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「おっ、丁度良いところに来たな!」
「あ、うーす」
部屋に入るなり、ウーヤンの姉、アンランに呼び止められる。何やら複数人で盛り上がっているようで、よく見ればキリコの姿もあった。
「ミズキじゃん、お疲れ様」
「何してんのこれ?」
「今日さ、メイドの日なんだって。だから皆で着てみようかってなって」
「なんだそれ」
女子ってそう言う物なのか?良くはわからないけど、楽しそうで何より……。
「おーい、ウーヤン!友達が来たぞ」
「え、ミズキ?」
「は?」
そこには黒を基調としたクラシカルなメイド服を着たウーヤンがいた。心なしかげんなりしているし、肩まわりなんかぱっつぱつだ。それを見て、なんでという言葉は一旦飲み込む。この流れは、多分だけどなんとなくわかる。
「来たタイミングが悪かったな……」
「丁度立端のある男でも着れそうなのがあるんだ」
「ミズキ、細いし似合うんじゃない?」
おいキリコ、適当なこと言いやがって。
「いや、着ないけど」
「んー?何て言ったか聞こえなかったなぁ」
そう言う彼女らの手には化粧品だなんだが掲げられていて……。うん、逃げられないなこれ。よく見たら奥の方に更にげんなりしてる男達(+α)がいるのに気付いて、腹を括る。
「……どうせやるなら一思いにやってくれ」
「男らしいー!そうこなくっちゃ」
やる気に満ち溢れた彼女らを止められる人間なんて、どこにもいない。
「ウィッグ着ける?」
「いやでも、ミズキそのままでも結構映えそうじゃない?」
「ヘッドドレスどれにしよう!悩むぅ」
きゃいきゃい楽しそうにはしゃぐヒーローたちを他人事のように眺めながら、静かに涙したのだった。
「出来た!完璧!」
時間をかけにかけて数時間後、身体中をいじくり回されて出来上がったのはかなり気合いの入った女装姿だった。おいおい、他の男達はこんな気合い入ってなかったろ。心の中でツッコミながら、鏡を見る。化粧の上手い連中が揃っているだけあって、中々綺麗なんじゃないか、と姿見の前で回ってなんかみたりして。
「綺麗系目指してみました~!」
体格は誤魔化せないけれど、なるべく身体のラインが隠れるメイド服を選んでいる為あまり気にならない、かもしれない。
「ふー、楽しかった!」
「ミズキ可愛い!」
「そりゃどうも」
「おーい、ウーヤン!出来たぞ」
すでに私服に着替えたウーヤンを、アンランが呼びつける。恐る恐るやってきたウーヤンは、俺を見るなり動きを止めた。
「……、」
「ウーヤン?」
「……ごめん、借りてってもいいか?」
ウーヤンはそう言って、腕を掴んでくる。おい、目がマジだぞ。大丈夫かよ。
「写真撮ったしいいよ」
「はぁ?いいのかよ」
「うん、どうせこうなるって思ってたし。汚したら買い取ってね」
キリコがお見通しだと言わんばかりに言う。俺たちが付き合っていることは内緒なはずなのになんでバレてんだ。
「バレバレだよ」
「思考を読むなって」
「後で買い取るから」
「お前は黙ってろ」
そんなの、今から汚すようなことするって言ってるようなもんだろ。なんとか掴まれた腕を振りほどこうとするが、筋力差でどうにもならなかった。
あ、俺これ食われる。だって目がマジだもん。
「いってらっしゃい」
「誰も止めないのかよ!」
「だって、止める必要ないだろ?」
ウーヤンはそう言ってのけると、俺を抱き抱えた。俗に言う、姫抱き。瞬間飛び交う黄色い悲鳴。おい、ふざけんな。なんて口を開く間もなく、俺は抱えられたまま部屋を出たのだった。
そうしてたどり着いたのは休憩室。簡易ベッドに優しく下ろされて、そのまま覆い被さられる。
「おい!ウーヤンっ」
「ごめんミズキ、ちょっと我慢できなかった」
そうして落とされるキスを何遍も受け止める。嫌ではない、嫌ではないけど!そんなつもり無かったから心の準備が出来てねぇ!
