スタレ
更新分追い付いたので記念にファイモス
どのへんの二人なのかは謎、だいたいサウナ後くらいなんじゃないですかね
直接的なネタバレはないかと思いますが一応注意してください
目の前に、鍛え上げられた肉体がある。酒が入っているからか、ほんのり赤く色付きとびきり美味しそうな肉体が。
すぐに正気に戻って、ソファーに力なくもたれ掛かっている彼に近付いて、そっと胸に耳を当てれば確かに鼓動の音がした。
良かった、生きている。何時からか、癖のようになってしまったそれを、彼は許してくれている。……今のところは。
がんがん響く頭で、寝落ちる前に昨日何をしていたのか考えれば、答えはすぐにでも出た。例のごとく、極々ちいさなことで酒の飲み比べに発展したのだ。
勝敗は……わからない。飲んだ杯の数なんて覚えていないし、途中からわけもわからなくなっていたから。
嗚呼、これは後でアグライアに小言を言われそうだ。
ため息を一つ溢し、すうすうと寝息を立てる彼に、珍しいこともあるものだとその姿を眺める。こうしてみると、不死の彼は本当に僕たちとあまり変わらないように見えた。
みんなは彼のことを怖いと言うが、そんなことはない。彼は誠実な人間だ。
「起きたのか、救世主」
ふっと、とろけるような金色の瞳が開く。それを朝露に濡れる花のようだなんて言ったら、きっと怒るかな。
「大丈夫かい?モーディス」
「このくらいなんの問題もない」
「その割には顔が赤いけど。待ってて、今水を持ってくるから」
何か言いたげな彼をそのままに、水を取りに行く。なんだろう、この気持ち。まぁ、それに気付けないほど鈍くはないんだけどね。
「ほら、持ってきたよ」
「ん、ああ……すまない」
水を受け取り、飲もうとするが力が抜けているのか危なっかしくて思わず取り上げる。
「本当に大丈夫かい?」
「……飲ませろ」
すがり付くように、服を掴む彼に何とも言えない気持ちを抱く。こんな風に甘えることなんて、それこそ酒にでも酔ってないと、彼には無理だったろうから。
「いいよ、飲ませてあげる」
ソファーに力なくもたれ掛かっている彼に、覆い被さるように近付き、口に水を含む。何時もより血色の良い唇にそっとキスを落とせば、反射的に彼は口を開けた。
口の中で少し温くなった水を少しずつ送り出す。こくこくと小さく水を飲み下す音と、鼓動の音、今ここにはそれしかなくなってしまったかのような錯覚さえ抱く。
ただの水なのに、甘い。
「ぷはっ、もういい?」
「……もっと」
黄金の瞳が揺れる。その表情はまるで迷子のようで、庇護欲が湧くが忘れてはいけない。彼は僕よりもよっぽど立派な男だ。
言われた通りもう一度水を口に含み、彼に飲ませる。飲みきれなかった水が彼の顎を伝ってぽたりぽたりと落ちていく。あれ、なんで僕、モーディスとキスをしているんだろう。
その疑問も、柔く唇に噛みつかれた辺りでどこかに飛んでいってしまった。誘われるがままに、何度も啄むようなキスをする。お互いを確かめあうようなそれは、気付けばどんどん大胆になっていって、彼の口内を味わうように舌をねっとりと舐ぶればぴくん、と彼の身体が跳ねた。
「んんっ、はっ...…、っ」
部屋に、ぴちゃぴちゃと水音が響く。伏せられた瞳が開くのが見たくて舌を柔く食めば、驚いたように見開かれる。ネクタルみたいに蕩けた瞳には、興奮の色がありありと浮かんでいた。
嗚呼、このまま溶けて一緒くたになってしまいたい。
「っふ、ぁ……し、つこい」
彼が僕の胸を叩くが、その腕に力なんて入っていなかった。そんなんじゃ、煽るだけだって教えてあげた方がいいかな。
