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ウィングズ・ギルド

シロンを追うが、逃げられるアヴァン。
「どこ行きやがった…?」そう呟きながら辺りを見回す彼の視界に、ガタガタと動く影が映る。

アヴァン「あ?なんだあれ?」
「──っ!!──っ!?」
ガタンガタン
アヴァン「ゴミ箱に…ハマってんのか?
 どれ、助けてやろうじゃねーか」

ごみ箱に手を掛け、持ち上げると、焦げ茶の獣―グレムリンが転がる。

グレムリン「──っ!!…ギャッ!?
 ガーッ!!」
アヴァン「うわっ!?」

グレムリンはアヴァンを見るやいなや、威嚇する。

グレムリン「グルルルっ…」
アヴァン「おいおい、助けてやった恩人にそりゃねーだろ」
グレムリン「…ニャ?」

グレムリンは首をかしげて立ち上がる。

アヴァン「つか、お前グレムリンじゃねーか。
 東にあるタルヴィ・ヒロントによく生息しているって聞いたことあるが、なんでまたこんな離れた土地のメディアに…」
グレムリン「……ツヨイ?」
アヴァン「ん?(こいつ喋るのか…)」
グレムリン「オマエ、ツヨイ?」
アヴァン「お前よりか?
 そりゃ強いに決まってんだろ!」
グレムリン「シャーッ!!」

グレムリンは引っかき攻撃をした。
アヴァンは慌てて躱す。

アヴァン「うわっ!?今度はなんだよ!!」
グレムリン「戦エ!
 勝ッタラ、子分二シテヤル!」
アヴァン「それを言うなら“仲間になってやる”だろ…
 まぁいいや、じゃあお前が勝ったら、俺んとこにある飛空挺でも見せてやるか!」
グレムリン「!?」

グレムリンの耳がピンっとあがる。
明らかに嬉しそうな反応だ。

アヴァン「グレムリンは確か、機械が好きだったよな?
 飛空挺なんて、技術の塊だぜ!…うおっ!!」

すると、グレムリンは切り裂きにかかる。

グレムリン「勝負!勝負!!」
アヴァン「早とちりにもほどがあるだろ!」
グレムリン「グゥウウ……ガァア!」

すると、グレムリンは火の玉を吐く。
慌ててアヴァンは木の棒で防ごうとするが、燃え移って炎上してしまう。

アヴァン「あっちっ!?
 あーあ、拾った木の棒がダメになったな……」

そしてまた、辺りを見回す。
今度は木の剣を見つける。

アヴァン「おっ、使えそう!
 おりゃ!」
グレムリン「ぎゃいん!」

見事にグレムリンに当たり、グレムリンは地面に倒れる。

グレムリン「バッタンキュ~…」
アヴァン「ふぅ、炎を吐くなんてな…
 でも、俺の勝ちだな」
グレムリン「ウー…飛空挺……」
アヴァン(なんか…仲間になる事より、飛空挺が上になってね?)
 「あー…俺の仲間になれば、飛空挺見放題だろ…」

すると、凹んでいたグレムリンの耳がピンっと立ち上がり、アヴァンの足元をぴょんぴょんする。

グレムリン「ナカマ!ナカマ、ナル!!」
アヴァン「おう!よろしくな!
 ところで、名前はあるのか?」
グレムリン「ウーン、ナイ!」
アヴァン「そっか、じゃあお前は今日からグリードな。
 いい名前だろ?」
グリード「グリード……オレ、グリード!」
アヴァン「気に入ってくれたか、そりゃ良かった!」

アヴァンはグレムリンのグリードを仲間にした!

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