「お前ー!内緒なんじゃなかったのかよ」
「いや流石に無理があるだろ……」
こちらの怒りを沈めるためか、ヘッドドレスを避けて頭を撫でられる。
無理ってなんだ無理って。
「姉貴にはとっくにバレてたし」
「初耳なんですけど」
「とにかく、そのへんはもう解決済みだからさ」
「俺の意見を聞けよ」
そう言い合っている間にも身体をまさぐられて、散々快感を覚えさせられた身体が勝手に熱を持ち始める。
「んんっ」
「ミズキ、凄く似合ってる」
「嬉しくねぇ!」
首筋に噛みつくように吸い付かれて、服の上から胸の突起を撫でられたらもう駄目だった。はい、抱かれる準備完了。全く浅ましすぎて嫌になる。
「はぁっ、」
「いつもと違う匂いがする」
「そりゃ、香水振られてっしっ……」
「これはこれで興奮するかも」
勃ち上がった胸の突起を指先でかりかり引っ掛かれて、びくりと身体が跳ねる。いつの間にか少し目立つようになってしまったその弱点は、最近ではちょっと気持ちいいと思うくらいには開発が進んでいた。
「ふっ、う……」
「気持ちいい?」
「別に、きもちくない」
それを知られたくないから誤魔化したが、きっとわかられているのだろう。にんまりと微笑まれて、恥ずかしさに顔がかっと熱くなる。
「やうっ、んっ!」
「良い声……可愛い」
「うっさい!」
逃げ場なんてとっくになくなっている。それがわかっていても、つい探してしまうのは悪癖か。熱い息を吐いて、伏し目がちに彼を見れば目が合った。
「ミズキ」
「なんだよ」
「その、すごい綺麗だ。言っていいのかわからないけど、似合ってる」
「別に嬉しかねぇよ」
「そうだよなぁ」
ふ、と彼が近付いてきて、唇にキスを落とされる。薄く口を開いてやれば、チャンスと言わんばかりに熱い舌が割り込んできた。別に上手いとは言えないけれど、なんだか胸がいっぱいになる。
「ふっ、う……っ!」
服越しに胸の突起を撫でられて、思わず身体が跳ねた。燻る熱にじわじわ焼かれながら、昂っていく。舌同士をさりさりと擦り合わせて、なんとか息継ぎをしながら好き勝手させていると、スカートの中に手を差し込まれた。
「んんっ!」
すでに勃ち上がった陰茎を、下着越しに撫でられる。女性用のそれは布面積が少なくて、あまりに心許なかった。
「……えっ、下着女物じゃん」
「っ、だって渡されたし」
「なんで素直に着ちゃうんだよ」
まろびでた玉を撫でられて、はぁっと息を吐く。両足を擦り合わせて、もたらされる快感にただ身体を跳ねさせた。
「んっ、はぁっ……ウーヤン」
先走りを手に絡めると、陰茎を柔く扱かれる。敏感なそこを豆のある手が行き来して、自然と息が上がっていく。出したい、けど、その……後ろが疼く。あ、やっぱなし。言いたくない。
「物足りない?」
「っ、」
「ふふ、図星か?」
こう言う時だけ察しが良いの、なんか腹立つな。身動ぎをして少し悩んだ後、小さく頷けばふっと微笑まれた。
「ちょっと待ってな」
そうしてポケットから取り出されたのはハンドクリーム。それを指に絡めると、後孔に這わせる。期待から勝手に腰が揺れて、あまりに浅ましすぎてかあっと顔が熱くなった。
「可愛い」
「かわいく、ないっ」
「可愛いよ。それにすっげーえろい」
ゆっくり節くれだった指が後孔に挿入ってくる。待ち望んだ刺激に、勝手に腰が揺れた。同時に前も扱かれて、キャパオーバーな刺激に背がしなる。
「あぁっ!」
「良さそう」
そりゃ、同時にやられたらそうなるだろ!悔しいけど、気持ちがいい。でもそんなの言ったら絶対調子に乗るから言ってやらない。
そうして追い詰められて、溜まっていた熱が出口を探して身体の中をぐるぐると駆け巡った。
「んっ、来るっ!待って、まって……!」
「イく?」
「い、くっ!」
ぎゅっと目を瞑ってなんとか耐えようとするけれど、そんなの無理で。いやいやと首を横に振りながら、陰茎を扱く手を両手で握りしめる。
瞬間、ふくらんだ前立腺を捏ねられて、快感が弾けた。
「~~~~~っ!」
ぎくんと身体が強ばる。強い射精感に頭が真っ白になって、情けなくも腰を揺らしながら果てた。
黒いスカートに精が飛んで、いやらしい染みを作っている。あ、借り物なのに、どうしよう。染み抜きしてクリーニングか。いや買い取ろうなんて、妙に冷静な自分が言う。
「はぁっ、んっ……」
「かわいー」
「かわいくない」
「まだ言うんだそれ」
ちゅ、と落とされるキスに、とろりと溶かされてしまう。もっと欲しくて自分から強請りにいけば、彼はにっこりと笑った。
「あー、可愛くてちんこ痛ぇ」
「ばか」
取り出された彼の陰茎はバキバキに反り返っていた。それを見て、思わず生唾を飲む。
「はいっていい?」
そんなのわかっているくせに。やられてばかりじゃむかつくから、ここはひとつ仕返しをしてやることにした。
「ご主人様のせーし、ください♡」
ざまぁみろ、ばーか。