「ははっ、もう少し……もう少しだけだから」
そうやって騙し騙しキスを続ければ、彼は時折上擦った声を上げながら身体を跳ねさせていた。てっきり、すぐにでも嫌がると思ったのだけれど、そんな様子はない。
「モーディス、」
「っ、今、名を呼ぶな」
「そう言われたら、もっと呼びたくなるだろ?」
それを可愛いと思ってしまったのだから、もう言い逃れは出来そうになかった。
「ねぇ、メデイモス。君を抱きたい」
「っ、……」
彼は特に困った様子も見せず、とても小さくだけど「好きにしろ」とだけ続けた。
嬉しくなって、首筋に吸い跡を散らしていく。その跡は彼の白い肌に良く映えた。きっとすぐに消えてしまうだろうけど、それでも跡を残さずにはいられなくって、勢い余って噛みつけば、彼は小さく喘ぐ。
「っぁ、……」
「噛まれるの、好きなのかい?」
「はぁっ、うるさ、い……」
否定の言葉はない。ならいいかと、跡が残らない程度に何度も噛みついてやる。その度に、身体を跳ねさせる彼が堪らなく美味しそうに見えて、酷く興奮した。
そのまま胸へと辿り着くと、晒された突起にしゃぶりつく。
「ひっ、ぅ……そんなところ、女じゃあるまいに」
「でも気持ち良さそうだよ?」
勃ち始めた突起を舌で舐ぶれば、彼は小さく悲鳴を上げる。それに気を良くして、もう片方を指でくるくると円を描くように刺激してやれば、その度彼は面白いくらい反応を示した。
「っ、ぁ!はぁ、……救世主っ、」
「こんな時くらい名前で呼んでくれてもいいんだよ?」
そう呟けば、彼は今にも涙が零れ落ちそうな目で僕を睨み付け、何時ものようにへらっと笑って見せた。
「言わせてみろ、出来るものならな」
「ははっ、受けて立つとも。絶対に呼ばせて見せるから」
そんなこと言われたら、負けるわけにはいかないじゃないか。そのまま力任せにソファーに押し倒すと、既に柔く勃ち上がった陰茎を取り出し、そっとキスを落とす。
流石に予想外だったのか、目を真ん丸にして僕を見ている彼に微笑んで、尿道口を舌で抉るように刺激してやった。
「っぁ、くっ……んんっ!」
彼の顔が、直接的な快感に歪む。滲み出る先走りを舐めとれば、独特の風味が口に広がった。それされ嫌と思わないのだから、もうきっと後戻りは出来ないのだろう。
まぁ、する気もないのだけれど。
「はぁっ、あ……っ、うっ!」
「ほら、我慢しないで」
「そこで喋るなっ、ん、……あっ!」
裏筋を舌でつーっと舐めれば、余裕のない声が鼓膜を揺らす。気を良くして、そのまま咥えられるところまで咥えると、じゅぽじゅぽとわざとらしく音を立て、しゃぶりついた。
「やっ、……っ!くそっ、……んんっ、」
慣れていないであろう刺激に、彼はあっという間に追い詰められていく。嗚呼、そんな表情も出来たんだ。可愛いななんて思ってしまうのだから、もうとっくに駄目なのかもしれない。
そのまま舌で先端をざりざりと刺激すれば、その時は来た。
「っぁ、~~~~っ!」
彼は声にならない声を上げ、僕の口の中にびゅくびゅくと勢い良く精を吐き出す。ゆっくりと飲み干し、最後の一滴も逃さないよう啜れば彼はまたびくんと身体を跳ねさせた。
そのまま指に精液まじりの唾液を滴し、まだ何も受け入れたことのないだろう後孔の皺をなぞる。何をしようとしているのか気付いた彼が、僕を引き剥がそうとするが、その腕に力は入っていなかった。
「優しくするから」
「っ、」
力が入っていないと分かるやいなや、堪らず両腕で顔を隠してしまった彼が可愛くて思わず微笑む。
