OW

※キメセク
嘔吐あり


 深夜、時間にして二時を回ったくらいだろうか。ベッドで寝ていると、突如上に誰かが覆いかぶさってきた。
 まさか幽霊!?なんて、恐る恐る目を開ければ、そこには見慣れた白髪があって、すぐにミズキだと気付く。
「ミズキ!?」
「おう、おはよ」
 どこかとろけている彼は、そう言うとごそごそとスラックスに手を伸ばす。
 え、何これ、もしかして襲われてる?
「どうしたの、ミズキ。もしかして酔ってる?」
 サイドテーブルに手を伸ばして、ランプを付ければ顔の赤い彼と目があった。
 でも、肝心の酒の匂いがしない。
「んー、そうかもな」
「そうかもなって……、と言うか、待って!俺明日早い」
「知らん」
 問答無用と言わんばかりに、まだ勃ってもいない陰茎に頬擦りされて。悔しいけど素直な身体はすぐに反応してしまった。
「あは、硬くなった」
「なんなんだよー!もう!」
 彼の瞳は焦点が合っておらず、なんなら舌も回らない。どう考えても何かがおかしかった。
「ミズキ?」
「ウーヤン、ヤろ」
「いや、絶対おかしいだろ!」
 そう、まるで何か薬でもキメているような、そんな感じ。嫌な予感がして、彼のシャツをめくり上げれば、腕には真新しい注射跡があった。
 確実にろくでもないことに巻き込まれている。
「ね、したい」
「……」
 拒否権なんてないのだろう。否定する暇もなく、彼は俺の陰茎にキスを落とすと、そのまま喉の奥まで咥えこんでしまった。
「っ、あ!」
 熱い舌が敏感な皮膚をこすり上げて、直接的な刺激に思わず声が漏れる。そんなことをされれば嫌でも反応してしまうわけで……。
 そんな俺を彼は目を細めて見詰めていた。体調を気遣っていたはずの思考はあっという間に色を持って、そのまま喉奥を突き上げてしまいたい衝動に駆られる。それをなんとか抑え込んで、彼の頭を撫でた。
「っ、そんなつもりじゃなかったんだけどー?」
「はぁ、んっ……ならそんな気にさせちゃる」
 陰茎に息が当たって擽ったい。頼むからそんなところで喋らないでくれ。そう思いながら彼の短い髪を梳くように撫でる。気持ち良さそうに細められた瞳。甘えるようにすり寄られ、可愛さに微笑む。
 でも、やっぱり身体が心配だ。なんであれ、然るべき処置をしたほうがいい。
「っほら、離して」
「やだ」
「やだじゃなくて」
 ダメだ。本人にその気がないからかなかなか譲らない。そも、こう言う時ってどうしたらいいんだ?多分だけど、病院にいくのはマズいよな。じゃあ、吐かせる?いや、経口摂取じゃないから意味がない。あれやこれや頭の中を探して回るが、答えはどこにもなかった。
「なに、考えてんだよ」
 喋らなくなった俺を見て、彼は不機嫌そうに言う。容赦なく先端をざりざり舌で擦られて、びくりと身体が跳ねた。
「どうしたらいいか考えてるのー」
「ヤったらいいけん」
「そうはいかないだろ?てか出ちゃうから離して」
 こっちのことなんてお構いなしに奉仕されて、少しずつ追い詰められていく。そんな状況で頭が働くわけもなく、殆ど無意識に腰を揺らせば彼の喉から聞くに耐えない音がした。
「ごっ、うぐ……んんっ♡」
「ごめん!」
「んーん♡」
 鼻水を滴しながら、健気に咥えるその様にくらりと眩暈がする。こんなの、耐えられるわけがない。逆に考えて、発散させた方がいいのかもしれない。それに、このまま誰か他の男のところに行かれても困る。日本には据え膳食わぬは男の恥なんて言葉もあるくらいだし、これはその、しょうがなくないか?
「ん、ふっ♡」
「あうっ、もう!後で文句言うなよ!?」
 そうして啜られるがまま、彼の喉奥に精を吐きかけた。



