スタレ

現パロ


 オレの彼氏はツラが良い。
 どのくらい良いかって?そりゃあもう、何かと見とれるくらいには良い。そのただでさえ良い顔面が、快感に歪むのがとても好きだったりする。その瞳はオレだけを捉えていて、それで。そんな風に情事をを思い出しただけで、よーく仕付けられた身体がずくりと疼き出すんだからもうどうしようもない。
 いつの間にこんなことに、と頭を抱えるが、なっちまったものはしょうがない。それだけ身体を許してしまったオレも悪いが……いや、やっぱりオレは悪くねぇな、うん。これはアイツが悪いわ。
「どうしました?そんな眉間に皺を寄せて」
「……あ?アンタのことだよ」
「はい?あいたっ」
 不思議そうに首を傾げているアルジェンティの額にデコピンをする。ばーかばーか、いつの間に教室に来たんだよ。テメェ他校生だろ。
「なんでいんだよ」
「ふふ、貴方に呼ばれたような気がして、つい」
「呼んでねぇよ。職員室に連行されちまえ」
「ちゃーんと許可を取ってから来ています」
「ケッ、ばーか」
 適当に荷物をまとめ立ち上がと、アイツが肩に掛けている鞄の持ち手を掴む。
「今日はどうすんだよ。アンタん家行く?」
「僕は構いませんけど……」
 オレん家じゃ、ガキ共がいるからツラの良アルジェンティが来ると大変なことになる。だったらアイツん家に行った方がいい。別に、深い意味なんてない。けど、期待してないと言えば嘘になる。絶対に口に出して言ってはやらないが。
「じゃあ行きますか?」
「ん、」
 全部わかってるみたいな顔で微笑まれ腹が立つ。クソが、誰のせいだと思ってるんだ。怒りを込めて、軽くケツに蹴りを入れるがびくともしない。体幹どうなってんだ。
「もう、痛いですよ」
「全然平気そうじゃねぇか、クソっ」
 そんなこんなで、適当にクラスメイトに挨拶をし、いつの間にか嗅ぎ付けてやって来た取り巻きを何とかかわしながら学校を出ると、急ぎ足でアルジェンティの家に向かう。
 気付けば鞄を掴んでいた手はアイツに強く握り締められていた。見られたらどうすんだと思う反面、まぁ、気にするヤツなんていねぇだろとも思う。
「ふふ、もう少しですよ」
 先を走るアイツの燃えるような髪が風にそよいで動く様に、思わず見とれる。綺麗だなんて言葉では足りないくらいには好ましいと思う。
「アルジェンティ、」
「なんですか?」
「いや、やっぱなんでもねぇ」
 振り返ったアイツの顔は煌めいて見えた。嗚呼、好きだ。絶対に言ってはやらないけど。
 そうこうしているうちに、アイツの家の前に着く。相変わらずでけぇ立派な家だ。
 その息子が、オレみたいのと付き合っているなんて知ったら、どう思われるだろうか。ま、殴られるだけじゃすまねぇだろうな。
「ほら、どうしました?ブートヒルさん」
「別になんでもねぇよ。今日親御さんは?」
「ふふ、心配しなくても大丈夫ですよ。今日はどちらも外出ですから」
「そうかよ」
 扉に手を掛け、鍵を開けると腕を強く引かれる。はぁ?っと気の抜けた声が口から漏れ、気付いたときにはアイツの腕の中だった。
 ゆっくりと扉がしまる音がする。かちゃりと鍵を閉められ、決して狭くはない玄関で壁際に押しやられ唇を奪われた。
「っ!」
 一瞬の事過ぎて頭がついてこない。こちらが拒否しないのを良いことに、そのまま舌を挿し込まれ歯列をなぞられる。ぞわぞわと鳥肌が立って、動きだって拙いだけなのに、ただただ興奮した。
「はぁっ、んんっ……っ、テメェ」
「……ふふっ、わかりやすいお方。こちらを見る視線が熱を帯びていたものですから、つい」