ゆっくりと指を後孔に埋めていく。当たり前だけど、そこはとても狭い。本当に自分の物が挿入るんだろうか。心配だけど、その分時間をかけるしかないだろう。唾液を増やして、なんとか指を出し入れしながら、少し萎えてしまった彼の陰茎を咥えこむ。
「うっ、あっ!くぅっ、」
何処だろう?多分この辺だと思うのだけれど。呻き声ばかり上げる彼になんとか気持ち良くなって欲しくて、指を動かしてその場所を探す。
「っぐっ、んんっ!」
ふと、膨らみに指が触れ、彼が身体を大きく揺らした。
「あ゛っ!」
「ふふ、見付けた」
堪らず声を上げたのを聞き逃さず、たった今見付けたばかりのそこを優しく撫でる。びくびくと身体を跳ねさせながら喉を晒す彼を満足げに眺めながら、とんとんと叩くように刺激してやれば、こぷっと先走りが溢れ落ちた。
「ひっ、あっ……ん゛、それっ!」
「君の気持ちいいところだよ。ほら、ちゃんと覚えよう」
顔を真っ赤に染めながら、彼は乱れる。良かった、思ったよりもずっと気持ち良さそうだ。少し不安だったけど、これなら大丈夫そうかな。蠢くナカを拡げるように指を動かしながら、彼の嬌声に耳を傾ける。
「ぐあっ、っ!んんっ!うっ、」
「ふふ、気持ちいいかい?」
「っ、わからんっ、あ゛っ!」
そろそろ顔を見せて欲しいな、と思って腕を剥がしにかかるが、どうしても見せたくないのか逃げるようにソファーに顔を押し付けてしまった。それはそれでエロいのを、彼は自覚した方がいい。これならまぁ、真っ赤に染まった耳も見えるしいいか、と片手を繋ぎ合わせた。
それからしばらくの間はナカを拡げるのに専念した。彼はまだそこではうまくイけないのか、何度も陰茎に手を伸ばそうとしたがその度に遮って、思考も何もかもぐずぐずに煮込んでいく。
内腿の柔らかいところに噛みつき、跡を残しながら何度も何度も前立腺を抉れば、耐えかねたのか彼が声を上げた。
「あ゛っ、救世主っ……、っん゛」
「イきたい?」
「ぐっ、あ゛!言わせるなっ、!」
彼のプライドを考えれば、これでも丸をあげなきゃいけないくらいだろう。そう言うところが可愛いんだ。
「でもメデイモス、僕は君の口から聞きたい」
もっと僕を欲して、なんて。流石に贅沢すぎるかもしれない。だって、今こうして身体を暴くことを許してくれているのだから。
「……っ、」
彼はそのまま僕の胸ぐらを掴むと、ぐっと近付いてきて唇にそっとキスを落とした。呆気に取られていると、蕩けきった両の瞳と目が合う。
「ファイノン、イきたい」
だからってそこで名前を呼ぶのはずるいと思うんだ。でも、彼らしいと言えばそうか。堪らなくなって、僕の方からもキスを送りながら、お預けされていた陰茎を扱く。
「はぁっ、あっ!ん゛っ、う゛~~~~っ、」
獣が唸るような低い声を上げながら、彼はあっという間に果てた。二度目だというのにその勢いは止まることなく、僕の手を汚している。
嗚呼、可愛い。可愛いな。僕の物には一生なりはしない、メデイモス。だからこそ、余計に恋い焦がれるのかもしれない。太陽みたいだ、とも思って、僕のことを真っ直ぐ見つめる彼の額にキスを落とした。
「はぁ、はっ……、んっ、早く」
「良いのかい?」
「何度も言わせるな、ファイノン……好きにしろ」
それでも、まだ後孔は拡がっていない。だいぶ柔らかくなったとはいえ、まだまだ僕のそれは挿入らないだろう。
さりげなく指を二本にしてみるが、特に引っ掛かりはしなかった。良かった、と安心しながら、彼を見る。余裕があまりないからか、顔を隠すことすらやめてしまった彼は、前立腺に指が当たる度に大きく身体を跳ねさせていた。
