プロローグ

・帰宅!
ドワーフ鉱山から帰宅し、魔法石をクロウリーに見せると、クロウリーは仮面の下で目を丸くしていた。


クロウリー「………本当にドワーフ鉱山に行って魔法石を持って帰ってくるとは…
 粛々と退学手続きを進めてしまっていましたよ…」

エース「全ッ然信用してねーじゃん!!」

ジェード「いや当然だろ…
 おれが学園長の立場でもやってるわ…」

エース「ジェード〜そりゃねぇぜ!」

デュース「ですが…これで退学は免除できますよね?」

グリム「そうだゾ!これ拾ってくるのに大変だったんだからな!
 とんでもねー化物にめちゃくちゃ追い回されたんだゾ!」

クロウリー「なに?化物…?
 詳しく話を聞かせてもらえますか?」

ジェード「ドワーフ鉱山の中に、おそらく…ドワーフの亡霊が住み着いていました。
 その亡霊は、おれとこいつらで退治したんですけど…」

エース「オレの風魔法と!」

グリム「オレ様の炎と!」

デュース「っ…僕の大釜と…」

ジェード「そこ召喚魔法って言おうよ…
 んー…まぁ、みんなで協力して、亡霊を倒してきました…」

エース「隠すなよぉジェード〜。
 お前もちゃんと活躍しただろ?緑色の化物召喚してさぁ〜」

ジェード「それ深緑の霊獣のこと言ってる?
 あの子地獄耳だし、怒ると怖いよ?
 てか、窓の外で睨んでるね」

エース「えぇ!?…なんもいねーじゃん」

ジェード(霊体化してる…
 あとで仕掛ける気だ…)

クロウリー「…ぉ……」

ジェード「?…学園長?」

クロウリー「ぉおおおお!!!うぉおおおお…!!!」


唐突に咽び泣きだすクロウリーに、ドン引く一同。


ジェード「な、泣いてる…」

グリム「何だコイツ!
 いい年した大人が突然泣き出したんだゾ!?」

デュース「急に、どうされたんですか…!?」

クロウリー「この私が学園長に就任して早ン十年…
 ナイトレイブンカレッジの生徒が、手と手を取り合って敵に立ち向かい打ち勝つ日が来るなんて!
 私は今、猛烈に感動しています」

エース「いや!オレたち、手なんか繋いでねーし!」

デュース「目的が一致しただけ…
 そう、互いを利用しただけです!」

ジェード「エース〜それ比喩だから。
 デュース〜それたしかにそうだけど、学園長の前で言わないの。
 てか…協力して敵を倒すが一度もないことはないでしょ…
 どんだけ非協力的なんですか…」

クロウリー「ナイトレイブンカレッジの生徒たちは皆、闇の鏡に選ばれた優秀な魔法師の卵です。
 …なのですが、何分、優秀がゆえにプライドも高く、我も強く、他者と協力しようという考えを微塵も持たない個人主義かつ自己中心的な者が多い。
 しかしジェードくん、貴方は彼らを従える力にとても優れている、さながら猛獣使いのようです!
 魔法に関しては確かに拙いところがありますが、やはり貴方はこの学園で雑用係として置いておくには実に惜しすぎる存在。私の教育者のカンがそう言っています。
 トラッポラくん、スペードくん、二人の退学を免除するとともに…
 ジェード・フレグラスくん、貴方にナイトレイブンカレッジの生徒として、学園に通う資格を与えます!」

ジェード「え……ふぇ!?」

エース「まじで!?」

クロウリー「えぇ、なんせ私、とびっきり優しいので…
 ですか、先程も申したとおり、ジェードくんは魔法に関してはかなり遅れを取っている…
 そこで…グリムくん、君は今日、魔法士として十分な才能を持っていることを私に証明しました。
 よって、ジェードくんと二人で一人の生徒として、ナイトレイブンカレッジの在籍を認めます」

グリム「ふな゙っ!?」

ジェード「ぇ、えっと…ふーはー……
 そ、それは、グリムはジュゼの使い魔として置いておく、ではなく、生徒として扱うと…?」

グリム「オ…オレ様も、学園の生徒なのか…?
 ジュゼの使い魔じゃなくて、生徒として…?」

クロウリー「はい。
 但し、昨日のような騒ぎは二度と起こさないように!いいですね?
 ジェードくん、グリムくんはご覧の通り、人間社会に不慣れですので…」

ジェード「…代わりにおれが騒ぎを起こさないように、グリムを監督すると…
 まぁ…たしかに、ジュゼの邪魔にならないか不安だったから、オレが面倒見る分には問題ないかな…」

エース「じゃあ、ジェード監督生ってこと?
 あは、魔法が使えない監督生ってやつか!
 いいねぇ、クールじゃん!」

デュース「よかったな、ジェード、グリム」

クロウリー「では、ジェードくん、グリムくん。
 二人には魔法石を渡しておきます。
 といっても、グリムくんはその肉球ではうまく握れないでしょ?
 特別カスタムです。ああ…なんと細やかな気遣い!
 私、優しすぎませんか?」


と、グリムに魔法石のストラップが付いた首輪が渡される。
グリムはうっきうきで早速と首輪を付ける。


グリム「やったんだゾ〜!かっけーんだゾ〜!
 オレ様だけの魔法石の首輪なんだゾ〜♪」


ジェードも、クロウリーから魔法石の付いたペンを渡される。


ジェード「…これ、エースたちが持ってるやつですね」

クロウリー「ええ、ジェードくんのマジカルペンです。
 学園の魔法士はこのマジカルペンで魔法を放つのですが…」

ジェード「ふんっ……
 相変わらず、魔法は使えなそうですね…」

クロウリー「まぁ、それは追々といきましょう。
 さて、今日はもう遅い、詳しい話は明日にしましょう。
 皆さん、寮に戻りなさい」

ジェード「…はい!ありがとうございます!」

デュース「では、失礼します!」


学園長室から出ると、エースがジェードに肩を組まんばかりに飛びついてくる。


エース「よかったな!ジェード!」

ジェード「ありがとうエース。
 まさか、こんな形で在籍を許可されるとは思わなかったよ…
 やば、まだ手が震えてる…」

デュース「ははっ、武者震いってやつか?
 でもこれで、ジェードとグリムも僕達と同級生、ってことか」

グリム「へへーん、オレ様が同級生の枠で収まると思うなよ?
 お前たちをぶっちぎって学年主席になるんだゾ〜!
 そして、世界一の魔法士になってやるんだゾ!」

ジェード「へー?でも残念、流石に主席は取れないんじゃないかなー?」

グリム「な、なんでだゾ!?」

ジェード「それはもちろん!ジュゼくんがいるからで…
 あ、もしかしてジュゼくんと一緒に授業受けれる!?
 ジュゼくんの真面目に授業を取り組む様とか、うっかり眠っちゃうところとか、先生にびっしり答えるところとか見れちゃう!?きゃーっ!!」

デュース「きゅ、急になんか変わったぞ!?」

エース「あー…わかった。こいつの素これだわ…
 さて…もう寝ようぜ。
 じゃあなジェード、グリム」

グリム「また明日なんだゾ!」

ジェード「うへへ…ジュゼくぅ〜ん…♡」


くねくねと、ジュゼへ思いを馳せるジェード。
デュースが一生懸命声をかける。


デュース「も、戻って来てない…
 ジェード、大丈夫か?」

ジェード「はっ!?あ、ごめん…
 うん、また明日ね!」


こうして各々、自分の寮に帰っていくのだった…。



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