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「先輩、飲みに行きませんか?」
「はぁ?お前まだ未成年だろ」
「先週誕生日来たんで大丈夫です!」
同じサークルの後輩であるウーヤン・イェはそう言うと、人懐っこい笑顔で笑って見せた。そう言うことならと、約束を取って付けたのが今週の初めの話。そうしてたまたま予定の合った金曜日。どうしてだかサシの飲み会が開催されたのだった。
本当は誰か別の奴もと思ったのだが、当の本人がどうしても二人っきりがいいと聞かないため、仕方なくである。別に彼と特別仲が良いわけではないが、一方的に懐かれている。そんな状況だった。まあ、悪い気はしない。何が良いのかはわからないが、きっと物好きなのだろう。
「んじゃ、乾杯」
わいわいがやがや賑わっているチェーンの居酒屋の端っこで、それとなく乾杯をする。
頼んだのはモスコミュール、あいつはカシオレ。つまみと一緒に運ばれてきたそれを口に含めば、アルコール特有の風味が口の中に広がった。
「で、わざわざサシでってのは、何か相談でもあるわけ?」
考えられるのは、誰かを好きになっただとか、そんなとこだろうか。まさかキリコとか言わないよな、なんて思いながらも問えば、ウーヤンはにっこり笑う。
「いや、決めてたんですよね。一番最初は河野先輩と飲みに行くって」
「ふーん」
そんなに懐かれるようなことしたっけ。それが本音である。だって、別に学科が同じな訳ではないし、共通の話題がある訳でもない。本当に思い当たらないのだ。そも、話しやすいタイプでもない自覚がある。よっぽど何か理由があるとしか思えない。
まあ、あんまり深読みするのも無粋か。
「ま、本音は聞かないでおいてやるよ」
「本音も何も、言ったとおりなんですけどね」
そうして運ばれてきた料理をつまみながらとりとめのない話をしていると、ふとウーヤンが言う。
「先輩、飲み比べしません?」
「あー?このご時世にか?」
「勿論無理のない範囲で!ね?急性アルコール中毒とか笑えないし」
「……じゃあ負けた方がここの代金持つってーのはどうよ」
「よし、乗った!」
正直、それなりに強い方だから勝てると踏んだのだ。今思えばそれが完全に間違いだった。
ハッと目が覚める。瞬間、目に入る知らない天井。起き上がり横を見れば素っ裸のウーヤンが寝息を立てていた。と言うか俺も裸。うん、昨日の記憶が全くない。もしかしたらゲロったから洗濯してますとか。いや、ベッド周りに散らかってるわ。
もしかして、もしかしなくても事故ったってやつじゃあ……。
「……ん、起きたのか?」
ウーヤンが目を覚ます。反射的に立ち上がろうとして、そのまま床に座り込んだ。腰が立たない。
「おい、大丈夫か!?」
「いや、大丈夫!大丈夫だから!ちょっと足が縺れただけだ!」
と言うか、身体中に鬱血跡がある。終わった。確実にヤることヤってる。腰の違和感から俺がネコ側で。
「本当に大丈夫か?痛いとことかない?あ、二日酔いだったりする?」
「大丈夫、平気だって」
差し出された手を取らずにベッドの縁に手をついてなんとか立ち上がると、自分の服を拾い集める。こんなの気まず過ぎて笑えない。てかここ何処だよ。いやどう見てもラブホテル。行ったことないから知らんけど。
「昨日大分無理させたし、ゆっくりしてこうぜ?」
させたんだ、無理。マジで何も思い出せない。いや、酒を10杯飲んだ辺りまでは覚えている。んで、居酒屋を出たとこもギリ、かなり朧気だけど。じゃあなんでラブホにいるんだ。あまりに気まずい、気まずすぎる。今すぐ帰りたい。
「ミズキ?」
「お前っ、何名前で呼んでんだ」
「昨日良いって言ったじゃん。覚えてない?」
それどころか敬語まで取れてる。マジで記憶がない。
「えーっと、何処まで覚えてる?」
「……なかったことにしよう」
「は?」
半ばパニックになりながらなんとか言葉を紡ぐ。だって、こんなの多分こいつも本意ではないだろうから。
服を着て、思ったことを口にする。