二本の指で拡げるように動かせば、ナカの粘膜のうねりが目に見えて、僕を煽る。
「んあ゛、あっ!まっ、うあ゛っ、」
可愛い。全部余すことなく食べてしまいたいくらいに。ぐぱぐぱと聞くに耐えない音を立てながら出し入れを繰り返し、そこが三本の指を咥えられるくらい柔らかくなった頃。
「はぁっ、ファイノン」
彼が僕の名前を呼んだ。額と額をくっ付けて、目を瞑る。今の僕は自分で付けた跡にすら嫉妬しそうなくらい、彼に狂っていた。でも、彼は半神になるであろう男だ。きっと、僕よりも先に。そうなったら、僕は何を思うんだろうか。君がもっと手の届かないところに行ってしまう気がして、後孔から指を引き抜きそっと抱き締める。
「はぁっ、」
「メデイモス」
「っ、なんだ」
「いや、なんでもない。なんでもないんだ」
一人で勝手に泣きそうになっていると、彼からも抱き締め返される。まさか抱き締め返されるとは思ってなかったから驚いて彼を見ると、ゆっくり口を開いた。
「今は……俺だけを見ていろ。何を考えているのか知らんが、どうせ例のごとく難しく考えているんだろう?……今この瞬間だけでいい」
「っ!そんなこと言わないでくれ。今も、これからも、君は僕の大切な人だから」
彼を真っ直ぐに見つめながらそう言えば、彼は満足げに「そうか」とだけ呟いた。
「これからも、そのずっと先も、僕は君と一緒にいたい」
誓うように、手の甲にキスを落とす。例え離れ離れになっても、忘れないように。
「……このまま抱いてくれるんだろう?」
「勿論」
ズボンを下ろし、彼の柔らかくなったそこに陰茎を押し付ける。くぽっと音を立てて飲み込まれていくのを、半ば感動しながら見ていると、彼はまた腕で顔を隠してしまった。可愛い。ゆっくり、焦らすように浅いところで出し入れを繰り返す。こちらもきついけど、なるべく長く繋がっていたいから。
「っ、はぁ!あ゛……っん゛あっ、」
「ふっ、メデイモス……顔を見せて欲しい」
「うあっ、っ嫌だ、と言ったら?」
「それでも君の顔が見たい」
腕を掴んで顔を覗き込めば、彼はその黄金の瞳からぽろぽろと涙を溢していた。どんな時も、どんなに苦しくても泣きはしなかった彼が泣いている。
「っ!」
ぎゅっと胸を締め付けられるような光景に、溢れ落ちるそれを思わず舐めとる。砂糖みたいに甘そうだと思ったのに、ちゃんとしょっぱい。彼もちゃんと人の子なんだ。
「んんっ、やっ……ふぁいのん」
「なんだい、メデイモス」
名前を繰り返し呼び合いながら、ゆっくり奥まで挿入する。温かくって、肉壁が絡み付くように陰茎を包み込んできて気持ちがいい。それにちょっと舌足らずになっていて可愛いな。
「はぁっ、あ゛、そこっ、良いっ」
「ふふ、気持ちいいかい?」
こくこくと頷く彼を、愛おしいと思いながら唇にキスを落とす。何度も何度も、確かめるように。
腰を打ち付ける度にぱちゅんぱちゅんと水気のある音が響いて、それにすら興奮する。
「がぁっ、あぁっ!う、あ゛っ、~~~~っ!」
無意識に逃げようとする腰を掴み、弱点を突くように刺激すれば、彼は背をしならせながら果てたようだった。
「っく……メデイモスっ」
ナカの収縮にこちらも果てそうになって、慌てて陰茎を引き抜き彼の腹にびゅくびゅくと精を吐き出した。
ぼんやりした顔でそれを眺めるメデイモスの唇にもう何度目かもわからないキスを落とす。彼は腹に出された精を広げるように救い上げ、ふっと微笑んだ。
その顔は酷く妖艶で、それでいて美しかった。
