第一章:真紅の暴君
・明日は決闘…?
学園長の勧めにより、エースとデュースがリドル寮長に決闘を申し込むことになった。
決行は明日。ということで、またエースとデュースはオンボロ寮で一泊することになる。
ジェード「今日もエースとデュースはうちでお泊り。
まぁ別に困ることはないけどさ…
明日、決闘することになるとはねぇ…」
デュース「はぁ…優等生の道が遠くなっていく…」
ジュゼ「いいんじゃない?
勝敗を決める決闘、勝てば君が正義。
むしろ、優等生の道がぐんと近くなると思うよ?」
ジェード「勝てばの話だけどね」
エース「なんだよ、ジェードはオレたちが負けると思ってんのか?」
ジェード「賭けをするとなると、おれは断然リドル先輩に賭けるかな〜」
エース「こんのっ、ぜってぇ大損踏ませてやるっ!!」
ジュゼ「その為には敵の手の内を少しでも知り、作戦に役立てる必要がある。
そして何よりも…ふふふ」
ジェード「…ジュゼちゃんまーた調査対象増えたって喜んでる〜」
ジュゼ「二人には悪いけど、この首輪の能力を調べるには数が必要だ。
そして、一応だったのだけど、グリムからは魔力指数を測ってある。
これで、この首輪の魔法封じがどのように発動しているのか調べることができる…!」
グリム「また測るのかぁ?」
ジュゼ「ツナ缶あるよ?」
グリム「どんどん測るんだゾ!」
ジュゼ「ありがと〜。
って言ってもこの魔力測定器、廉価だし整備もちゃんとできてないからちゃんと測れてるか微妙なんだよな…」
デュース「そうなのか…」
ジュゼ「調整する暇がなかったからね…」
エース「にしても、グリムの魔力測定までしてるなんて、用意周到すぎね?
…実は、こうなること予測してた?
首輪が増えてちょっと嬉しいとか思っちゃったりするわけ?」
ジュゼ「え…」
エースの意地の悪い質問に、ジュゼが思わず固まってしまう。
デュース「おい、エース…そんな言い方…」
ジュゼ「………ご、ごめん…そ、そんなつもりは…」
あからさまに曇るジュゼの表情に、ジェードはエースの胸ぐらをつかむ。
ジェード「エース!お前、今すぐ謝れ!!」
エース「うわ!?突然なんだよ…」
ジュゼ「ジェードやめろ…やめてくれ…
大丈夫、大丈夫だから…」
ジェードを制止したジュゼは、ふらりと立ち上がり、部屋から出ていく。
その様子を見たジェードはエースを突き飛ばし、後を追おうとする。
ジェード「…これだけは言っといてあげる。
お前はジュゼの地雷を踏んだ、二度目はねぇからな…」
エース「……ぅす…
いや一体何で爆発したんだよ…
全くわかんねぇんですけど……」
デュース「…ジュゼ……」
グリム「あ、ツナ缶!
ジュゼ、ツナ缶はー!?」
────
月明かりがテラスを照らす。
ジェードから貰ったココアの入ったマグカップを片手に、ジュゼは物思いにふけていた。
ジュゼ「……はぁ、こんな時に取り乱すなんて…
明日はデュースとエースが、リドル先輩と決闘するっていうのに…
少しでも、あの魔法の解析をしなきゃ、いけないってのに…」
すると、テラスにデュースが見つけたと言わんばかりに入ってくる。
デュース「ジュゼ、ここにいたのか」
ジュゼ「…デュース…」
デュース「その…同寮のエースがごめん…
多分あいつも、そこまで考えてなかっただろうけど、お前を傷つけたみたいだし」
ジュゼ「…いや大丈夫。俺が勝手に傷ついただけ…
むしろこっちこそごめんね、動揺しちゃって…」
デュース「あぁ…ジェード、すごい剣幕だったな」
ジュゼ「あはは、あの子は俺のことをよく知ってるから、なんで動揺したかすぐ分かっちゃったんだと思う。
俺を思ってのことだから、気を悪くしないで」
デュース「もとより、エースも気を悪くはしてないと思うぞ。
まぁ…なにを踏んだか分からないって言ってたけど…」
ジュゼ「…デュースはさ、昔は悪いことばっかりしてたんだっけ?」
デュース「え?まぁ…そうだな…」
ジュゼ「…人をたくさん傷つけた?」
デュース「……あぁ、傷つけたな」
ジュゼ「…殺したことは…?」
デュース「!?…いや、殴り合いはしょっちゅうだったけど殺すまでは……
まさか、お前…」
ジュゼ「…俺ね、たくさん殺したことがあるの。
親しい人も、俺に優しくしてくれた人も、逆に苦しくしてた人も、みんな、みーんな……」
デュース「っ……」
デュースは思わず口を噤む。
月に陰って、ジュゼの表情をうまく見ることができない。
ジュゼ「俺さ、人間じゃないんだ。
いや、本質的には人間なんだけど…不老、みたいな?