「ほら、お互い酔ってたんだろ?だから何もなかった!うん、ここの料金は払うわ」
「お、おい!」
ダメだ。何言っても悪手でしかない。そのまま鞄まで歩くと中から財布を出して、多めにお金を掴み取る。そうしてサイドテーブルに置くと、逃げるようにして部屋を飛び出したのだった。
それが先週の話だ。
そこからウーヤンには会っていない。と言うかこっちが避けに避けまくっている。元よりサークルが同じくらいしか接点がないんだ。サークルに行かなければ会う回数なんてたかが知れている。
埋め合わせのようにバイトに明け暮れながら、辛うじて大学には通っていた。あまりに避けるもんだからキリコ辺りに感付かれそうになったが、そこは適当に誤魔化した。
向こうからアクションは特にない。連絡先は交換しているからなんかしら言ってくるかとも思ったが、それもなかった。
完全に事故。大事故だ。それも男同士だぞ。笑えない。
もっと言うと、多分だけど確実に俺の秘密がバレた。誰にもバレたくない秘密が、だ。
大きな声では言えないが、自分は日頃の鬱憤を自慰で晴らしている。ただの自慰ではない。後ろを使った自慰だ。
ただでさえろくでもない趣味なのに、それがバレたと来たらもう死んでしまいたいくらいだった。
そうやって逃げ回っていたら、遂に逃げられない状況になってしまった。サークルの飲み会が降って湧いたのである。しかも幹事から直々に誘いが来た。これはさすがに断れない。
当日はなるべく端っこの方で大人しくしていよう。そう誓って迎えた当日。俺の隣は奴だった。
「……」
「河野先輩、久々ですね」
そりゃお前、なんとか顔を会わせないようにしてたからな!この野郎、ふざけやがって。
「最近忙しかったからな」
でも、態度に出すのは悪いから至って普通に対応をする。何、今だけ耐えればいいんだ。
「身体、気を付けてくださいね?」
「ん、大丈夫」
と言った具合にそれとなく返事をするが、まあ、意識しない方が無理なのだけれども。何処と無くギクシャクした雰囲気を少しでも柔らかくしようとしたのか、色々話しかけてくる同級生を適当にかわしつつ酒を飲む。
「なんだよお前ら、喧嘩でもした?」
「いや、別に」
そうして進んでいく中、奴はハイペースに酒を飲んでいく。おいおい、大丈夫かよ。いや、強いのは知ってるけど。それにしたってペースが早い。
「ウーヤン、その辺にしとけよ」
「え?俺まだまだいけますって」
「潰れられたって困るだろ」
「大丈夫大丈夫!」
そう言うわりに、顔が赤い。ため息を一つ吐いて、奴の腕を掴む。
「おら、一旦外の空気でも浴びて落ち着け」
騒いでいる奴らの横を抜け、外に出る。夜風が涼しくて、心地良い。駅前の喫煙所まで引っ張っていくと、奴が口を開く。
「河野先輩、すっかり姿見せなくなっちゃったから心配してたんすよ」
「悪かったな。マジで忙しかったんだよ」
咄嗟に嘘を吐く。まあ、忙しかったのは本当だし。
「俺、やらかしたなって」
やらかしたと言うか、どちらかと言えばそれはこちらなのだけれど。懐から電子タバコを取り出してふかす。奴はそれをただ眺めていた。
「それは俺も同じ」
「いや、本当は俺わかってたんだ。飲み比べに持ち込めば確実に落とせるって」
「バカ強いもんな、酒。だからって今日はペース早すぎ。あんなんじゃそれこそ急性アルコール中毒コースだぞ」
「それはすいません」
周りには誰もいない。たまに車のエンジン音だとかクラクションが聞こえるくらいだ。
「俺、河野先輩のことが好きなんです」
「それ、今言う?」
さらっと言ってのける奴に、驚いてそちらを見る。からかっているのかとも思ったけど、表情があまりに真剣だった。
「だから悪いのは俺なんです」
「でも、乗ったのも俺だから」
空を見上げれば、微かに星が瞬いていた。周りが明るすぎて良く見えないけど。
「河野先輩は、あの日のこと覚えてない?」
「全く」
「じゃあ、俺のこと好きって言ったのも?」
なんだそれ、マジで記憶にないんだけど。俺がこいつのこと好きって言った?マジで?