どのへんの二人なのかは謎、だいたいサウナ後くらいなんじゃないですかね
直接的なネタバレはないかと思いますが一応注意してください
目の前に、鍛え上げられた肉体がある。酒が入っているからか、ほんのり赤く色付きとびきり美味しそうな肉体が。
すぐに正気に戻って、ソファーに力なくもたれ掛かっている彼に近付いて、そっと胸に耳を当てれば確かに鼓動の音がした。
良かった、生きている。何時からか、癖のようになってしまったそれを、彼は許してくれている。……今のところは。
がんがん響く頭で、寝落ちる前に昨日何をしていたのか考えれば、答えはすぐにでも出た。例のごとく、極々ちいさなことで酒の飲み比べに発展したのだ。
勝敗は……わからない。飲んだ杯の数なんて覚えていないし、途中からわけもわからなくなっていたから。
嗚呼、これは後でアグライアに小言を言われそうだ。
ため息を一つ溢し、すうすうと寝息を立てる彼に、珍しいこともあるものだとその姿を眺める。こうしてみると、不死の彼は本当に僕たちとあまり変わらないように見えた。
みんなは彼のことを怖いと言うが、そんなことはない。彼は誠実な人間だ。
「起きたのか、救世主」
ふっと、とろけるような金色の瞳が開く。それを朝露に濡れる花のようだなんて言ったら、きっと怒るかな。
「大丈夫かい?モーディス」
「このくらいなんの問題もない」
「その割には顔が赤いけど。待ってて、今水を持ってくるから」
何か言いたげな彼をそのままに、水を取りに行く。なんだろう、この気持ち。まぁ、それに気付けないほど鈍くはないんだけどね。
「ほら、持ってきたよ」
「ん、ああ……すまない」
水を受け取り、飲もうとするが力が抜けているのか危なっかしくて思わず取り上げる。
「本当に大丈夫かい?」
「……飲ませろ」
すがり付くように、服を掴む彼に何とも言えない気持ちを抱く。こんな風に甘えることなんて、それこそ酒にでも酔ってないと、彼には無理だったろうから。
「いいよ、飲ませてあげる」
ソファーに力なくもたれ掛かっている彼に、覆い被さるように近付き、口に水を含む。何時もより血色の良い唇にそっとキスを落とせば、反射的に彼は口を開けた。
口の中で少し温くなった水を少しずつ送り出す。こくこくと小さく水を飲み下す音と、鼓動の音、今ここにはそれしかなくなってしまったかのような錯覚さえ抱く。
ただの水なのに、甘い。
「ぷはっ、もういい?」
「……もっと」
黄金の瞳が揺れる。その表情はまるで迷子のようで、庇護欲が湧くが忘れてはいけない。彼は僕よりもよっぽど立派な男だ。
言われた通りもう一度水を口に含み、彼に飲ませる。飲みきれなかった水が彼の顎を伝ってぽたりぽたりと落ちていく。あれ、なんで僕、モーディスとキスをしているんだろう。
その疑問も、柔く唇に噛みつかれた辺りでどこかに飛んでいってしまった。誘われるがままに、何度も啄むようなキスをする。お互いを確かめあうようなそれは、気付けばどんどん大胆になっていって、彼の口内を味わうように舌をねっとりと舐ぶればぴくん、と彼の身体が跳ねた。
「んんっ、はっ...…、っ」
部屋に、ぴちゃぴちゃと水音が響く。伏せられた瞳が開くのが見たくて舌を柔く食めば、驚いたように見開かれる。ネクタルみたいに蕩けた瞳には、興奮の色がありありと浮かんでいた。
嗚呼、このまま溶けて一緒くたになってしまいたい。
「っふ、ぁ……し、つこい」
彼が僕の胸を叩くが、その腕に力なんて入っていなかった。そんなんじゃ、煽るだけだって教えてあげた方がいいかな。
「ははっ、もう少し……もう少しだけだから」
