キョカラ

※尿道責め


「カラスバさん、今日は何日でしょうか」
「11月11日やな。どうせあれやろ?菓子食ってちゅーするんやろ?」
「そうだけど違いまーす」
 違うんかい。てっきりキスがしたいんやろとばかり思っていたので思わず驚く。
「ふふ、驚きますよ?……なんとこれの日です!」
 そう言ってキョウヤが取り出したのは棒状の何かだった。ボールチェーンのようなそれを、にこにことしながら差し出すもんだから思わず受け取ってしまう。
「……なんやろ、なんか嫌な予感するわ」
「なんと、尿道ブジーです」
「あ?」
 その意味がわからんほどおぼこでもないが、現物は初めて見た。と言うか何でそんなもん持っとんねん。オマエ一応未成年やろ。
「ちゃんと通販で買いましたよ」
「あほ、もっとアカンやろ」
 溜め息混じりにそれを眺める。
 これ、オレに使うつもりやったん?は?普通に死ぬが。若者の好奇心怖い。
「ね、カラスバさんのこっちの処女も俺にください」
「……どないしてそれでいけると思たん?」
「ダメですか?」
「ダメに決まっとるやろ」
 この年でオムツになるなんて流石にごめんや。そも、尿道は何か物を入れる孔ではない。いやまぁケツやってそうやけども。それは置いておいて。
「カラスバさんなら興味あるかなって思ったのに。だって、めっちゃ良いらしいんですよ?」
「あるわけないやろ」
「じゃあなんでも言うこと聞きますから」
 それはちょっとええな。……いや、そうやなくて。何聞いてしまう気になっとるんや自分。
「一生のお願いです!」
「……はぁ、ええよ」
「え!!良いんですか!?」
 ほんに、このガキを甘やかしすぎや自分。
「その代わり、夜まで待ってや?オレこれでも仕事中やねん」
「それは勿論!」
「ほな、夜にいつもんとこで待ち合わせしよか」
 