「マジで?」
「マジ」
「……悪い、ちょっと考えさせて」
確かに嫌いではない。それは本当のことだし、間違いない。最近までなんかなついてくる後輩だと思っていたし、悪い気はしなかった。それにしたってお前、無責任すぎないか酔った俺。
「まあ、嫌いではない」
「!」
「でも、俺はお前のことなんにも知らない」
最低限のことしか知らない。だから、好きかどうかと聞かれると、わからない。
「教えて、お前のこと」
それから季節は巡る。
先に大学を卒業した俺は、バイト先にそのまま正社員雇用され忙しい日々を送っていた。
あいつはと言うと、特に変わることもなく、今でも連絡を取り合っている。なんだったら週一ペースで会っているし、腹をわって話し合える仲になったように思う。姉がいること、将来の夢、俺の何処が好きなのか。とにかくいろんなことを話した。抱かれたのは結局あの一度きり。
でも、確実にあの頃より、俺は奴に惹かれている。
人懐っこいところも、実は真面目なところも、ダメなところもひっくるめて、多分だけど好きだ。でも、どうしても後一歩踏み出せないでいる。今の関係を壊すのが怖くて、甘えているんだ。
からりとグラスに氷がぶつかる音がする。とろりとした琥珀色のアルコールを流し込みながら、頭を抱えた。
「何か悩み事か?」
白髪のバーテンダーが話しかけてくる。初めて入るバーだが、雰囲気が良くてつい酒が進んでいた。
「友達との関係について、だな」
「ほう」
「わからないんだ。あいつどどうなりたいのかが」
なんとなしに口に出す。それは間違いなく本心だった。
「好きなのか?」
「多分」
向こうが今もかわらずこちらを好いているのか、今一歩自信がない。俺よりも好い人に会ったら、簡単に捨てられてしまうのではないか。そんな不安が常にあった。
「そう考えるってことは、それだけ相手のことを思っているんだろう?」
「そうなのかな」
「もし決定打がなくて悩んでいるなら良いことを教えてやろうか」
ふ、とバーテンダーは笑った。
携帯が震える。手に取ってみれば、ミズキからのメッセージだった。
そこにはただ、何処かの住所が書いてある。コピーして検索してみれば、そこはバーだった。
飲んでるのか?なんだろう。迎えにきてほしいのだろうか。それにしてはいつまで経っても続きがない。なんとなくだが嫌な予感がして、立ち上がるとその住所を目指す。
駅に程近いそこは調べた通り雰囲気のあるバーだ。からんと鐘の音を鳴らして中に入ると、ソファに項垂れている見慣れた人影があった。
ミズキだ。
「……迎えか」
浅黒い肌の髭面の男がこちらを見るなり呟く。かなり態度が悪い。心底面倒臭そうに、バーカウンターに寄りかかっていた。
「河野先輩」
「んあ、ウーヤン」
顔が真っ赤だ。明らかに酔っているのがわかる。彼がこんなに酔うのなんて珍しい。それこそ、あの日のことを思い出す。
「この酔っ払いをとっとと連れ帰ってくれ。店が閉められん」
「すいません!ほら、河野先輩!」
「名前で呼べよぉ」
「もう、帰るぞミズキ」
腕を引っ張って身体を持ち上げる。ダメだ、全然立つ気がない。なんとか身体を浮かせると、扉に向かって歩き出す。
「ほらミズキ、ちゃんと立てって」
「やだぁ」
こんな酔ってるの、本当に珍しいな!なんとか店を出るが、家まで帰れるか怪しい。なんなら俺の家も遠いし、これなら何処かに泊まった方が無難かも知れなかった。とてつもないデジャヴ。前もこんなことがあったな、なんて思う。
「ミズキ、一旦ラブホ入るけど、いいか?」
「うえ?わかった」
あの時と同じような返事。くたりと力の入らない身体を引き摺るようにホテルに雪崩れ込む。