 アイツの手が学ランのボタンを外し、シャツを弄る。性的なことなんざまったく知らなそうな顔している癖に、こんなところですんのかよ。
「アルジェンティっ、」
「はい、なんです?」
「ここで、いやだっ」
「ベッドの上が良いですか?」
 ちっ、と思わず舌打ちをする。アルジェンティの癖に口で言わせたがんなタコが。でも、シャツを弄る手がふと胸の突起に触れて、かくんと膝から力が抜けた。
「っ、!」
「大丈夫ですか?」
 バランスを崩し倒れ掛けたが、そのまま抱き止められる。嗚呼、顔が近い。オレの好きなツラが。
「もう一度聞きます。ベッドが良いですか?」
 こくりと一回だけ首を振る。すると、アイツはにこりと笑いオレを抱き抱えた。仮にも成長期の男だぞ。なんで抱えられるんだよ、と思いながらも身を任せる。丁寧に脱がせた靴を揃えて置くアイツに思わず吹き出せば、不思議そうに顔を覗かれた。
「どうかしましたか?」
「いや、育ちがいいんだなって思っただけだぜ?」
 そりゃそうか、オレと違ってお坊ちゃんだもんな。そんなヤツに今から抱かれるのだ。とてもじゃないが、優等生とは言えないこのオレが。
「んな不安そうなツラすんなよ、天国見せてくれんだろ?」
「……ええ、お任せください」
 火が着きゃ後は燃えるだけだ。アイツはオレを抱き上げたまま、階段を上っていく。小綺麗な廊下は良く手入れがされており、埃すらない。
 部屋の中に入ると、ふんわりとバラの香りがした。濃いアイツの匂いに、落ち着きかけた身体がずくりと疼きだす。早く抱かれたいだなんて思ってしまって顔が熱くなる。
 そのままベッドに優しく下ろされ、覆い被さってきたアイツが思い出したように呟いた。
「あ、そうだ。一応アレを敷いておきますか」
 アレ。それがなんなのか、オレは知っている。吸水性の高いシート、つまりはペットシーツだ。それを敷きたいってことは、それだけ激しくされるってことで……。
「ふふ、今期待しましたね?」
「っ!」
 くそ、アルジェンティの癖に。なんでわかんだよ。視線を反らせば衣擦れの音がした。アイツが立ち上がったんだ。そのままクローゼットを開けると、ガサガサと何かを漁る音がする。お目当ての物を見つけたのかすぐにアイツが戻ってきて目の前にしゃがみこんだ。
「ほら、これ。下に敷きますから腰を上げて?」
 折り畳まれたペットシーツを広げながら笑うアイツに腹が立つ。今すぐにでもはね除けりゃいいのに、何故だかそれが出来ない。少し考えた後、言われるがままに腰を上げた。
「ふふ、良いこですね」
「いい趣味してんじゃねぇか、くそったれ」
「そんな顔で凄んでも怖くなんてありませんよ」
「うるせぇばーか!」
 ペットシーツを敷き終えたアイツがそのまま覆い被さってくる。綺麗な顔に似合わない、興奮しきった様子でオレを見下ろすアイツに、腹の奥がきゅんきゅん疼いた。とてもじゃないが勝てない。視線だけでそれを嫌でも分からされる。
 アイツは普段なら、皺になるからとわざわざハンガーを持ち出して制服をかけるくらい几帳面なのに、今日はそのまま畳みすらせずに脱ぎ散らかして二人して裸になる。もう、お互いに余裕なんてなかった。
「ブートヒルさん」
「あ、ばか……見えるとこに跡残すなっ」
 掠れた声で名前を呼びながら首筋に跡を残そうとするアイツに怒れば、渋々離れたので頭をわしゃわしゃと撫でてやる。
「見えないとこだったら……良いぜ?」
「!」
 目に見えて表情が明るくなったので、犬みたいでちょっと可愛いなんて思っちまって頭を抱える。そんなこともお構い無しに、胸元に吸い付いて跡を残しているアイツの髪を掴んで噛み付くようにキスをした。
「っ、アルジェンティ」
「はぁっ、……痛いですよ」