本当はね、100年くらい生きてる」
デュース「100年!?
そ、そうだった…んですか…」
ジュゼ「ふふ、100年くらい生きてるって言ったけど精神年齢は見た目通りだし…
敬語はやめてくれ、友達だろ?」
デュース「あ、す、すまない。
うんと年上だと聞いて、ついな…
お前が不老なのは、人を殺したのと関係があるのか?」
ジュゼ「こうなったのは、実験の最中だったから…
俺、元々、不老不死を目的に研究をしていたんだ。
だけど、とある事件が起きて…
みんな、病気になっちゃって…
助けるために、たくさん犠牲にした…
結局、俺が救えたのはオルガ…俺が兄と慕ってるたった一人だけ…
他は…みんな死んだ…俺が、殺しちゃった…」
デュース「それは!…殺したことにはならないだろ…
お前は、救いたかったんだろ?」
デュースは立ち上がり、ジュゼに詰め寄る。
ジュゼは目を丸くするが、何かを思い出すようにふわりと笑う。
ジュゼ「…ありがと、それオルガにもジェードにも言われた。
うん、だからね、俺はここまで生きてこれたんだ。
それで、ジェードに出会えて、みんなに出会えた」
デュース「…僕、ジュゼに出会えて、嬉しいぞ」
ジュゼ「うん…俺も、デュースに会えて嬉しい…
…きっと、リドル先輩はね、あの頃の俺のように孤立しつつある…
だから止めたい…けど、俺は決闘には参加できないから…」
デュース「そうだな、同じ寮同士でしか決闘は認められていないと学園長が言ってたしな。
だから、ジュゼの分まで頑張るから…見ててくれよ」
と、デュースは拳を突き出す。
少し戸惑う表情をしたジュゼを見て、デュースは拳を突くんだぞとジェスチャーする。
それを察して、ジュゼはそっとその拳を真似てコツンと当てる。
ジュゼ「…うん」
デュース「…その為にもこれ、調べないとな?」
と、リドルに着けられた首輪を指し、隣に座る。
ジュゼ「ぁ………うん、見せてくれる?」
デュース「もちろん、ジュゼの頼みなら何でも聞いてやるさ」
グリム「ジュゼ!ツナ缶よこせー!」
テラスに飛び込んできたグリム。
デュースは思わずと驚く。
デュース「うわ!?グリム来たのか…」
グリム「ジュゼがツナ缶くれずにどっか行ったからなんだゾ!
ほら、首輪調べるんだろ!」
ふんすふんすと、ツナ缶目当てに首輪の着いた自らを差し出すグリムに、ジュゼはすくすく笑いながら抱っこする。
ジュゼ「あ…うん、そうだったね。
ごめんね、グリム…ん、首輪の分ちょっと重い気がする…
重さは、エースたちの着けているものと同じかな…?」
デュース「あ、研究モード……ふふっ」
グリム「んー、デュース気持ち悪いんだゾ…
何笑ってんだ」
デュース「気持ち悪いってなんだ。
…ジュゼが夢中になって調べてる目、ジェードが言う程じゃないけど、好きだなって思っただけさ」
学園長の勧めにより、エースとデュースがリドル寮長に決闘を申し込むことになった。
決行は明日。ということで、またエースとデュースはオンボロ寮で一泊することになる。
ジェード「今日もエースとデュースはうちでお泊り。
まぁ別に困ることはないけどさ…
明日、決闘することになるとはねぇ…」
デュース「はぁ…優等生の道が遠くなっていく…」
ジュゼ「いいんじゃない?
