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「なあ、ローションガーゼって知ってるか?」
 家に遊びに来たウーヤンが、タブレットを弄りながら何気なく言う。ん?今ローションガーゼって言ったか?いや、気のせいだろ、流石に気のせい。
「ローションガーゼってさ、そんな良いの?」
「……何処で聞いてきたそんな言葉」
 気のせいではなかった。誰だ変な言葉吹き込んだ奴。
「凄い気持ちいいらしいじゃん」
「んー、あー、そうらしいな」
 知ってる。だって、昔調べたことあるから。それはもう、死にそうになるくらい良いらしいということも。
「興味ない?」
「俺はやられたくない」
 ここだけの話、多感な頃物は試しとそれ紛いな物をしたことがある。体感、あれはヤバい。出来れば遠慮したいくらいにはヤバい。
「そ?」
「俺がお前にやるなら良いぞ」
「……マジで?」
 おいおい、興味を持つな。こっちは冗談半分で言ってんだぞ。なんて思いながら、ウーヤンを見る。
 俺たちは恋人同士だ。だからそりゃ、えろいことにだって興味はある。でも"アレ"をこいつにやるのはちょっと流石に可哀想と言うかなんと言うか。
「でも、アレ多分泣くぞ?」
「泣くほど良いってことか?」
「そりゃ、良いは良いだろうけど……」
 あ、ダメだこれ。興味津々って顔だ。正味、こうなったらウーヤンは絶対に退かないのを知っている。
「……」
「なあ、ダメ?」
「……わかった。その代わり文句言うなよ?」
 これはもう、俺が折れるしかない。立ち上がって、洗面所へ行くと新しいローションの袋を開ける。
「新品使うの?」
「結構量使うから使いかけじゃ多分足りない」
「そっか、てかなんか詳しくないか?」
「うっさい」
 洗面器を取って、熱めのお湯をはるとそこに容器ごとローションを沈める。
「何してんの?」
「人肌に温めてる」
「やっぱ詳しくね?」
「風呂場でヤるから全部脱いで待ってろ」
「はーい」
 今から地獄を見るってのに呑気に伸びなんかしているあほを横目に、温度を確かめる。うん、ちょうど良いくらいだ。そうしてお湯を捨てると、そのまま洗面器にローションをこれでもかと言うくらいぶちまける。横で裸になったウーヤンを見送りながら、確かガーゼは買ったのがあったはず、と洗面所を出て戸棚を漁れば大判のものが出てきた。それと洗面器を持って、風呂場へ行く。
「先に言っとくけど、どうなっても知らねぇからな」
「うん」
 ガーゼをローションに浸しているうちに、引っ付いてきたウーヤンがキスを強請ってきた。別にそう言う気分だったわけでもないのに煽られて、その唇にキスを落とす。
「なあ、今からでも普通にヤらねぇ?」
「今更怖じ気付いたって遅いっての」
 ちゅ、と吸い付いて、股の柔い肌を撫でる。ぴくりと身体が跳ねて、萎えきっていた陰茎が首をもたげた。
「勃ってねぇとどうしようもないからな、偉い偉い」
 そうして勃ち上がった陰茎を撫でてやる。可哀想に、俺に抱かれちまったばっかりに、もう使うことはないのだ。
 童貞のままだ。ずーっと。
「っ、」
「ほら、足開け」
「ミズキ、ちょっと怖い、かも」
「お前が言い出したんだぞ」
「それはそう、なんだけどさ」
「問答無用」
 あれやこれや言い訳しようとしたのを遮って、ローションまみれのガーゼを鬼頭に乗せる。瞬間、大袈裟なくらい彼の身体が跳ねた。
「ひっ!」
「冷たかねぇだろ?」
 伸ばされた手をはね除けて手を動かせば、ガーゼの荒い目が敏感な先端をざりざりと削っていく。
「ぎゃっ、あ!まっ、!」
 悲鳴が狭い風呂場に響く。ガーゼの両端を持って、乾布摩擦の要領で左右に揺らせば、あっという間に彼が達した。
「っ!ーーーーっ!」
