第一章:真紅の暴君

・夢と朝
ハートの女王に薔薇を赤く塗っているところを見つかったトランプの家来たち。
彼らは首を跳ねられるそうだ。
確かに白と赤を間違えたのは事実だ。
それを隠そうと赤く塗ったのも事実。きっと悪いことなのだろう。
でも、ハートの女王に薔薇を間違えたことを報告したら、彼女は首を跳ねなかったのだろうか…?
…いや、あのハートの女王はそれでも首を跳ねるだろう。
間違えた。それだけで彼女は首を跳ねるのだろう。
あぁ…一度の間違いを許せないなんて…。
愚かなハートの女王だ。
でも…それよりも一番愚かなのは…。
それを止めようともしない、トランプの家来たちだ。


──翌朝…
デュース「……おはよう、ジェード」


まだ設備も整っていない簡易的な厨房。
そこで紅茶の準備をするジェードを見つけるデュースがいた。


ジェード「おはようデュースくん。
 君、結構早起きだね」

デュース「寮の起床時間より少し前に起きるのは当然だろ?
 ところでジュゼは?まだ起きてないのか?」

ジェード「今からジュゼに朝の紅茶を入れるところだよ。
 デュースくんも飲むかい?」

デュース「あぁ、頂こう…
 …なぁ、その砂糖の量はなんだ?」

ジェード「ジュゼのいつもの紅茶の量。
 あの子の紅茶は角砂糖6個って決まってるからね」

デュース「多いな…甘党とは言ってたが…」

ジェード「だろ?おれもそう思う。
 こっちの紅茶は普通の紅茶だから、これを飲んでるといいよ。
 ところでさ、昨日卵のパックを落としたって言ってたけど…
 どうして落としたの?」

デュース「ん?僕が落としたんじゃない、角から先輩たちに押されて落としたんだ。
 ほら、昼食の時にカルボナーラで怒ってた先輩」

ジェード「ふーん、そっかぁ…
 教えてくれてありがとうデュースくん♪」

デュース「あ、あぁ……?」


図らずしもピースを揃えてさせてしまったデュース。
その後、例の上級生たちがどうなったかは…デュースとジュゼは知る由もないのである…。



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