「うん!…と、言いたいところだけど、ちょっとリーダーに話つけてくるから、それからでも良いかな?」
アヴァン「あ?良いけど…簡単に承諾してくれるのかそれ?」
クロン「大丈夫、うちのリーダーちょろい人だから」
アヴァン(大丈夫かそのリーダー…)
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