そうやって騙し騙しキスを続ければ、彼は時折上擦った声を上げながら身体を跳ねさせていた。てっきり、すぐにでも嫌がると思ったのだけれど、そんな様子はない。
「モーディス、」
「っ、今、名を呼ぶな」
「そう言われたら、もっと呼びたくなるだろ?」
それを可愛いと思ってしまったのだから、もう言い逃れは出来そうになかった。
「ねぇ、メデイモス。君を抱きたい」
「っ、……」
彼は特に困った様子も見せず、とても小さくだけど「好きにしろ」とだけ続けた。
嬉しくなって、首筋に吸い跡を散らしていく。その跡は彼の白い肌に良く映えた。きっとすぐに消えてしまうだろうけど、それでも跡を残さずにはいられなくって、勢い余って噛みつけば、彼は小さく喘ぐ。
「っぁ、……」
「噛まれるの、好きなのかい?」
「はぁっ、うるさ、い……」
否定の言葉はない。ならいいかと、跡が残らない程度に何度も噛みついてやる。その度に、身体を跳ねさせる彼が堪らなく美味しそうに見えて、酷く興奮した。
そのまま胸へと辿り着くと、晒された突起にしゃぶりつく。
「ひっ、ぅ……そんなところ、女じゃあるまいに」
「でも気持ち良さそうだよ?」
勃ち始めた突起を舌で舐ぶれば、彼は小さく悲鳴を上げる。それに気を良くして、もう片方を指でくるくると円を描くように刺激してやれば、その度彼は面白いくらい反応を示した。
「っ、ぁ!はぁ、……救世主っ、」
「こんな時くらい名前で呼んでくれてもいいんだよ?」
そう呟けば、彼は今にも涙が零れ落ちそうな目で僕を睨み付け、何時ものようにへらっと笑って見せた。
「言わせてみろ、出来るものならな」
「ははっ、受けて立つとも。絶対に呼ばせて見せるから」
そんなこと言われたら、負けるわけにはいかないじゃないか。そのまま力任せにソファーに押し倒すと、既に柔く勃ち上がった陰茎を取り出し、そっとキスを落とす。
流石に予想外だったのか、目を真ん丸にして僕を見ている彼に微笑んで、尿道口を舌で抉るように刺激してやった。
「っぁ、くっ……んんっ!」
彼の顔が、直接的な快感に歪む。滲み出る先走りを舐めとれば、独特の風味が口に広がった。それされ嫌と思わないのだから、もうきっと後戻りは出来ないのだろう。
まぁ、する気もないのだけれど。
「はぁっ、あ……っ、うっ!」
「ほら、我慢しないで」
「そこで喋るなっ、ん、……あっ!」
裏筋を舌でつーっと舐めれば、余裕のない声が鼓膜を揺らす。気を良くして、そのまま咥えられるところまで咥えると、じゅぽじゅぽとわざとらしく音を立て、しゃぶりついた。
「やっ、……っ!くそっ、……んんっ、」
慣れていないであろう刺激に、彼はあっという間に追い詰められていく。嗚呼、そんな表情も出来たんだ。可愛いななんて思ってしまうのだから、もうとっくに駄目なのかもしれない。
そのまま舌で先端をざりざりと刺激すれば、その時は来た。
「っぁ、~~~~っ!」
彼は声にならない声を上げ、僕の口の中にびゅくびゅくと勢い良く精を吐き出す。ゆっくりと飲み干し、最後の一滴も逃さないよう啜れば彼はまたびくんと身体を跳ねさせた。
そのまま指に精液まじりの唾液を滴し、まだ何も受け入れたことのないだろう後孔の皺をなぞる。何をしようとしているのか気付いた彼が、僕を引き剥がそうとするが、その腕に力は入っていなかった。
「優しくするから」
「っ、」
力が入っていないと分かるやいなや、堪らず両腕で顔を隠してしまった彼が可愛くて思わず微笑む。