 なんでウーヤンとセックスしてるんだっけ。ウーヤンの上に馬乗りになって、揺さぶられながらぼんやり思う。
 目の前がチカチカ明滅して、まともな思考なんてすぐ快感に飲まれていく。
 気持ちいいからいっか。
「ああ、ん!♡んっ、ふふっ♡♡」
 だらだらと唾液が顎を伝って、ウーヤンの腹に落ちていく。唾液どころじゃない。潮だの精液だので、そこはびしゃびしゃになっていた。
「っ、ミズキ」
「きゃははっ♡♡あ゛あっ!、うーや、あ゛っ♡♡」
 もう、まともなことなんて喋れなくって。前後不覚になりながら踊り狂う。焼け付くような快感にしがみついて、膨れ上がった前立腺を叩かれる度意識が飛びそうになった。
「お゛っ、う゛ーーーーっ!♡♡」
「ミズキ、かわいいっ。はぁっ……ナカきゅうきゅうしまって気持ちいいね」
「あぐっ、♡♡しぬっ♡♡たすけて♡♡」
 そのまま倒れ込んで、許しをこうように額を胸へと擦り付ける。目の前が涙で滲んで、掴まされた腕にがりがりと爪を立てた。
「どうしてほしい?」
「らくに、なりたい♡♡」
「いいよ」
 やめてくれるのかと期待したが、ごちゅっと嫌な音が身体の奥から鳴って、瞬間とてつもない快感に襲われた。
 一瞬何が起こったかわからず、思わず白目をむく。飛びかけた意識。そのまま気絶出来るかとも思ったが、立て続けに最奥に穿たれて覚醒する。
「ーーーーっ!♡♡♡」
「くっ、なか……すごい」
 結腸を抜かれたのだ。そう気付けはしたけれど、だからと言って何が出来るでもなくただ揺さぶられる。ぐちゅりと嫌な音がなる度に、ばちばちと電流のような容赦のない快感が身体を駆け抜けて、それから逃れようと足を踏ん張るが、自重でどんどん深みへとハマっていく。
 自縄自縛、そんな言葉が頭を過った。
「ぎっ、♡♡あ~~~~っ!♡♡♡」
「あ、うっ!ミズキっ、もう出ちゃう」
 ぎくん、と変な風に身体が強張る。何時もより強い快感に、根刮ぎ焼かれながら情けなくもへこへこと腰を動かした。
 もう、達しているのかなんなのかわからない。
「ーーーーっ!♡♡♡ぉ゛ーーーーっ!♡♡♡」
「出すよっ」
 腹の奥に、粘液がぶちまけられる。それにすら感じる始末で。ぼろぼろと大粒の涙を溢しながら、何度目かもわからない絶頂をキメた。
「あはっ♡♡♡」
 壊れたみたいに震える身体。ばかになってしまったのか、陰茎からはしょろしょろと色のついた液体がこぼれ落ちていた。止まらない。自分では、もう腕を持ち上げることすら叶わない。
 彼の吐息が首に当たる。それすら毒で、思わずナカを締め付けてしまった。
「うぐっ、」
「ふーっ、ふーっ♡♡♡」
 目の前の肉にかぶり付いて、皮膚に歯を立てる。滲んだ血を舌で舐めとれば、ナカの剛直がまた硬さを増した。それを味わうように締め付けて、ゆるゆると腰を揺する。
「みずき」
 舌ったらずに名前を呼ばれて、彼を見れば欲に濡れた瞳と視線が合う。
 答えようと身体を起こした瞬間、ぐらりと視界が歪んだ。使われた薬の影響だろう。気持ち悪くてしかたない。
「うーや、吐く」
「えっ」
 口の中が苦い液体で満たされて、彼に貫かれたまま、胃液を吐き出した。
「げぇっ、おえっ!」
 びしゃびしゃと、彼の腹に吐瀉物が広がる。幸いなのは腹の中に彼の精液くらいしか入っていなかったことだろうか。ぐるぐると視界が回る。胃が痙攣して、吐くものがないのにもっと吐こうと嗚咽を上げる。
「っ、ミズキ!大丈夫か!?」
 大丈夫なわけがない。背中を擦られて、びくりと身体を跳ねさせる。
 気持ちよさと不快感、すべてがない交ぜになって、鳥肌が止まらない。そうして少しの間の後、俺は完全に意識を手放した。

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