 ぎちぎちと縄が肌に食い込む。下半身を剥かれた状態で椅子にくくりつけられたオレは早速後悔していた。
「で、なんでオレ縛られとるん?」
「暴れられると困るので……」
 別に縄脱けしようと思えば出来るけど、でもしないでおいてやる。これはそう言うプレイだから。
 身動きの取れない状態でキョウヤを見る。
「そんなやばいん?」
「傷付けないためなので……我慢してください」
 我慢してくださいて、やられるんオレなんやけど。誤魔化すようにキスを何度も落とされて、しょうがないから誤魔化されてやることにする。
 少しずつ息が上がってきて、舌を出せばそのまま絡め取られた。
「んんっ、」
 ざりざりと理性が崩れ落ちていく。これから気持ちいいことをされると思うと、散々弄ばれた身体が疼き出して。ガキの思うままに開発させてしまったのを今更だが後悔した。
 シャツの上から勃ち上がった突起を撫でられ、甘い痺れが背筋を伝う。呻きに近い声が漏れて、そこに触れられる度少しずつ思考が蕩けていく。
 そこ、弄られるん、好きや。
「ふふ、えっちな顔」
「ぁっ、誰のせいやと」
「俺のせい?」
 そう、全部オマエのせい。
 またキスを落とされて、ふにふにと唇を食まれる。すでに緩く勃ち上がった陰茎にローションを垂らされて、指が絡んでいく。
 直接的な刺激に腰が浮きそうになるが、縄がそれを許さない。ぎちぎちと肌に縄が食い込んで、そこがじりじりと痛み出す。
「はぁ、あぁっ!」
「かわいー……。まずはちゃんと勃たせないといけないので、失礼しますね」
 興奮から、あっという間に硬く勃ち上がった陰茎に、我ながら単純だななんて思う。
 見せ付けるようにゆっくり扱かれ、びくびくと身体が震える。
 ああ、溶けそうや。
「ふふ、気持ち良さそう。ね、最初は細いのからやっていきましょうね」
 にこやかなキョウヤは、ゴム手袋をはめると銀色の一番細いブジーを手にした。ローションをたっぷり塗りたくって、先走りの滲む尿道口に押し当てる。くぷっと音を立てて飲み込まれていくそれと、鋭い痛みと違和感。
「ぐぅ、うぅ!」
 良いんちゃうんかい。こんなん苦しいだけやん。騙された!そんな思いがぐるぐる頭の中を駆け巡る。
「ふふ、こっちの処女も貰っちゃった」
 なんか言っとる、怖……。
 悪戯にずろろっと引き抜かれて、言い様のない感覚に思わず身体がびくつく。なんだ今の。無理やり射精させられたような、そんな感覚。
「あ゛っ、!?」
 油断していた分、大きな声が漏れる。未知の感覚が怖くて、太ももががくがく震えた。助けて欲しくてキョウヤを見れば、にやりと意地の悪い笑みをたたえていて。行動を間違えたことに気付く。
「抜く方が気持ちいいんですね?」
 ずぷずぷと金属が引き裂くように進んでいく。最早麻痺してしまったのか痛みはあまりない。あるのはじくじくとした疼きだけで。
「ひ、ぃ……っ!ちょおっ!」
「良い悲鳴。このまま一気に引き抜いたらどうなっちゃうんですかね?」
 笑顔で残酷なことを言うキョウヤに、背筋が凍る。そんな、ちょっと引き抜いただけであんなに良かったのに。
「もうちょっとで全部入りますよ」
 早く終わってくれ。そう願っていると、おもむろに全て引き抜かれて。
「~~~~っ!♡」
 瞬間、射精した時のような快感がびりびりと背筋を駆け抜ける。なんか、なんだったら漏らしたような気さえして。息も絶え絶えに陰茎を見れば、とろとろとローション混じりの白濁を垂れ流していた。
「あは、イっちゃいました?」
「はーっ!はーっ!♡」
 イっちゃいました?やない!あほだら、こんなん頭おかしくなる。辛すぎて身をよじろうとするが、縄で縛られているからそれも難しくて。キャパオーバーの快感をなんとか耐えようと歯を食い縛るが、そんなので耐えられるわけもなく……。
「挿入りそうだからブジー変えますね?ほらこれ、凸凹してるヤツ」
 ボールチェーンみたいなエグいブジーを手に笑うキョウヤに背筋が凍る。くぱくぱと開閉する尿道口に、玉がゆっくり沈んでいって。そのまま尿道をごりごり削られて目の前がチカチカ明滅した。
「お゛っ♡ぐぁ、あ゛……っ!♡」
 醜い声が漏れる。でも、とてもじゃないがそんなの気にしていられなくて、暴力的な快感に身体が逃げようとする。でも縄のせいで逃げれない。
「すごい声。ねぇ、このまま奥まで挿入るとね、カラスバさんが大好きな前立腺苛められるんですよ?」
「ん、あ゛っ!♡♡」
 キョウヤがなんと言っているのか、頭に薄いもやがかかったみたいに理解が出来ない。悪戯に引き抜かれては押し込まれを繰り返されて、目に涙が滲む。こんなの、おかしくなる。
「聞こえてないか。ふふ、カラスバさんえっち」
「ぉ、お゛っ!♡ぎぃっ♡♡きもちいいからっ、ゆるしてぇ♡♡」
「まだだめ」
 とん、と奥まったところにブジーの先端が辿り着く。瞬間、慣れ親しんだ前立腺への刺激に、頭がバグりそうになる。
「なんっ!?ん゛あ゛っ♡♡」
「ほら、カラスバさんが好きな前立腺だよ。そうだ、こっちからも苛めてあげるね?」
 前の刺激に夢中すぎて、何時後孔に指が差し込まれたのかすらわからなかった。ローション濡れの指が膨らんだ前立腺を捉えて、前から後ろから苛められる。
「ぐお゛っ♡♡きっつ♡♡いきたいっ♡♡だしたい♡♡」
「壊しちゃったらごめんね?ちゃんと責任取るから」
 鼻水やら涙やら、なんやらまみれの口にキスを落とされた。けど、とてもじゃないがそれどころではない。ブジーに邪魔されて、精が吐き出せない。終わりのない快感。行き場のない熱が身体の中を駆け回って暴れていた。
「お゛ぉっ!♡♡むりっ!きょうやぁ♡♡」
 とんとんと尿道側から前立腺を刺激されて、嫌々と首を振る。ずっとイっているような感覚さえあって、気が狂いそうになる。いや、もうとっくに狂っているのかもしれない。
「いっでる!♡♡ぐぁ、ん゛♡♡たすけて♡♡も、むりや♡♡こんなんおかしなる♡♡」
「もっと恥ずかしいところ、見せて?」
 そう囁かれ、ずりっとブジーを引き抜かれて目の前にばちばちと火花が散った。
「ぐ、お゛~~~~っ!!♡♡♡」
 熱いものが尿道を駆け抜けていく。勢いのない白濁が全てを焼いていく。そしてそのまま、しょわっと嫌な音がして。
「っ、やら♡♡見んといて♡♡」
 色のついた液体が壊れてしまったみたいにじょろじょろと流れ落ちていく。その刺激ですらイってしまう始末で。
 漏らしてしまった。しかもそれを年下に間近で観察された。
 こんなん、変な癖付く♡
「カラスバさん、可愛い」
 興奮した様子のキョウヤが縄を解く。そのまま抱き上げられて、ベッドへと連れていかれた。
「流石にこれ以上は可哀想だからね。休んでて?」
 頬にキスを落とされて、瞼が重くなっていく。
 あかん、これ、落ちる。
 返事をすることも出来ず、そのまま意識を手放したのだった。
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