「いいだろ……」
 何度も何度も存在を確かめるようにキスをしながら、腕を背中に回す。赤い髪がぱさりと落ちてきて、まるで檻の中にでもいるようだった。
「んんっ、」
「っ、ブートヒルさん、可愛いです」
「かわいくなんかっ、あっ」
 アイツの指が期待で既に勃ち上がった胸の突起をなぞるように触れる。擽ったいようななんとも言えない感覚にぴくんと身体が跳ねた。
「はぁっ、アルジェンティ……、擽ってぇ」
「本当に擽ったいだけですか?」
「うっ、んん……、別にっ」
 気持ちいい訳ないだろ。と、頭では思うが優しく突起を摘ままれ、背筋を快感が駆け抜ける。散々弄られたそこは既に十分快楽を拾うようになっていた。
「あ、ぁっ……、はぁっ、」
 意思に関係なく、勝手に悩ましい声が漏れる。恥ずかしくて思わずきゅっと目を瞑り、アイツの背中に爪を立てるがそんなので止まる訳もなく……。両方の突起を指で弾かれ、一際大きな声が漏れた。
「んあっ!くそ……それ、やだっ」
「ふふ、可愛い。もっと気持ち良くなりましょうね」
 アイツは耳元でそう囁くと、べろりと耳を舐ぶる。ねっとりとした独特の感触にぞわりと鳥肌が立ち、思わず目を見開く。すると至近距離で朝露に濡れた草原のような瞳と目があって、思わず見惚れた。詩的な感想なんて述べられないけれど、これを恋と呼ぶのだろう。
 ふっと笑ったアイツが、ゆっくりとした動きで突起に顔を近付ける。それを期待しきった目でただ見ていた。
「うっ、んん……っ!」
 敏感な突起が粘膜に包まれる。温かなその感触に声が出そうになって思わず口を塞げば、柔く噛み付かれた。
「声、聞かせてください」
「っ、嫌だっ」
 舌先で飴でも舐めるようにねっとり突起を転がされ、びくびくと身体が跳ねる。時たまじゅっと音を立てて吸われ、甘い痺れに少しずつ頭が溶けていく。その刺激から逃れたくて身動ぎをするが、決して逃してはくれなかった。
「んうっ、っ……はぁ、あっ」
 噛み付かれるのが好きなの、バレてら。なんでバレたんだろう。薄靄が掛かったようにぼんやりとした頭で考える。痛いけど、それが気持ち良くて手の隙間から少しずつ声が漏れ出していく。
「んあっ、」
「はぁ、可愛らしい。ブートヒルさん、もっと僕を求めて」
 今でさえこれなのに、オレにどうしろって言うんだ。とっくにアンタ無しじゃ生きられないっての。これも絶対に口に出しては言ってはやらないけど。
「あっ、引っ張んなっ、うぅ……」
 両方の突起を摘ままれ、耐えかねて声をあげる。伸びたらどうしてくれるんだ。そんなの、恥ずかしくって外を歩けない。……別に半裸で外は歩かないが。
「まだここだけじゃそこまで気持ち良くなさそうですね」
「っ、当たり前だろっ!」
「いつかここだけで気をやってしまうくらいになりましょうね」
 さらっと恐ろしいことを言われ、思わずごくりと息を飲む。そんな風にされたらそれこそ生きていけない。
「やだっ、」
「ゆっくり覚えていきましょうか」
 全然話聞いてねぇ!いつもだけどな!くそ、なんでこんなヤツのこと好きになっちまったんだ。なんて頭を抱えていると、急に陰茎を撫でられ驚いて身体が跳ねた。
「あっ、ぅ……」
「ふふ、ちゃんと勃ってる。こっちも触ってあげますね」
 胸元に吸い付いて跡を散らしながら、アイツが笑う。テメェだって勃ってんだろ、なんて思いながらも口から言葉は出なかった。先走りを絡めた手で容赦なく陰茎を扱かれ、意味のない文字の羅列が溢れ落ちる。
「あぁっ、んっ!やっ、あ゛っ!」
 一緒に胸の突起も刺激され、思考が蕩け出す。どちらも気持ちいいのだと教え込むような責めに、逃げるように身動ぎをしようとするが、身体を体重をかけて押さえつけられ逃れられない。
