キョカラ




 最近カラスバさんに避けられている気がする。
 理由はわからない。思い当たる節はないし、喧嘩しただとかでもない。
 最初は気のせいだと思ったが、こう、露骨に会う回数が減ると怪しんでしまうのが人間と言うもので、考えたくはないが、つい最悪の場合をつい想像してしまう。
「俺、何かしたかなぁ」
 ベンチに腰掛けながら独り言を呟く。気にしていないところでもしかしたら傷付けるようなことをしてしまったのかもしれない。
 なら、謝らないと。このまま自然消滅なんて絶対嫌だし、もしカラスバさんが俺に飽きてしまったなら、それはそれでスジは通さないとだ。
「それなら、事務所かな」
 飲んでいたコーヒーのカップをゴミ箱に捨てて立ち上がると、サビ組の事務所を目指すことにした。



 そうして事務所を訪れると、ちょうど外から帰ってきたらしきカラスバさんを見つけた。
 こちらを見るなり、眉間に皺が寄ったのがわかった。やっぱり怒ってるのかもしれない。
「カラスバさん、俺何かしましたか?」
「別に、なんもあらへんけど」
「じゃあ、なんで避けるの?」
「避けてへん」
 そう言うけど、今だってなんだか遠いし、彼にしては珍しく動揺が隠しきれていない。こちらから近付いていけば、露骨に逃げようとするから手首を掴んでこちらを向かせる。
「避けてるじゃん。俺のこと、飽きちゃった?」
「そんなわけっ」
「じゃあ理由を教えてよ」
 振り払われることのない手に少し安心したなんて。だって、本気で嫌がったらカラスバさんの方がどう考えたって強いのだ。
「……」
「俺に言えないこと?」
「言ったら引くやろ」
「なんで?引くわけないじゃん」
 何を気にしているのかわからないけど、俺がカラスバさんのことで引いたことがあっただろうか。ないだろ。
「…………あんな、オレ身体おかしくなってしもてん」
「えっ?」
 長い沈黙の後、カラスバさんが口を開く。てっきり別れ話を切り出されると思ってばかりいたから驚いていると、机に座った彼がジャケットを脱ぎ始める。ふわりと嗅いだことのない甘い匂いがして、カラスバさんが手を己の胸に押し当てた。
 なんか、いつもと感触が違う。ふわふわしたなにかに阻まれているような、そんな感触。
「カラスバさん?」
「……」
 ネクタイを緩めて、ゆっくりとボタンを外していくのをただ眺めることしか出来なくて固まっていると、見えた素肌に貼られているものに気付いて目を疑った。
 乳首に絆創膏が貼ってあったのだ。
「は?」
「キョウヤのせいや。オマエが何度もしつこく触るからっ」
「ちょっと待って、全然わからない」
「オマエが触るから、乳が出るようになってしもたんや」
「えっ?」
 乳。今乳と言ったか?吐き出された予想外の言葉に思考が停止する。そんなことってあるのか?いやでも現に困っているのだからあるのか。
 恐る恐る絆創膏に触れれば、確かに湿り気を帯びていて。ぽろりと地面に落ちたパッドはしとどに濡れていた。ああ、さっきのふわふわした何かはこれだったのか。
「触っても、いいですか?」
 こくりとカラスバさんが頷いたのを確認してからかりかりと爪で絆創膏を剥がしにかかる。母乳に濡れたそれは簡単に剥がれた。むわっと蒸れたそれが晒されて、あまりの視界の暴力に眩暈がする。
「っ、ぅ!」
 いつもより色の濃い気がする突起に触れれば、カラスバさんは身体をびくりと跳ねさせた。優しくつまみ上げると、じんわりと白い液体が滲み出る。
「あぅっ、……声出てまう」
「良いよ、我慢しないで?」
 ふわりと甘い香りがして、導かれるようにそこに口をつける。微かに甘い突起を舌で転がして、じゅるじゅると吸い付けば、乳が滲み出る。興奮しすぎて股間が痛い。そのまま机に押し倒してもう片方の絆創膏も剥がしにかかった。
「ああ、んっ!♡」
 とたんに彼の声に丸みが帯びる。それが可愛くて、もっと声が聞きたくて甘く食めば、彼が背をしならせる。
「はぁっ!あうっ♡」
 溢れる甘い乳を飲み下し、もう片方の突起も可愛がってやると、カラスバさんはふるふると身体を震わせながら涙をこぼした。
「……甘い」
「や、あっ♡♡きょおやぁ♡」
「カラスバさん、休憩室行こっか」
 ここじゃあ流石に憚れるから、所謂お姫様抱っこでカラスバさんを持ち上げる。重くはない。なんだったら軽くて心配になるくらいだ。
 幸い廊下では誰ともすれ違わず、休憩室とプレートのついている部屋を押し開ける。
 ここは主にカラスバさんが帰れない時に仮眠する部屋で、一通り必要な物が揃っている場所でもあった。
「じゃあ続きしようか」
 そっとカラスバさんをシーツの海に下ろして、その上にのし掛かる。唾液やら母乳やらでてらてらといやらしく光る突起に舌を這わせて、滲み出る甘露をじゅるじゅると吸い取った。
