第一章:真紅の暴君
・デュースの過去
「ひぇえ!!!なんてマッドな野郎だ!
6発どころじゃねぇじゃねぇか!嘘つきっ!!」
「ヤベェ!逃げろぉ!
鶏さんごめんなさいぃ!!」
デュース「今度卵を食うときは100回謝ってから食え!!ダァホが!!!」
グリム「ひぇ……」
ジュゼ「……お疲れ様」
デュース「ハァ…ハァ………ぅ!?」
我に返ったデュースは、二人の様子を見て顔を青ざめさせ、座り込む。
グリム「ど、どうしたんだゾ!?」
デュース「や、やってしまった…
今度こそ、絶対、絶対優等生になろうって、思ってたのに…」
グリム「えぇ?」
デュース「……俺はミドルスクールの頃、とにかく荒れてて…
しょっちゅう学校サボって、毎日ケンカに明け暮れてた…
先生の名前は呼び捨て。ワルい先輩ともツルんだし、髪の色もメチャクチャ脱色してた…
マジカルホイールで峠も攻めてたし…
魔法使えないやつに魔法でマウントを取ったりする、どうしようもない不良だったんだよ…」
グリム「今時なかなか見ないくらい、テンプレなワルなんだゾ!」
ジュゼ「…うん(マジカルホイールってなんだろ…)」
デュース「でも、ある夜…
俺に隠れて泣きながら、婆ちゃんに電話してる母さんの姿を見ちまったんだ。
自分の育て方が悪かったんじゃないか、片親なのがよくなかったんじゃないかって…
そんなわけねぇのに…母さんはなんにも悪くねぇ、悪いのは全部俺だ!
だから、名門ナイトレイブンカレッジから迎えの馬車が来たとき、すげー喜んでくれた母さんを今度こそ泣かせないって決めた。
俺は今度こそ、母さんが自慢できる優等生になろうって決めたのに…
なのに……ちくしょう…!」
割れ落ちた卵入りビニールの横で、地面を殴るデュース。
ジュゼは少し考えて、口を開く。
ジュゼ「……あのとき、我慢することが君の中での優等生像なのかい?」
デュース「え…?」
グリム「そうだゾ、オレ様だって不良にもう十発くらいパンチしてやりたかったんだゾ!
その前にお前がやっつけちゃったけど」
ジュゼ「…ジェードは、学園長にこの短期間で随分な信頼を買ってもらっているようだけど、あいつは、君よりもかなり悪質でタチの悪い性格をしてるよ?
さっき学食で見たでしょ?俺に悪いことがあるとすぐ喧嘩っ早くなるの」
デュース「ぁ…まぁ、そう、だな…」
ジュゼ「でもあの子はきっと、先生たちからは信頼を寄せられるんだ。
それは、ジェードはそういうことをうまくやりくりしてるからなんだよね。
我慢することだけが優等生になれる道だとは限らない。
怒ったっていいんだよ、あとでちゃんと尻拭いができれば…ね」
デュース「…ジュゼ」
ジュゼ「君の場合は、やり過ぎ注意ってくらいかな。
ま、これは俺のジェードにも言えることなんだけど…
とにかく、やり返すのはいいけど引き際を間違えないこと。冷静さは欠いては駄目だよ?」
デュース「…そうだな!へへっ、ありがとう!
引き際、なるほど…」
ジュゼ「それに、ビニール袋の卵パック分には十分な制裁を加えられたと思うよ?」
デュース「あぁ、そうだよな…
これで、ヒヨコも安らかに成仏してくれるよな…」
ジュゼ「うん!ところで、さ…
その卵、いくら温めてもヒヨコには還らないと思うぞ?
多分、無精卵だろうし」
デュース「……ぇええええ!!??嘘だろ!?!?」
ジュゼ「あと、マジカルホイールってなに?」
グリム「ジュゼ、それは今聞く事じゃないと思うんだゾ…」
ジェード「あ、みんなここにいた!」
すると、向こうからジェードが走ってくる。
ジュゼ「あれ、ジェード…?なんでここに?」
ジェード「遅いから迎えに来ちゃった!
ついでにメモしわすれたことがあったから、おれも購買部に……
デュースどうしたの?何かあったの…?」
デュース「ヒヨコ…この卵からは…還らないのか…」
ジェード「めっちゃショック受けてる…
君たち、購買部で何があったの…?」
ジュゼ「ん?ちょっと、帰りにデュースが卵落としちゃって…」
グリム「ん?違うんだゾ、さっき昼間の奴らが──もごご!」
ジュゼ「あー!ジェード!
卵1パック落として潰しちゃったから、ついでにそれも買ってきてくれるかな!?」
ジェード「ん、いいけど………
じゃ、またあとで、すーぐ追い付くからねー♡」
ジュゼ「あ、あぁ……はぁ…
グリム、ここでそんな事言ったら、あの先輩方が本当に一生、卵を食べられなくなるから」
グリム「む?どういうことだゾ?」
ジュゼ「…幸い、デュースもヒヨコショックで話聞いてないみたいだし…
これ以上の制裁は俺も望まない。穏便にあるべき、だよ…」
デュース「俺が16年間信じてきたものは一体…」
ジュゼ「いや大袈裟すぎだろ…」
「ひぇえ!!!なんてマッドな野郎だ!