「くっ、う……っ、わかんなくなるっ」
「良いんですよ、わからなくなっても。僕がついていますから」
 優しい声音で囁かれながら裏スジをなぞられ、敏感になった身体が面白いくらい跳ねる。気持ちがいい。
「はぁっ、あっ……う、あ!あるじぇんてぃっ!」
 たどたどしく名前を呼べば、アイツはふっと微笑む。白濁が上ってくるのがわかって、教えられた通り「イク」と口にすれば後は早かった。
「やっ、いくっ……、う~~~~っ!」
 頭が真っ白になって、陰茎からびゅくびゅくとアイツの手の中に精を吐き出す。クソ、めちゃくちゃ良かった。でも、これだけじゃないのをオレはもう知っている。
「ふふ、今日は早かったですね。それだけ興奮してくれた、ということでしょうか」
「うっせぇっ、ばか。いちいち口に出して言うな!」
 舐めてやがんのかテメェ、クソが。そう続けようとしたが、言い終わる前に口を塞がれてしまって気がそれる。誘い出された舌を柔く食まれ、引きかけていた熱が戻ってきた。
「んんっ、ふぁっ……」
 身体を撫で回す手が、サイドチェストに伸びる。中からハンドクリームを取り出すと、慣れた手付きでそれを手に広げた。
 クリームまみれの指が、後孔の縁に塗り込めるように優しく撫でる。ぞわぞわと痺れるような感覚が広がっていって、自然と息が荒くなる。早くナカに欲しくて、アイツにすがり付けば、ふふっと笑われた。
「なんだよっ」
「いえ、可愛らしいなと思いまして」
「うるせぇ、ばーか」
 アイツの指がゆっくりナカに挿入ってくる。既に何度もそれを受け入れたそこは、特に切れることなく指を受け入れた。
「んあっ、ぅ……、アルジェンティ」
「痛みますか?」
「大丈夫……それよか早く」
「そう急かさないでください。ゆっくり拡げなければ」
 ナカを探るように蠢く指に、勝手に焦らされる。早く早く、気持ちいいのが欲しい。焦れて自分からアイツの唇に吸い付き、腰を揺らす。
「んんっ、はぁ、あぁっ!」
 指が気持ちいいところを掠めて思わず声が漏れた。見付かってしまったそこを容赦なく潰され、ぞくぞくと背筋を電流が駆け抜けれる。
「あ゛っ、そこっ!」
「貴方の気持ちいいところですよ」
「ぐあっ、あっ……う゛!」
 強すぎる快感に、勝手に声が溢れていく。気持ちが良い、良すぎて頭が溶ける。余裕なんざ全部なくなって、アイツの背中にがりがりと爪を立てた。
「指、増やしますね」
「んっ、」
 返事も出来ずにいると、ゆっくりと指が増やされる。ぐぱぐぱと拡げるように指を動かされ、殆ど反射的に目の前の肩に噛み付いた。鉄の匂いが口に広がり、はっとする。やべぇ、噛み付いちまった。
「はぁっ、悪ぃ……つい」
「このくらい大丈夫ですよ」
「でも、血が」
「大丈夫です。ほら、こちらに集中して?」
 ゆっくり指を引き抜かれ、ぞくぞくと鳥肌が立つ。腹ん中が熱くてしょうがない。
「もう良いからっ、早くっ」
「ふふ、まだ駄目です」
「アンタだって、ツラいだろっ、あ゛っ!」
 こりこりと前立腺を押し潰され、聞くに耐えない酷い声が漏れる。何を言ったって無駄なのはわかってはいるが、性質上足掻かずにはいられなかった。
 気持ちいいのから逃れたい。けど、もっと欲しい。どちらなのかわからなくなって、頭がぼんやりして……何を考えていたのかもわからなくなった頃、ようやく指を引き抜かれた。
「あぅっ♡アルジェンティ、はやく……♡」
「ふふ、もう良さそうですね」
「くそっ、早くしろよばかぁ♡」
 ねだるように腰を持ち上げ、アイツのバキバキに勃ち上がった陰茎に擦り付ける。自分が何をしているのかももうわからない。なんでもいいから、楽になりたくてアイツにすがり付く。