勝敗を決める決闘、勝てば君が正義。
むしろ、優等生の道がぐんと近くなると思うよ?」
ジェード「勝てばの話だけどね」
エース「なんだよ、ジェードはオレたちが負けると思ってんのか?」
ジェード「賭けをするとなると、おれは断然リドル先輩に賭けるかな〜」
エース「こんのっ、ぜってぇ大損踏ませてやるっ!!」
ジュゼ「その為には敵の手の内を少しでも知り、作戦に役立てる必要がある。
そして何よりも…ふふふ」
ジェード「…ジュゼちゃんまーた調査対象増えたって喜んでる〜」
ジュゼ「二人には悪いけど、この首輪の能力を調べるには数が必要だ。
そして、一応だったのだけど、グリムからは魔力指数を測ってある。
これで、この首輪の魔法封じがどのように発動しているのか調べることができる…!」
グリム「また測るのかぁ?」
ジュゼ「ツナ缶あるよ?」
グリム「どんどん測るんだゾ!」
ジュゼ「ありがと〜。
って言ってもこの魔力測定器、廉価だし整備もちゃんとできてないからちゃんと測れてるか微妙なんだよな…」
デュース「そうなのか…」
ジュゼ「調整する暇がなかったからね…」
エース「にしても、グリムの魔力測定までしてるなんて、用意周到すぎね?
…実は、こうなること予測してた?
首輪が増えてちょっと嬉しいとか思っちゃったりするわけ?」
ジュゼ「え…」
エースの意地の悪い質問に、ジュゼが思わず固まってしまう。
デュース「おい、エース…そんな言い方…」
ジュゼ「………ご、ごめん…そ、そんなつもりは…」
あからさまに曇るジュゼの表情に、ジェードはエースの胸ぐらをつかむ。
ジェード「エース!お前、今すぐ謝れ!!」
エース「うわ!?突然なんだよ…」
ジュゼ「ジェードやめろ…やめてくれ…
大丈夫、大丈夫だから…」
ジェードを制止したジュゼは、ふらりと立ち上がり、部屋から出ていく。
その様子を見たジェードはエースを突き飛ばし、後を追おうとする。
ジェード「…これだけは言っといてあげる。
お前はジュゼの地雷を踏んだ、二度目はねぇからな…」
エース「……ぅす…
いや一体何で爆発したんだよ…
全くわかんねぇんですけど……」
デュース「…ジュゼ……」
グリム「あ、ツナ缶!
ジュゼ、ツナ缶はー!?」
────
月明かりがテラスを照らす。
ジェードから貰ったココアの入ったマグカップを片手に、ジュゼは物思いにふけていた。
ジュゼ「……はぁ、こんな時に取り乱すなんて…
明日はデュースとエースが、リドル先輩と決闘するっていうのに…
少しでも、あの魔法の解析をしなきゃ、いけないってのに…」
すると、テラスにデュースが見つけたと言わんばかりに入ってくる。
デュース「ジュゼ、ここにいたのか」
ジュゼ「…デュース…」
デュース「その…同寮のエースがごめん…
多分あいつも、そこまで考えてなかっただろうけど、お前を傷つけたみたいだし」
ジュゼ「…いや大丈夫。俺が勝手に傷ついただけ…
むしろこっちこそごめんね、動揺しちゃって…」
デュース「あぁ…ジェード、すごい剣幕だったな」
ジュゼ「あはは、あの子は俺のことをよく知ってるから、なんで動揺したかすぐ分かっちゃったんだと思う。
俺を思ってのことだから、気を悪くしないで」
デュース「もとより、エースも気を悪くはしてないと思うぞ。
まぁ…なにを踏んだか分からないって言ってたけど…」
ジュゼ「…デュースはさ、昔は悪いことばっかりしてたんだっけ?」
デュース「え?まぁ…そうだな…」
ジュゼ「…人をたくさん傷つけた?」
デュース「……あぁ、傷つけたな」
ジュゼ「…殺したことは…?」
デュース「!?…いや、殴り合いはしょっちゅうだったけど殺すまでは……
まさか、お前…」
ジュゼ「…俺ね、たくさん殺したことがあるの。
親しい人も、俺に優しくしてくれた人も、逆に苦しくしてた人も、みんな、みーんな……」
デュース「っ……」
デュースは思わず口を噤む。
月に陰って、ジュゼの表情をうまく見ることができない。
ジュゼ「俺さ、人間じゃないんだ。
いや、本質的には人間なんだけど…不老、みたいな?