一先ずは、酔いを覚まさないと。一旦彼をベッドに寝かせて、水のボトルを取った。
「おーい、ミズキ、水飲めるか?」
「飲ませてくれないとやだ」
「なら口を開けてくれって」
「ちゅーして」
頭を殴られたような衝撃に目が眩む。この酔っ払い、なに言ってんだ。
「ミズキ」
「ウーヤン、抱いて?」
「ミズキ!」
これはいけない。あの時と同じ流れだ。でも、ここで流されたらまた傷付けてしまう。ぐっと耐えて、酔っ払いを引き剥がす。
「酔いすぎ」
「酔ってない」
「説得力ないぞ」
ベッドサイドに腰かけて彼の顔を覗き込めば、何やら不満そうだった。あの時は若かったからその場のノリで襲ってしまったけれど、今なら我慢が効く。汗ばんだ額に張り付いた髪の毛を払ってやれば、そのまま手にすり寄られた。
「ウーヤン、すき」
前言撤回。なんだこれ、可愛すぎんだろ。耐えるのはちょっと無理かもしれない。揺らぎ出す自信を知ってか知らずか、彼は俺の腕を引き寄せる。
バランスを崩してそのまた彼の上に覆い被さるような体勢になってしまって固まっていると、唇にキスをされた。
「ウーヤン、俺のこと嫌いになった?」
「そんなわけ、ないだろ!」
好きだ。これでもかってくらい好きだ。今だって襲ってしまいたい欲に抗っている。
「ミズキ、」
「全部酒のせいだからさ」
いいんだよ。なんて許されて。嗚呼、据え膳ってやつだ、これ。
ぎゅうっと彼を強く抱き締めて、その唇に吸い付く。何度も何度も、確かめるように触れるだけのキスを繰り返して、そうして上がる息がかかる距離にいる。
薄く開かれた唇の隙間に舌を差し込んで、歯列をなぞれば彼の身体がぴくんと跳ねた。
ちょっと苦い、久方ぶりに味わう彼の味。全身が悦んでいるのがわかる。もっと、と強請るように絡み付いてくる舌に煽られて興奮した。
「はぁっ……んんっ、」
下手くそな息継ぎをしながら、服の上から肌を撫で回す。少し勃ち上がった胸の突起を指先で転がせば、彼は息を飲んだ。
「ぁ、あっ!」
首筋にぢゅっと吸い付いて跡を残す。快感から逃げようと踠く身体を押さえつけて、服を捲り上げると突起に舌を這わせる。柔く食んでやれば、彼は喉を晒すように反り返った。
少し血色の良くなった突起を眼前に、ふっと微笑むと両手でつまみ上げる。
「んっ、……あぁっ」
相変わらず感度が良い。逃げるように踠く腕を捉えて、キスを落とす。逃がさない、今度こそは絶対に。
片手でベルトを緩めると、下着の中に手を滑らせる。勃ち上がった陰茎を緩く扱く。
「っ、うあ!あぐ、うっ!」
「ミズキ、可愛い」
耳元で囁いて、先走りの滲む先端を苛めてやる。気持ち良さそうに細められた目、びくびくと跳ねる身体に気を良くして、目の前の肌に歯形を残していく。
「はぁ!あぁっ、ん!まって、」
「待たない」
こぼれ落ちる涙を舌先で舐めとって、そのまま追い詰めるように陰茎を扱く。ミズキは小さく「イく」と言った後、一際大きく身体を跳ねさせてから果てた。飛沫が腹を汚していく。服が汚れないように脱がして、そのまま放り投げた。
「はぁっ、はぁっ!」
「あ、そうだ。水……」
思い出して、ボトルの水を口に含むとそのままキスを落とす。口移ししてやれば、拒むことなく素直に受け入れるものだから、水で冷えた舌にしゃぶりつく。
「んんっ……はぁっ、ふっ」
「ちゅ……、ちょっと待ってな、自販機でローション買ってくるから」
「ん、」
立ち上がって部屋に設置された自販機でローションとゴムを買う。ついでに俺も裸になると、大人しく待っている彼の元へ戻った。
「おまたせ」
封を切って、指にローションを絡めると後孔に這わせる。相変わらず使い込まれたそこは嬉しそうに指を飲み込んだ。