ゆっくりと指を後孔に埋めていく。当たり前だけど、そこはとても狭い。本当に自分の物が挿入るんだろうか。心配だけど、その分時間をかけるしかないだろう。唾液を増やして、なんとか指を出し入れしながら、少し萎えてしまった彼の陰茎を咥えこむ。
「うっ、あっ!くぅっ、」
何処だろう?多分この辺だと思うのだけれど。呻き声ばかり上げる彼になんとか気持ち良くなって欲しくて、指を動かしてその場所を探す。
「っぐっ、んんっ!」
ふと、膨らみに指が触れ、彼が身体を大きく揺らした。
「あ゛っ!」
「ふふ、見付けた」
堪らず声を上げたのを聞き逃さず、たった今見付けたばかりのそこを優しく撫でる。びくびくと身体を跳ねさせながら喉を晒す彼を満足げに眺めながら、とんとんと叩くように刺激してやれば、こぷっと先走りが溢れ落ちた。
「ひっ、あっ……ん゛、それっ!」
「君の気持ちいいところだよ。ほら、ちゃんと覚えよう」
顔を真っ赤に染めながら、彼は乱れる。良かった、思ったよりもずっと気持ち良さそうだ。少し不安だったけど、これなら大丈夫そうかな。蠢くナカを拡げるように指を動かしながら、彼の嬌声に耳を傾ける。
「ぐあっ、っ!んんっ!うっ、」
「ふふ、気持ちいいかい?」
「っ、わからんっ、あ゛っ!」
そろそろ顔を見せて欲しいな、と思って腕を剥がしにかかるが、どうしても見せたくないのか逃げるようにソファーに顔を押し付けてしまった。それはそれでエロいのを、彼は自覚した方がいい。これならまぁ、真っ赤に染まった耳も見えるしいいか、と片手を繋ぎ合わせた。
それからしばらくの間はナカを拡げるのに専念した。彼はまだそこではうまくイけないのか、何度も陰茎に手を伸ばそうとしたがその度に遮って、思考も何もかもぐずぐずに煮込んでいく。
内腿の柔らかいところに噛みつき、跡を残しながら何度も何度も前立腺を抉れば、耐えかねたのか彼が声を上げた。
「あ゛っ、救世主っ……、っん゛」
「イきたい?」
「ぐっ、あ゛!言わせるなっ、!」
彼のプライドを考えれば、これでも丸をあげなきゃいけないくらいだろう。そう言うところが可愛いんだ。
「でもメデイモス、僕は君の口から聞きたい」
もっと僕を欲して、なんて。流石に贅沢すぎるかもしれない。だって、今こうして身体を暴くことを許してくれているのだから。
「……っ、」
彼はそのまま僕の胸ぐらを掴むと、ぐっと近付いてきて唇にそっとキスを落とした。呆気に取られていると、蕩けきった両の瞳と目が合う。
「ファイノン、イきたい」
だからってそこで名前を呼ぶのはずるいと思うんだ。でも、彼らしいと言えばそうか。堪らなくなって、僕の方からもキスを送りながら、お預けされていた陰茎を扱く。
「はぁっ、あっ!ん゛っ、う゛~~~~っ、」
獣が唸るような低い声を上げながら、彼はあっという間に果てた。二度目だというのにその勢いは止まることなく、僕の手を汚している。
嗚呼、可愛い。可愛いな。僕の物には一生なりはしない、メデイモス。だからこそ、余計に恋い焦がれるのかもしれない。太陽みたいだ、とも思って、僕のことを真っ直ぐ見つめる彼の額にキスを落とした。
「はぁ、はっ……、んっ、早く」
「良いのかい?」
「何度も言わせるな、ファイノン……好きにしろ」
それでも、まだ後孔は拡がっていない。だいぶ柔らかくなったとはいえ、まだまだ僕のそれは挿入らないだろう。
さりげなく指を二本にしてみるが、特に引っ掛かりはしなかった。良かった、と安心しながら、彼を見る。余裕があまりないからか、顔を隠すことすらやめてしまった彼は、前立腺に指が当たる度に大きく身体を跳ねさせていた。
二本の指で拡げるように動かせば、ナカの粘膜のうねりが目に見えて、僕を煽る。