「フーッ♡♡フーッ♡♡」
「ああ、可愛らしい。こんなに蕩けて……今楽にして差し上げますね♡」
 先端がゆっくりめり込んでくる。指とは比べ物にならない質量に、浅く息を吐きながらなんとか受け入れていく。慣らすように浅いところで抜き差しされて、それだけで果てそうだった。
「あるじぇんてぃ、あるじぇんてぃ」
 舌足らずにアイツの名前を呼べば、労るように唇にキスを落とされる。嗚呼、好きだ。どうしようもないくらいに、彼に惹かれている。
 長い時間を掛けて、なんとか腹ん中に全部収まった。その頃には二人して汗だくで、なんだか可笑しくなってへにゃりと笑う。格好なんて付かない。でもアルジェンティ相手ならそれでもいいのかもしれない。
「ああ、こうしてまた貴方と繋がれて嬉しい……このまま溶けてしまいたいです」
「ははっ……もう溶けてんだろ」
 殆ど無意識に腹を撫でながら言う。繋がったとこから蕩けて、幸せで……何かを思い出し掛けて、でもそれがわからなくって、泣きそうだった。
「ブートヒルさん、好きです。愛しています」
「、なんつー顔してんだよ」
「それは貴方も同じですよ」
「ははっ、なぁアルジェンティ。オレも好きだよ」
 それは確かに本心だった。好きなんだ、どうしようもないくらい。
「ほら、早く動いてくれよ、な?」
「すみません、胸が一杯になってしまって。動きますね」
 そう言うと、ナカに挿入された陰茎がゆっくりと引き抜かれていく。持っていかれそうな感覚に呻くと、すっかり萎えたオレの陰茎を軽く扱かれた。
「っあ、あ……♡お゛っ♡♡」
 ぱちん、引き抜かれていた陰茎が、そのまま奥まで突き入れられる。瞬間、とてつもない快感に襲われ、あっという間に果てた。
「~~~っ!♡♡」
 頭が真っ白になって、ぷしゃっと何かが吹き出すような音がした。ああ、オレからか。ペットシーツ敷いといてよかったな。
「ブートヒルさん!」
「ぐあ、♡♡あ゛ぁ゛っ!♡♡まっ、あ゛ん♡♡」
 容赦のない律動が始まる。揺さぶられるがまま揺さぶられ、奥にごちゅりと嫌な音を立てて陰茎がぶつかる度、目の前がチカチカ明滅する。
 気持ちがよすぎて何度も意識が飛びそうになるが、その度に次の衝撃で目を覚まし、それを繰り返す。何度も何度も、可笑しくなりそうなくらいの快楽と多幸感に、ボロボロ涙を溢しながら揺さぶられる。
「ん゛ん゛っ、♡♡あるじぇんてぃ♡♡♡ぎゅってしてほしっ♡♡」
「っ、いくらでもしてあげます。だから泣かないで」
 無理だろ。止め方わかんねぇもん。でも、痛いくらい抱き締められて、嬉しくってオレからも抱き締め返す。
「お゛~~~っ!♡♡いっでる、♡♡いってるからぁ♡♡ゆるしてっ♡♡」
「はぁっ、もう少し、もう少しだけ」
 がくがくと身体が面白いくらい震える。壊れちまったみたいで、可笑しくなってははっと笑えば汗だくのアイツが不思議そうに顔を覗き込んで来た。
「っ大丈夫ですか?」
「お゛っ、♡♡だい、じょぶに見えんのかよ♡♡♡~~~っ!♡♡」
 途切れ途切れになんとか言葉を紡ぎながら、アイツの背中にがりがり爪を立てる。陰茎からはひっきりなしに潮が吹き出し、ペットシーツに吸収されていく。
「あ゛っ♡♡はぁ♡♡♡ぐっ、あ゛っ♡♡すき、♡♡すきっ♡♡」
「っ!僕も好きです!くっ、もう……」
 うわ言のように何度も好きだと繰り返しながら、腹の奥にマーキングするかのようにびゅくびゅくと精を吐き出され、意識が吹っ飛んだ。
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