キョカラ

※カラキョウカラ
※今日は何の日の続き


 尿道責めを決行されてから早数日。なんとか仕返しがしたいとネットの海を漁っていたところ、興味深い記事を見付けた。
 世の中には、ローションガーゼと言うものがある。大の男が泣きじゃくるという、アレだ。やり方は簡単、ローションに浸したガーゼで陰茎を扱くだけ。それだけでどうしようもなく気持ちいいらしい。なんだったら潮まで吹くとか書いてある。そんなの、興味を持つに決まっている。
 それを未成年にしていいのかと言うと悩ましいところなのだけれど。まぁそれは置いておいて。
 泣き顔を見られたんや。なんならそれ以外もやぞ。仕返しの一つでもせんと、気持ちが抑えられん。
「キョウヤぁ、絶対泣かしたるからな……」
 メッセージを送りながら独り言を呟く。我ながらなんと情けないことだろう。これも全部、キョウヤが悪い。
 呼び出し先は何時もの待ち合わせ場所。そのままうちに直行する予定だ。そうして、何時も通りならそのままヤる流れになるから、そこでなんとか主導権を取る。取れんのか?何がなんでも取んねん。
 少しして、キョウヤから電話が来た。
『カラスバさーん?ごめんなさい、今手が放せなくって。今日の夜でしたよね?いつもの時間に待ってますねー!それじゃ!』
 ……アイツバトル中やったな。狂っとる。知っとったけど。突風のように言うことだけ言って切ってしまったキョウヤに思わず笑みを溢す。……いや、相手誰や。そんな、オマエオレたちの関係がバレるやろ!何考えとんねん!
 一人で勝手に百面相しながらも、明らかに浮かれている自分がいて。ほんに、もうどうしたらええんやろな、と思う。
「こんな悩ますん、オマエくらいやで」
 誰にも届くことのない呟きが、ぽつりと零れた。



 で、あっという間に日が暮れて夜が来たわけだが。仕事は綺麗さっぱり片付けたし、なんなら明日休めるように準備もした。何かあったら最悪電話でなんとかなる、はずだ。
 いつものようにワイルドゾーンの入り口に辿り着くと、キョウヤはすでに着いていた。
「カラスバさーん!お疲れ様です!」
「んー、ありがとさん。オマエ昼間誰とバトルしてたん?」
「え?デウロですけど」
「……まだマシか」
 MZ団ならまぁ、わざわざ変に噂を流すようなことはしないだろう。したらしばく。
「あー、俺たちの関係って内緒でしたね。うん、大丈夫ですよ大丈夫」
「ほんまかぁ?」
 喋りながら路地裏を歩く。まず経験したことのないその時間を、オレは好ましく思っていた。きっと学校から帰るときだとかこんな感じなのかもしれない。オレは学校行ったことないからわからないけど。
「カラスバさん?」
「いや、なんでもあらへんよ」
 そんなの、キョウヤは知らんでええ。何時ものようにエントランスを抜け、エレベーターに乗る。
「カラスバさん、明日お休みですか?」
「おう、ちゃーんと空けといたさかい……」
 首をかしげて「好きにしてええよ」なんて誘えば、キョウヤは顔をかっと赤くした。スイッチさえ入っていなければ年相応なんよな。ほんにからかい甲斐のある可愛いヤツ。
 まあ、今日はさせへんのやけれども。
 あっという間に玄関へ着き、扉を開ける。キョウヤを中に導くと、腕を握って寝室に直行する。準備?そんなもん先に帰ってしたわ。しごできはこう言うところがちゃうねん。
「キョウヤぁ、今日はおもろいことしてみーひん?」
「えっちなことじゃなくって?」
 ちゅっと頬にキスを落とされる。さっきまでの初さは何処へやら、もうスイッチが入ったようだった。
「とびきりえっちでとびきりおもろいこと、しよか」