6発どころじゃねぇじゃねぇか!嘘つきっ!!」
「ヤベェ!逃げろぉ!
鶏さんごめんなさいぃ!!」
デュース「今度卵を食うときは100回謝ってから食え!!ダァホが!!!」
グリム「ひぇ……」
ジュゼ「……お疲れ様」
デュース「ハァ…ハァ………ぅ!?」
我に返ったデュースは、二人の様子を見て顔を青ざめさせ、座り込む。
グリム「ど、どうしたんだゾ!?」
デュース「や、やってしまった…
今度こそ、絶対、絶対優等生になろうって、思ってたのに…」
グリム「えぇ?」
デュース「……俺はミドルスクールの頃、とにかく荒れてて…
しょっちゅう学校サボって、毎日ケンカに明け暮れてた…
先生の名前は呼び捨て。ワルい先輩ともツルんだし、髪の色もメチャクチャ脱色してた…
マジカルホイールで峠も攻めてたし…
魔法使えないやつに魔法でマウントを取ったりする、どうしようもない不良だったんだよ…」
グリム「今時なかなか見ないくらい、テンプレなワルなんだゾ!」
ジュゼ「…うん(マジカルホイールってなんだろ…)」
デュース「でも、ある夜…
俺に隠れて泣きながら、婆ちゃんに電話してる母さんの姿を見ちまったんだ。
自分の育て方が悪かったんじゃないか、片親なのがよくなかったんじゃないかって…
そんなわけねぇのに…母さんはなんにも悪くねぇ、悪いのは全部俺だ!
だから、名門ナイトレイブンカレッジから迎えの馬車が来たとき、すげー喜んでくれた母さんを今度こそ泣かせないって決めた。
俺は今度こそ、母さんが自慢できる優等生になろうって決めたのに…
なのに……ちくしょう…!」
割れ落ちた卵入りビニールの横で、地面を殴るデュース。
ジュゼは少し考えて、口を開く。
ジュゼ「……あのとき、我慢することが君の中での優等生像なのかい?」
デュース「え…?」
グリム「そうだゾ、オレ様だって不良にもう十発くらいパンチしてやりたかったんだゾ!
その前にお前がやっつけちゃったけど」
ジュゼ「…ジェードは、学園長にこの短期間で随分な信頼を買ってもらっているようだけど、あいつは、君よりもかなり悪質でタチの悪い性格をしてるよ?
さっき学食で見たでしょ?俺に悪いことがあるとすぐ喧嘩っ早くなるの」
デュース「ぁ…まぁ、そう、だな…」
ジュゼ「でもあの子はきっと、先生たちからは信頼を寄せられるんだ。
それは、ジェードはそういうことをうまくやりくりしてるからなんだよね。
我慢することだけが優等生になれる道だとは限らない。
怒ったっていいんだよ、あとでちゃんと尻拭いができれば…ね」
デュース「…ジュゼ」
ジュゼ「君の場合は、やり過ぎ注意ってくらいかな。
ま、これは俺のジェードにも言えることなんだけど…
とにかく、やり返すのはいいけど引き際を間違えないこと。冷静さは欠いては駄目だよ?」
デュース「…そうだな!へへっ、ありがとう!
引き際、なるほど…」
ジュゼ「それに、ビニール袋の卵パック分には十分な制裁を加えられたと思うよ?」
デュース「あぁ、そうだよな…
これで、ヒヨコも安らかに成仏してくれるよな…」
ジュゼ「うん!ところで、さ…
その卵、いくら温めてもヒヨコには還らないと思うぞ?
多分、無精卵だろうし」
デュース「……ぇええええ!!??嘘だろ!?!?」
ジュゼ「あと、マジカルホイールってなに?」
グリム「ジュゼ、それは今聞く事じゃないと思うんだゾ…」
ジェード「あ、みんなここにいた!」
すると、向こうからジェードが走ってくる。
ジュゼ「あれ、ジェード…?なんでここに?」
ジェード「遅いから迎えに来ちゃった!
ついでにメモしわすれたことがあったから、おれも購買部に……
デュースどうしたの?何かあったの…?」
デュース「ヒヨコ…この卵からは…還らないのか…」
ジェード「めっちゃショック受けてる…
君たち、購買部で何があったの…?」
ジュゼ「ん?ちょっと、帰りにデュースが卵落としちゃって…」
グリム「ん?違うんだゾ、さっき昼間の奴らが──もごご!」
ジュゼ「あー!ジェード!
卵1パック落として潰しちゃったから、ついでにそれも買ってきてくれるかな!?」
ジェード「ん、いいけど………
じゃ、またあとで、すーぐ追い付くからねー♡」
ジュゼ「あ、あぁ……はぁ…
グリム、ここでそんな事言ったら、あの先輩方が本当に一生、卵を食べられなくなるから」
グリム「む?どういうことだゾ?」
ジュゼ「…幸い、デュースもヒヨコショックで話聞いてないみたいだし…
これ以上の制裁は俺も望まない。穏便にあるべき、だよ…」
デュース「俺が16年間信じてきたものは一体…」
ジュゼ「いや大袈裟すぎだろ…」