「んあ゛、あっ!まっ、うあ゛っ、」
可愛い。全部余すことなく食べてしまいたいくらいに。ぐぱぐぱと聞くに耐えない音を立てながら出し入れを繰り返し、そこが三本の指を咥えられるくらい柔らかくなった頃。
「はぁっ、ファイノン」
彼が僕の名前を呼んだ。額と額をくっ付けて、目を瞑る。今の僕は自分で付けた跡にすら嫉妬しそうなくらい、彼に狂っていた。でも、彼は半神になるであろう男だ。きっと、僕よりも先に。そうなったら、僕は何を思うんだろうか。君がもっと手の届かないところに行ってしまう気がして、後孔から指を引き抜きそっと抱き締める。
「はぁっ、」
「メデイモス」
「っ、なんだ」
「いや、なんでもない。なんでもないんだ」
一人で勝手に泣きそうになっていると、彼からも抱き締め返される。まさか抱き締め返されるとは思ってなかったから驚いて彼を見ると、ゆっくり口を開いた。
「今は……俺だけを見ていろ。何を考えているのか知らんが、どうせ例のごとく難しく考えているんだろう?……今この瞬間だけでいい」
「っ!そんなこと言わないでくれ。今も、これからも、君は僕の大切な人だから」
彼を真っ直ぐに見つめながらそう言えば、彼は満足げに「そうか」とだけ呟いた。
「これからも、そのずっと先も、僕は君と一緒にいたい」
誓うように、手の甲にキスを落とす。例え離れ離れになっても、忘れないように。
「……このまま抱いてくれるんだろう?」
「勿論」
ズボンを下ろし、彼の柔らかくなったそこに陰茎を押し付ける。くぽっと音を立てて飲み込まれていくのを、半ば感動しながら見ていると、彼はまた腕で顔を隠してしまった。可愛い。ゆっくり、焦らすように浅いところで出し入れを繰り返す。こちらもきついけど、なるべく長く繋がっていたいから。
「っ、はぁ!あ゛……っん゛あっ、」
「ふっ、メデイモス……顔を見せて欲しい」
「うあっ、っ嫌だ、と言ったら?」
「それでも君の顔が見たい」
腕を掴んで顔を覗き込めば、彼はその黄金の瞳からぽろぽろと涙を溢していた。どんな時も、どんなに苦しくても泣きはしなかった彼が泣いている。
「っ!」
ぎゅっと胸を締め付けられるような光景に、溢れ落ちるそれを思わず舐めとる。砂糖みたいに甘そうだと思ったのに、ちゃんとしょっぱい。彼もちゃんと人の子なんだ。
「んんっ、やっ……ふぁいのん」
「なんだい、メデイモス」
名前を繰り返し呼び合いながら、ゆっくり奥まで挿入する。温かくって、肉壁が絡み付くように陰茎を包み込んできて気持ちがいい。それにちょっと舌足らずになっていて可愛いな。
「はぁっ、あ゛、そこっ、良いっ」
「ふふ、気持ちいいかい?」
こくこくと頷く彼を、愛おしいと思いながら唇にキスを落とす。何度も何度も、確かめるように。
腰を打ち付ける度にぱちゅんぱちゅんと水気のある音が響いて、それにすら興奮する。
「がぁっ、あぁっ!う、あ゛っ、~~~~っ!」
無意識に逃げようとする腰を掴み、弱点を突くように刺激すれば、彼は背をしならせながら果てたようだった。
「っく……メデイモスっ」
ナカの収縮にこちらも果てそうになって、慌てて陰茎を引き抜き彼の腹にびゅくびゅくと精を吐き出した。
ぼんやりした顔でそれを眺めるメデイモスの唇にもう何度目かもわからないキスを落とす。彼は腹に出された精を広げるように救い上げ、ふっと微笑んだ。
その顔は酷く妖艶で、それでいて美しかった。
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