プロローグ

・一発逆転
作戦通りに顔のない怪物を弱らせることに成功した一同。
大釜に阻まれ、動けなくなっている怪物の脇をすり抜け、鉱山の中に入っていく。


『グォオオオ………』

エース「お前…そんな召喚魔法が使えたのか…」

デュース「ふん、どんなもんだ!」

ジェード「しっかし、全部大釜召喚とは…
 すごいけど…君、本当に想像力乏しいね…」

デュース「なっ…でも、足止めはできた!
 あとは魔法石を探して帰るだけだ」

ジェード「まぁそのとおりだ。
 除霊はまぁ…今回の依頼ではないからな。
 優先順位は下に位置づけておこう…」

グリム「ふな!なぁ、魔法石ってこれのことか?」

ジェード「お、グリムもちゃんと見つけて、偉い偉い」

エース「なぁオレは!?」

ジェード「うん、風魔法上手だった!」

エース「オレだけなんか雑ぅ!!」

デュース「ここまでの行い故だろ…
 さ、早くこれを持って学園長の元へ…」

『クグ…オデノ…イシ…
 オデノイシダ!カエゼェエエエエエ!!!!』

グリム「ふなああああ!!!??
 あの大釜全部跳ね除けたぞ!?」

エース「でも、かなり弱ってるから、今なら倒せんじゃね?」


すると、ふわりとジェードの首に下がっていた翡翠色のペンダントが光を放つ。


ジェード「…ぁ……んだよ…今頃戻ってきたのか…」

デュース「…今の光は…?」

ジェード「あー気にすんな…
 じゃ、あいつに一気に畳み掛けちゃおう!」

エース「おう!行けぇ!風魔法!!」

グリム「オレ様の炎を喰らいやがれ!
 ふなぁああああ!!!」

デュース「…いけ、大釜!!!」


グリムの炎、エースの風魔法、そしてデュースの大釜が亡霊に当たる。


『グ、グォオオオ………』

ジェード「…深緑の霊獣よ、迷える亡霊を喰らえ!
 “グリーンブラッドファング”!!!」


ジェードの放った深緑の霊獣が亡霊に噛みつき、丸呑みにする。


エース「えぇ!?なんだあれ!!」

デュース「なっ、あれが…ジェードの魔法…?」


丸呑みにしたあと、深緑の霊獣とジェードが対峙する。


ジェード「…深緑の霊獣。
 どうして昨日、おれの召喚に応じなかった?」

『………』

ジェード「は?今回は獲物が目の前にいたから従った?
 今は契約状態じゃないだぁ!?
 おいそれどういう──」


ひゅるんっ!と深緑の霊獣はどこかへ消えてしまう。


ジェード「…あんのやろ…
 おれがこの世界で、マナ使えるようになったら覚えてろよこらぁああ!!!」

エース「お前…やっぱ魔法使えんのかよ!?」

ジェード「…使えるけど…
 どうやら放つ魔法…君たちが使うような普通の魔法とかは使えないみたいなんだ…」

デュース「それは…気の毒だな…」

ジェード「ま、まぁ?おれは幽霊退治専門家だから?生身の人間とかは相手しないですし?
 ……正直つらい…」

エース「…わりぃ!魔力なしとか言って悪かった!
 お前はかなりのやり手だ!それは認める!」

ジェード「ほんとに?ありがと」

デュース「そういえば…
 あの亡霊を倒した時に何か出てきたような…」


と、デュースが落ちている黒い石を拾う。


ジェード「これは…なんだろ?
 黒曜石みたいだけど…」

デュース「魔法石…?
 いや、でもこんな石炭のように真っ黒な石は見たことがない」

グリム「くんくん…
 なんだかコレ、すげーいい匂いがするんだゾ…」

エース「うそだぁ!?」

ジェード「グリムはモンスター…なんだっけ?
 だから、人と感じ方が違うのかも…?」

グリム「あいつが隠し持ってたアメちゃんかもしれねーんだゾ…
 いただきまーす!」

ジェード「あ!?こら!
 拾い食いしない!ペッしなさい!」

グリム「ゔっ…うんまぁ〜〜〜い!!」

ジェード「そのまま飲み込みやがった…」

グリム「まったりとしていてそれでいてコクがあり、香ばしさと甘さが舌の上で花開く…
 まるでお口の中が花畑だゾ!」

エース「げーっ、やっぱモンスターってオレたちとは味覚が違うの?」

ジェード「デュース、魔法石ちゃんと持っときなよ。
 グリムから絶対守ってね!」

デュース「わ、わかった!」

グリム「それは食べないゾ!
 なんか、まずそうだし…」

ジェード「いやどちらかというとこっちが美味しそうじゃないか…?
 いや、石食の趣味はないから食べないけど…」

デュース「………」

ジェード「いや食べないから!
 なんでおれにまで警戒し始めてんの!!」

エース「とにかく、ここでやることは終わっただろ!
 さっさと帰ろうぜ」



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