本当はね、100年くらい生きてる」
デュース「100年!?
そ、そうだった…んですか…」
ジュゼ「ふふ、100年くらい生きてるって言ったけど精神年齢は見た目通りだし…
敬語はやめてくれ、友達だろ?」
デュース「あ、す、すまない。
うんと年上だと聞いて、ついな…
お前が不老なのは、人を殺したのと関係があるのか?」
ジュゼ「こうなったのは、実験の最中だったから…
俺、元々、不老不死を目的に研究をしていたんだ。
だけど、とある事件が起きて…
みんな、病気になっちゃって…
助けるために、たくさん犠牲にした…
結局、俺が救えたのはオルガ…俺が兄と慕ってるたった一人だけ…
他は…みんな死んだ…俺が、殺しちゃった…」
デュース「それは!…殺したことにはならないだろ…
お前は、救いたかったんだろ?」
デュースは立ち上がり、ジュゼに詰め寄る。
ジュゼは目を丸くするが、何かを思い出すようにふわりと笑う。
ジュゼ「…ありがと、それオルガにもジェードにも言われた。
うん、だからね、俺はここまで生きてこれたんだ。
それで、ジェードに出会えて、みんなに出会えた」
デュース「…僕、ジュゼに出会えて、嬉しいぞ」
ジュゼ「うん…俺も、デュースに会えて嬉しい…
…きっと、リドル先輩はね、あの頃の俺のように孤立しつつある…
だから止めたい…けど、俺は決闘には参加できないから…」
デュース「そうだな、同じ寮同士でしか決闘は認められていないと学園長が言ってたしな。
だから、ジュゼの分まで頑張るから…見ててくれよ」
と、デュースは拳を突き出す。
少し戸惑う表情をしたジュゼを見て、デュースは拳を突くんだぞとジェスチャーする。
それを察して、ジュゼはそっとその拳を真似てコツンと当てる。
ジュゼ「…うん」
デュース「…その為にもこれ、調べないとな?」
と、リドルに着けられた首輪を指し、隣に座る。
ジュゼ「ぁ………うん、見せてくれる?」
デュース「もちろん、ジュゼの頼みなら何でも聞いてやるさ」
グリム「ジュゼ!ツナ缶よこせー!」
テラスに飛び込んできたグリム。
デュースは思わずと驚く。
デュース「うわ!?グリム来たのか…」
グリム「ジュゼがツナ缶くれずにどっか行ったからなんだゾ!
ほら、首輪調べるんだろ!」
ふんすふんすと、ツナ缶目当てに首輪の着いた自らを差し出すグリムに、ジュゼはすくすく笑いながら抱っこする。
ジュゼ「あ…うん、そうだったね。
ごめんね、グリム…ん、首輪の分ちょっと重い気がする…
重さは、エースたちの着けているものと同じかな…?」
デュース「あ、研究モード……ふふっ」
グリム「んー、デュース気持ち悪いんだゾ…
何笑ってんだ」
デュース「気持ち悪いってなんだ。
…ジュゼが夢中になって調べてる目、ジェードが言う程じゃないけど、好きだなって思っただけさ」
