第一章:真紅の暴君

・ディアソムニア寮
他寮の話を、トレイとケイトが順々に話してくれる。
その中でもジュゼは、イグニハイド寮の話に興味を持ったらしい。


ジュゼ「イグニハイド寮…
 なかなかに興味がある…」

ジェード「君、さては魔法エネルギー工学の話に惹かれたな…?
 ジュゼちゃんそういうの好きだもんね」

エース「そうなのか?」

ジェード「うちにいた頃はお世話ロボットいっぱい作ってたし、武器はロケットランチャーだったしね…」

エース「え…?」

ジュゼ「ここに来てからは、魔力容量が上がった気がするから、兵器武器に頼らずとも魔法でなんとかできる…気がする」

ケイト「君たち、結構殺伐とした地域に住んでた?」

ジェード「いや、大きな戦争は一度もない、平和な大陸に住んでますよ!別の大陸は知りませんけど…
 でも一応、魔物とかうようよいるし、小競り合いはしょっちゅうあるので自衛手段として?
 まぁ、ジュゼの武器は正直言って一昔前のって感じですけど」

ジュゼ「っ、あ、あの頃はまだ魔法はジェードに習ったばかりでほとんど使えなかったんだ!
 だからうちで手軽に作れた、ロケットランチャーとかミサイルが主力だったけど…」

ジェード「君…研究専攻はまったく別物ですよね?
 ロボット工学じゃないですよね?」

ジュゼ「ちがう…けどぉ……」

デュース「なんか…すげぇな、お前ら…」

トレイ「ん?ジェードは魔法が使えないと聞いているけど、ジュゼはジェードから習ったんだな?」

ジェード「つーかーえーまーすぅー!
 こっち来てから絶不調なんですよぉ!
 全く、困ったものだよ…」

トレイ「はは…すまない、そうだったのか」

デュース「あとは…ディアホニャララ寮ですっけ?」

エース「ディアソムニア寮ね。
 何キリッとした感じで語尾誤魔化してんの」

デュース「か、噛んだだけだ!噛んだだけ!」

ジェード「最初、ジュゼがいた寮だね」

ジュゼ「うん、そうだな」

ケイト「ええー!ジュゼちゃんディアソムニア寮にいたの?
 そこからあのオンボロ寮に?なかなかなことするねぇ…」

トレイ「ケイト!」

ジェード「まぁいいですよ、事実ですから。
 でもおれにかかれば、数カ月でオンボロなんて呼ばせませんからね!」

グリム「こいつ、ホントに寮を魔改造する気だゾ…」

ケイト「で、ディアソムニア寮は…あ、いたいた。
 あそこの奥の特等席で固まってるメンツ。
 黄緑と黒の腕章が目印。
 あそこはなんっつーか、ちょーセレブって感じ?
 庶民は話しかけづらいんだよね…
 寮長からして近寄りがたさMAX、みたいな?」

ジュゼ「そうかな…すごくいい人だったけど」

ケイト「え、ジュゼちゃんディアソムニアの寮長と話したの!?」

ジュゼ「転寮手続きする時にちょっとだけ…
 寂しそうにされてたから、また遊びにいきますって言いましたし…」

リリア「そうか!それはマレウスも喜ぶぞ!」

エース「うわ!?」


振り向くと、逆さまのリリアがにこにこと微笑んでいた。


グリム「ぶにゃ!?
 こいつ!?瞬間移動したゾ!?」

ジュゼ「リリア先輩、こんにちわ」

リリア「うむ、こんにちわジュゼ。
 それと、ジェードもな」

ジェード「こ、こんにちわ…
 でもいきなり逆さまになって現れるのは驚きましたよ…」

リリア「おお、そうか?すまんすまん。
 そうじゃ、その転寮の件じゃが、空いてる時にディアソムニア寮に来ては貰えんかの?
 実は手続きがまだ残っておるでの…」

ジュゼ「そうだったんですか…
 じゃあ、このあとすぐにでも」

リリア「あーよいよい…そんなに焦らんでも。
 今は友と語らう食事を楽しむが良い。
 ジェードも、気が向いたら遊びに来るとよいぞ。
 ディアソムニア寮はいつでもおぬしらを歓迎するぞ!」

「………」「………」


銀髪の生徒と黄緑髪の生徒がジーっとこちらを見ている。
リリアの言う歓迎ムードとは、あまりにも雰囲気が違うように感じる。


エース「後ろ二人は歓迎ってムードじゃないっすけど…」

ジェード「じゃあ今度、ジュゼと一緒に遊びに行かせてもらいますね」

リリア「うむ!きっとマレウスも喜ぶことじゃろう!
 食事中上から失礼したな、ではまたいずれ…」

エース「………あっちとこっち、軽く20m以上離れてんのに会話聞こえてたってこと!?こわっ…」

トレイ「まぁ…そんなわけで、ディアソムニア寮は特殊な奴らが多いってイメージだな。
 魔法全般に長けた優秀な生徒が多い。
 なかでも寮長のマレウス・ドラコニアは世界でも5本の指に入る魔法士と言われるくらいだ」

デュース「そんな方とジュゼはマブ…
 ジュゼさんって、呼んでいいっすか…?」

ジュゼ「デュース、普通でいいから、ね?」

デュース「あ、はい…」

ケイト「マレウスくんは正直、ヤバヤバのヤバなんだよね。
 つか、それを言うなら、うちの寮長も激ヤバなんだけどね〜」

エース「ほんとになっ!
 タルト一切れ食ったくらいでこんな首輪つけやがって…心の狭さが激ヤバだよ!」

「ふぅん?ボクって激ヤバなの?」

エース「そーだよ、厳格通り越して横暴だろ、こんなん…」

デュース「エース、後ろ!」

エース「ん?…でぇ!?寮長!?」

ジェード「あーあ…w」



7/23ページ
スキ