「ローションガーゼですか?」
「そ、知っとる?めーっちゃ気持ちいいらしいで」
 泣くほど、やけどな。心の中でほくそ笑む。この様子だと、知らんようやな。良かった。これで知っとって断られるのだけは避けたかったから。
「カラスバさんが気持ち良くしてくれるの?」
 擽るように顎を撫でられる。それ、ニャスパーにするヤツ。そう思いながらも、悪い気はしない。
「頑張って気持ち良くするさかい、キョウヤはなーんも心配せんでええよ」
 ベッドの縁に座るよう促して、用意していた桶を取りだす。こちらは事前にちゃんと温めてある。熱めにしたから、そろそろちょうど良い温度に冷めたはずだ。手を入れて温度を確かめれば、ほどよくぬるくて。良かった、と安心する。
 キョウヤの服を脱がせて、まだ柔らかい陰茎を掴むと、先端にキスを落とす。
「舐めてくれるんだ」
「ん、勃ってへんと出来んやろ」
 こうやってキョウヤのを舐めるのは、実は結構好きだったりする。オレだけのもんやって気持ちが満たされるし、何より気持ち良さそうなキョウヤの顔が見れるから。……絶対言ってやらんけど。
「はぁっ、キョウヤぁ」
 名前を呼びながら、れ、と竿を舌で刺激すればそれはすぐ芯を持つ。ほどほどにしておかないと、という気持ちともっと舐めていたいと言う気持ちの狭間で揺れ動きながら、ゆっくり口を離した。
「もうやめちゃうの?」
「メインイベントはこっちやもん」
 とろとろのローションの中に手を突っ込んで、浸されていたガーゼを取る。この後泣かされるとも知らないで、キョウヤは興味深そうにそれを見つめていた。
 そっとガーゼで陰茎を包み込む。上からローションを垂らして扱けば、キョウヤがびくりと身体を跳ねさせた。
「っ、!カラスバさん、これちょっとくすぐったいっ、かも!」
「まだまだ始めたばっかやで?もうちょっと楽しんでや」
 普段好き勝手されてるのの仕返しや。首筋にじゅっと吸い付いて濃い跡を残し、しょりしょりと敏感な鬼頭を削るように撫でる。
「あっ♡からすばさ!これやばいっ!」
「ふふ、そやよ♡かわいそうになぁ、こんな大人に興味持ったばっかりに……」
 でも、オマエが悪いんやで?
 太ももがびくびく震えていて、これ本当にやばいんやなぁ、と他人事のように思う。
「ん、あっ!♡まって、♡」
 声、かわいー♡そんな反応されたら興奮してしまうやろ。キョウヤの声がわなついて、いつもよりも早い限界を告げる。でも、もちろんやめてなんかやらない。
「いっ!♡いっちゃうから!♡からしゅばしゃ!♡」
 はぁはぁと肩で息をするキョウヤを特等席で眺めながら、滅多に聞けないであろう声を堪能する。
 可愛らしいことに、オレの名前すら満足に言えなくなったキョウヤは、口の端から唾液を垂らしながら呆気なく果てた。
「~~~っ!♡」
「かわいっ、イってもうたかぁ♡」 
 白濁をガーゼで受け止めて、全身からくたりと力が抜けたのを見計らってそのままガーゼ越しに陰茎を扱いた。
「ひぅっ!♡」
「なーに終わった気になっとるん?まだまだやで?」
 ふふ、キョウヤの初めての潮吹きはカラスバさんのもんや♡
 ちゅこちゅこいやらしい音を立てて陰茎を苛めてやれば、キョウヤはいやいやと首を横に振る。可愛い、普段キョウヤはオレを苛めているときこんな気持ちやったんやろか。
「はぁ!あぐっ♡からしゅばしゃ、もれちゃう♡」
「はは、キョウヤは可愛えなぁ♡漏れちゃうかぁ♡ええよ漏らして♡オレはそんなんで嫌いになったりせんもん♡」
 ぼろぼろと溢れる涙を舐めとり、仕上げと言わんばかりに先端を擦れば、ぷしっと音を立ててキョウヤは潮を吹いた。
「ぁ、う~~~~っ!♡♡」
 ガーゼからぼたぼたと潮が伝い落ちていく。肩で息をしていたキョウヤが、そのままベッドに倒れ込んだ。流石に心配になって顔を覗き込もうと近付けば、引き倒されて、今度はオレがベッドに沈む番だった。
「かーらーすーばーさーん!なにこれやばかったんだけどっ!」
 涙目がオレを睨み付ける。でも怒っている感じではない。本気で怒っているキョウヤはこんなもんじゃないから。
「死ぬかと思った!」
「ふふ、堪忍やで」
「もー!」
 ちゅっとキスを落とされて、そのまま舌を食まれる。舌同士を絡ませて、唾液を交換しあって……ふふ、キス気持ちいい。
 そのまま慣れた手付きでズボンを脱がすと、後孔を指が撫でる。
「あれ、柔らかい」
「ふふ、しごできやろ?あんなかわええとこ見せられたら耐えられんもん。はよ抱いて?♡」
 後はなし崩しだった。
 ぐつぐつと煮えているような熱に、理性が蕩けていく。指が引き抜かれて、散々苛めたキョウヤの陰茎が押し当てられる。
「もー!カラスバさんのばか!」
「可愛かったで?」
 めりめりと陰茎が埋められていく。求めていたそれが与えられる幸福感に焼かれていると、耳元で囁かれた。
「貴方がやったなら、俺もやっていいんですよね?」
「へ?」
 さっきまでキョウヤを苛めていたそれが、オレの陰茎に絡む。ぎくん、と身体がへんな軋み方をして。一瞬何が起こっているのかわからなかった。
「っ!♡」
 ざりざりと敏感な先端を、ガーゼが削り取るように擦っていく。キャパオーバーの快感に、頭が着いていかなくって、口をはくはくと開いてなんとか息を吸う。
「俺さ、カラスバさんが辛いかなって思ってセーブしてたんだけど、もうしなくて良いんだよね?」
「ぐぁっ、♡♡はぁっ!♡♡」
「嬉しいなぁ、ねぇ、このまま奥まで突いたらどうなっちゃうかな?♡」
 しぬ!キャパオーバーでしぬ!声に出したいが、それどころじゃなくて。どっちの刺激でイっているのかさえもうわからない。
 ずるずると陰茎をガーゼで扱かれながら良いところを抉られ目の前がチカチカ明滅した。
「お゛っ♡♡ひぃっ♡♡堪忍してぇ!♡♡」
「カラスバさんが悪い!」
 ばちゅばちゅと音を立てて腰を打ち付けられ、ぼたぼたと精なのか潮なのかわからない液体が溢れ落ちていく。あ、これ飛ぶ。目がぐりんと裏を向いて、そのまま意識が飛びかけて、でも、今度は奥まで陰茎で貫かれて叩き起こされた。
「~~~~っ!!♡♡♡」
「カラスバさん、起きて?♡」
「いっ!♡♡い゛って゛る゛!♡♡もっ、むりぃ!♡♡とまってぇ!♡♡」
「無理じゃないでしょ?」
 過ぎた快感に泣きじゃくりながら静止を叫ぶが、火をつけたのはオレで……。
 結局キョウヤは朝までオレを離してはくれなかった。
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