 ガーゼに白い精液が絡んでいる。それでもやめてやらずにざりざりと削っていけば、がくんがくんと彼の壊れたみたいに身体が跳ねる。なんとか押さえつけて、陰茎を握りこんで扱いてやる。
「まっ、まって!!これ無理だ!!」
「うん、知ってる」
「ぐっ、う゛ぅ……!ごめんなさ、っ!謝るからっ!」
「謝んなって、気持ちよくなりたいんだろ?」
 あ、これやってる方は楽しいかも。ローションを追加で垂らして、更に手を動かせば陰茎からぷしゅっと勢いよくなにかが吹き出した。
「~~~~っ!」
「あは、潮だ。そんなに良かった?」
「しぬっ!ギブギブギブ!」
「ダメ」
 顔がひきつっている。相当しんどいのだろう。まあ、しんどいよなぁ。でも、やめてやらない。とろとろとこぼれ落ちる唾液を舐め取って、開かれた口にキスを落とす。
 彼のこんな表情、見たことがない。
「あ゛ーーーーっ!ひぐっ、むり!!や、あっ!しぬ!」
「ふふ、すげぇ声」
 引き剥がそうと必死な彼に手を掴まれる。ぼろぼろと涙を溢しながら喘ぐ様は、あまりに可哀想で……。
 同じくらい可愛かった。
「みずき!!も、やだっ!!」
「悪かったって。これで最後、な?」
 そうしてひと思いにガーゼを引き摺ると、絶叫と共に彼はびくんと一際大きく身体を跳ねさせると、その場にひっくり返って倒れ込んだ。
「っ、大丈夫かよ!?」
 頭を打たないよう咄嗟に抱き止めたが、きっと何処かしらを打ち付けたのだろう。痛そうに顔を歪めながらぜえぜえと肩で息をする彼を覗き込む。
「ぜぇ……ぜぇ……だいじょぶに見えんのかよぉ!」
「ごめん、やりすぎた」
「マジでしぬかと、おもった!!ミズキのばか!」
 いや、お前が言い出したんだぞ。なんて思うが口にはしない。そんなの言った日には喧嘩になる。多分。
「ローションガーゼやばすぎる!!」
「だから言ったろ……」
 こんなの何度もされたら狂っちまう。わかりきっていた答えに思わず笑みがこぼれ落ちる。
「ミズキ容赦なさ過ぎ」
「だって、手加減したらつまんないだろ」
「それはそう、だけど……で、なんで勃ってんだよ」
 指差した先は俺の股間。あんな姿を見せられたらそりゃあ勃つに決まってるだろ。なに言ってんだ。
「そりゃ、恋人がこんな乱れてたら、ね」
「うるせぇー!やってやろうかローションガーゼ!」
「絶対に嫌」
「俺もうやだ、イきたくない」
 駄々を捏ねる彼を宥めつつ、途方に暮れる。まあ、トイレで抜けば良いか。適当に。
「なんだっけあれ、スマタ?なら良いよ」
「なっ」
 なに言ってんだ……本当になに言ってんだ!?素股?何処で覚えてきたんだそれ。
「だって、一人で抜かせるのもなんかあれだし」
「……」
 良く鍛えられた身体を抱き抱え、そのまま風呂場を出る。急なことに驚いている彼をそのままに、布団まで持っていくとそのまま押し倒した。
「あのさぁ、俺お前で興奮してんだけど、わかってる?」
「えっ、」
 自身を取り出すと、足を閉じさせて隙間にねじ込む。ローションでびしゃびしゃの足はうまい具合に締まっていて、気持ちが良い。
「っ、誘ってんの?」
「誘ってないっ」
 顔を真っ赤に染め上げている彼の首筋に噛みついて、跡を散らしていく。
 腰をゆったり動かして擬似的な挿入を楽しめば、陰茎が擦れるのか彼がふるりと震えた。
「本当に抱いてるみてぇ」
「……ぁっ!」
 小さく声が出た。すっかりしおらしくなった彼の胸元に舌を這わせて、こちゅこちゅと音を立てながら腰を振る。
「可愛い」
「うぐっ、んんっ!ふっ、う!」
「きもちい?」
「っ、わかんないっ、」
 明らかに声に色が乗っている。擬似的に犯されて、興奮したんだ。可愛い奴。
 耳元で囁いてやれば、彼はぎゅっと目を瞑った。
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