なんでそうなっているのかは聞かない。もし誰かに抱かれているなんて聞いたら嫉妬してしまうから。
「ミズキ」
「んんっ、あうっ」
すがり付くように名前を呼ぶ。多分、いや確実にミズキに彼女や彼氏の類いはいない。日常の忙しさを思うに、セフレなどもいないはずだ。そうであってくれないと困る。なら、自分でやっているんだろうか。その時、少しでも俺のことを思ってくれていたら嬉しいと思う。
既に柔らかいそこを拡げながら、強請られるまま何度もキスを落とす。
「あぁっ、うーやん♡」
舌ったらずに名前を呼ばれて、ぐっと来た。今の、すごい可愛い。もっと呼んで欲しくて、膨らみをぐりぐりと刺激する。
「あ、あぁっ!♡はぁっ、あ゛あっ♡」
媚びきった声に気を良くして、指を増やす。晒された首筋にかぶりつけば、呼応するようにナカがきゅうきゅうと締まった。
「ミズキ、気持ちいい?」
彼は余裕なくこくこくと頷く。そうして指が3本入る頃には、彼は肌を朱に染めながら何度も果てていた。
「ーーーーーっ!♡♡♡」
声にならない声を上げながら身体を震わせる彼を抱き締めて、指を引き抜く。そうして自販機で買ったゴムを開けると自身に装着していく。
「ミズキ、挿入れていい?」
「うん♡♡」
もうすっかりめろめろな様子で絡み付いてくる彼に微笑んで、切っ先をゆっくり埋めていく。
「はぁ♡♡あぁっ、ちんこ、はいってくる♡♡♡」
「っ、言い方!」
「あはっ♡♡うれしっ♡♡♡」
正直余裕はないのであまり煽らないで欲しいのだけれど。そんなの知らないと言わんばかりに甘えられて少し強引に腰を押し進めた。
「あぁっ、あぐっ!♡♡♡」
「ミズキっ!」
「ね、ウーヤンっ、ちゅーして♡♡」
「だから煽んなって!」
リクエスト通り何度もキスを落としながら、馴染むのを待つ。ゆるゆると腰を動かしてやれば、彼はまた陰茎から精を吐き出した。
「やっ、あ♡♡♡んんっ、ふぁっ♡♡」
「っ、ミズキ、えろすぎ」
「うっさい♡♡あ゛、ぁっ!♡♡」
腰を掴んで、とちゅとちゅと打ち付ければその度彼は喘ぐ。その瞳は、涙に溺れながらも確かに俺を捉えていた。
「うあ、~~~~~っ!♡♡♡」
「ミズキ、好きだ」
「っ!♡♡♡」
瞬間締まるナカに持っていかれそうになる。好きと囁く度、甘イキをしているのか可愛らしい声を上げながら彼は身体を震わせた。
「おれも、すき♡♡♡」
「なあ、俺たち付き合おうか」
「っ!♡♡うれしっ♡♡♡」
「俺の親に挨拶してさ、ちゃんと付き合おう」
「うん、うん♡♡♡」
ずっと言おうとしていた言葉。また忘れてしまっても、今度は逃がさない。絶対に。
ぼろぼろと涙をこぼしながら、彼は一際大きく身体を跳ねさせて果てた。それにあわせて、ゴムの中に精を吐き出す。
つきだされた舌にしゃぶりついて、ずるりと陰茎を引き抜いた。
ぜぇぜぇと肩で息をする彼が落ち着くのを待ってから、また口移しで水を飲ませる。
「んんっ、はぁ♡♡♡」
そうして真っ直ぐ彼を見詰めて、呟く。
「ミズキが覚えてなくても、何度でも言うから」
「……ごめん、俺、実はあんま酔ってない」
「え?」
気まずそうに言った言葉に、耳を疑った。あんなにへろへろだったのに?全部演技だった?
「その、白髪頭のバーテンに全部酒のせいにさせちまえって言われて……酔ってる演技してた」
「じゃあ、意識あったのにあんなに甘えてたってことか?」
「素面じゃ無理、はずい。けど、嘘ついてんの、やだ。……その、俺、お前のことちゃんと好きだよ」
「っ、」
今度は俺が顔を赤くする番だった。
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