「あっ、それぇっ♡♡やだ♡♡」
「嫌な人の声じゃないですよ」
 嫌々と首を振るのを上目遣いで眺めながら、放っておいたもう片方にターゲットを移す。腫れぼったい突起を舌で転がして促せば、こちらも母乳が滲み出てきて喉を潤した。
「んんっ、うーっ♡♡キョウヤ、もっ、あかん♡♡」
「ふふ、イきそう?」
「ぐぅっ、♡♡乳首だけでイきたない♡♡」
「そう?じゃあここだけでイこうね♡」
「話を聞き、あぐっ♡♡」
 びくり、と彼の身体が跳ねる。嫌々と首を横に振るくせに胸を突き出すような格好になっており、これが"身体は素直"ってやつかなどと感動していると、悲鳴が上がる。
「ひっ、あ♡♡やめっ、あかんって♡♡」
「ダメな人の声じゃないですよ」
 ふっと微笑んで突起を舌で捏ねながら、流れ出る母乳を啜る。その味はほんのり甘くて、癖になりそうだった。
 そうして夢中で啜っていると、彼の腰がへこへこ揺れ始める。
「あは、可愛い」
 きっとイきたくてしょうがないんだろう。でも、今は触ってあげない。このまま乳首でイくところが見たいから、口に含んでいた方を甘く食んでもう片方はつまみ上げた。
「あ゛ぁ!♡♡もっ、むりぃっ♡♡きょおや、かんにんしてぇ♡♡」
 そんな風に言われたって、逆効果なのわかっているだろうに。舌先で窪みをほじりながら押し潰せば、かくん、と彼の身体が強ばった。
「ぐぅ~~~~っ!♡♡♡」
 とろとろと流れ落ちる母乳を舐めとり、ぜえぜえと肩で息をする彼の顔を覗き込む。
「カラスバさん、大丈夫?」
「ぁっ、♡♡だいじょぶなわけ!あるかぼけぇ!」
 飛んできた拳を片手で受け止める。当てる気だったんだろうけどそこは読んでたし、イった後のへろへろな身体ではたかがしれていた。それに、多分、多分だけど本気ではない。
「それは悪手ですよ」
 何処か悔しそうなカラスバさんに向かって笑い掛けて、布の上からでもわかるくらい張り詰めている陰茎に触れる。弱点に触れられて、彼の身体がびくりと跳ねた。スラックスと下着を下ろして晒せば、上手く出せなかったのかとろとろと白濁を溢すばかりで、可愛くて可愛くてぱくぱくと開閉する尿道口に優しく触れる。
「あっ♡♡」
「出したい?」
 素直にこくりと頷く彼の耳元で「でもだめ」と囁いてやる。そうすると、彼は驚いたように目を見開いた後、眉間に皺を寄せて凄むが、そんなのなんの意味もない。それどころか俺を興奮させるだけなのにね。
「次はこっちね?」
 サイドテーブルの引き出しを開けて、中からローションを取り出すとわざとらしく指に絡める。ローションまみれの指を後孔に押し当てれば、彼の背がしなった。
「キョウヤ♡♡」
「大丈夫だよ。俺に任せて?」
 ナカにゆっくり指を埋めていく。間が空いたと言うのに柔らかい。もしかしたら、どうにもならなくなって自分で触ったのかもしれない。なにそれ、とってもえっちだ!
「あっ、ぅ♡♡」
「カラスバさん、ナカ柔らかいね。自分でした?」
「っ!キョウヤのあほ!」
 今度は蹴りが飛んできて、ちょっと力の入ったそれを受け止める。痛いけど、このくらいなら日常茶飯事だから大丈夫。
 気にせずナカを拡げるようにゆっくり指を動かして、馴染むのを待つ。
「っ、う♡きょおや、ほんまにこのままするん?」
「だって、このままじゃカラスバさん辛いでしょ?」
「うぐっ……」
 彼から否定の言葉はない。それじゃあいいよね?
 耳元で"可愛い"なんて繰り返し囁けば、後ろの準備がどんどん進んでいって、誘われるがままに指を増やしていく。ぐぱぐぱといやらしい音が部屋に響いて、彼はただでさえ赤い顔を更に染め上げていた。
「っ♡♡やっ、あぐっ♡♡んんっ!はぁっ♡♡」
「声我慢しないで?」
「やらっ、聞かれたないもん♡♡」
 やらって、可愛いすぎるだろ。もう舌回らなくなってんじゃん。まだ挿入れてないのに。
 母乳の滴り落ちる突起に再びしゃぶりつけば、耐えきれなくなったのか悲鳴のような喘ぎが漏れた。
「ひあっ!♡♡ああっ、それぇ♡♡」
「こっちも可愛がってあげなきゃね」
「うぅっ、~~~~っ♡♡それ、だめんなるから♡♡」
「ん、いいよ♡ダメになるとこ見せて?」
 にっこり笑って指を引き抜くと、己の陰茎を取り出して柔らかくなった後孔に押し付けた。
 無意識なんだろうか、腰が揺れてすりすりと先端が擦れる。気持ちよくって、でも、もっと気持ちいいことを知っているからつい焦れてしまう。それを悟られないようにゆっくり押し進めると、またイってしまったのかカラスバさんが悲鳴を上げた。
「あ゛っ!♡♡」
 イった拍子にぴゅくっと胸から母乳が吹き出す。あまりにえろすぎるその光景を目に焼きつけながら腰を打ち付けたのだった。

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