ルクエド




「おいで」

 ベッドの上で腕を広げて待つあいつを眺め、どうしようかと戸惑っていると、焦れたのか腕を掴まれそのまま抱き締められた。
 暖かい、眠たくなるような温度に、つい安心してしまう。擦り寄るように胸に顔を埋めれば、ふふっと微笑まれた。

「可愛い」

「……うるせぇ。んで、今日はするのかよ?」

「エドはどうしたい?」

「質問に質問で返すな。ばぁか」

 あいつの顔を見上げながら言い返す。暫しの沈黙の後、自分でも驚くくらい小さい声で「したい」と返せば、嬉しそうに笑った。
 しかし、その瞳はすでに獣のようにギラついている。嗚呼、食われる。そんなことを思いながら目を逸らした。
 
「エロガキ」

「ガキじゃねぇ、し……んんっ」

 言い終わる前に、あいつの手が過敏になった脇腹を撫で回し、思わずくぐもった声が漏れた。弱いところなんざ、もう知られ尽くしている。ぞわぞわと鳥肌が立ち、ぎゅっと拳を握りしめる。

「力抜けよ。大丈夫だから」

「んっ、うぅ……」

 脇腹を撫で回していた手が、ゆっくりと上ってくる。それをドキドキしながらただ眺めていた。もうすぐ、胸の突起に到達する。来るであろう快感に期待をしながら身構えていると、きゅっと2つの突起を摘まれた。

「はぁっ!あっ、……う、あっ!」

「ここ、もう勃ってるな」

「やっ、言うなぁ……」

 首を横に振りながら、気持ちよさに喘ぐ。勃ち上がった突起を指先でぴんぴん弾かれ、また違った快感に、身体がびくびくと跳ねた。
 
「はぅっ、んっ……あっ、ああっ!」

「良い声出るじゃん。興奮してるのか?」

「ばかっ、ばぁか……あう!っあん」

 耳元で囁かれ、カッと顔が熱くなるのがわかる。きっと耳まで赤いんだろう。そのままべろりと左耳を舐られ、思わずぎゅっと目を瞑る。耳の穴に舌が滑り込んできて、ぴちゃぴちゃと水音を立てた。不慣れな刺激に、鳥肌が立つ。
 その間も2つの突起を捏ね回され、じわじわと追い詰められていく。

「やっ、耳っ!んっ、ああっ!」

「はぁっ、可愛いな……」

「んあっ!潰すのだめっ、きもちいっ!」

「ふふ……素直だな。いっぱい良くなろうな」

 耳を嬲っていた舌が、つぅーっと項を舐める。じゅっと音を立てて吸い付かれ、ちりっとした痛みが走る。また跡付けやがって。文句を言おうと口を開くが、嬌声がこぼれ落ちるばかりだった。

「ひぅっ!あっ、やだっ、乳首でイキたくないっ」

「でも気持ちいいだろ?」

「んっ、やだぁ、ちんこ触ってほし……っ」

「まだ駄目だ」

 嗚呼、乳首でイかせられる。ぞわぞわと背筋を快感が駆け抜けて、絶頂の気配がする。すっかり勃ち上がった突起をぎゅっと強く潰され、その時は来た。

「うあっ!ん〜〜〜〜っ!」

 びくびくと身体を跳ねさせ絶頂の快感を貪る。肩で息をしながら、くたりとあいつに寄りかかった。下着の中にびゅくびゅくと精を吐き出してしまい、布が貼り付く感覚が気持ち悪い。早く脱いでしまいたくてもぞもぞしていると、気付いたあいつが手早くスキニーを下ろす。

「ははっ、色変わってる」

「んあっ、うるせ、ぇっ!っ、あっ!」

 下着の上からくるくると円を描くように先端を刺激され、達したばかりの身体に過ぎた快楽が与えられる。身体を弓なりに反らしながら、何とかそれを逃そうと藻掻いていると、そのまま力任せに押し倒された。後ろ向きに覆い被さられ、思わず振り向く。

「この向きやだぁっ、」

「たまにはいいだろ?」

「っ、ぅ……」

 答えられずにいると、そのまま下着を下ろされ白濁に濡れた陰茎が露出される。あいつの大きな手がふるふると震える陰茎を握り、ゆっくりと扱き始めてシーツをぎゅっと握り締めた。

「触られたがってたもんな。ほら」

「ひゃっ!あっ、」

 容赦なく陰茎を扱かれ、情けない声が口から溢れていく。気持ちいい、気持ちいいけど……イったばかりで辛い。頭が溶ける。こんなの、馬鹿になる。
 
「あっ、ぅ!ふーっ、……まっ、て……!しんどいっ、またすぐイクっ!」

「可愛い……何度でもイケよ」

 耳元で囁かれ、扱いている手が早められる。生理的な涙がポロポロ溢れていく。もうこれ以上は無理だ。耐えられない。

「イクっ、い、く!あ゛〜〜〜〜っ!!」

 身体がびくびくと大きく跳ねる。びゅくびゅくとあいつの手の中に精を吐き出し、くたりと全身から力が抜けた。

「はーっ、はーっ……!」

「ふふ、良かったな」

 ぜえぜえと肩で息をしながらなんとか息を整えていると、その間何度もちゅっと音を立てて項に、背中にキスが落とされる。その度に小さく喘ぎながらへたり込んでいると、精液まみれの指が尻を這い回った。

「っ!」

「こっちも気持ちよくなろうな」

 精液のぬめりを借りて、少しずつあいつの指が挿入ってくる。異物感に呻いていると、探るように動いていたあいつの指が前立腺を捉えた。

「あ゛っ!ん゛っ、や゛、あ゛!」

「はは、エロすぎ」

「うっせ、ん゛あ゛っ!そこっ、だめぇ!」

 シーツに顔を擦り付けながらよがり狂う。気持ちがいい、良すぎて駄目だ。腰が揺れる度に先端が擦られるのも良ろしくない。先走りがシーツに染みを作っていく。

「ま゛っ、あ゛っ!まって゛ぇ、おかしくなる、ん゛ん゛っ、だめぇっ!」

「おかしくなっちまえよ、責任取るからさ」

「っ〜〜〜!!」

 ふっくらと膨らんだ前立腺をごりごりと削るよう潰され、過ぎた快感に意識が飛びかける。さり気なく増やされた指が、後孔の縁を拡げるように動き周り、少しずつ準備が済んでいく。まだ、アイツのバカでかいブツを挿入れられてすらないのにがくがくと身体が震え、どうしようもないくらいに気持ちがいい。陰茎からぴゅくっと透明な液体が吹き出し、シーツの染みを広げていた。

「はーっ、可愛いな……。全部食っちまいたいくらいだ」

「あ゛っ、も、もう食われて、る!んんっ、」

「まだまだだろ?ん、そろそろ良さそうだな……腰もうちょい上げれるか?」

「ん、」

 すでに言うことを聞かない身体を何とか動かし、腰を上げる。にゅるっと指が引き抜かれ、寂しげにくぱくぱと開閉しているそこに、あいつの陰茎が押し当てられ息を呑んだ。

「挿入れんぞ?」

「あぅ……、う、ん……来て?」

 もう自分が何を口走っているのかもわからない。腰を振りながら強請れば、あいつは一瞬眉間に皺を寄せると先端をめり込ませた。
 あいつの熱いモノが挿入ってくる。慣らすように少しずつ挿入されてくるそれに、意識が持っていかれかける。

「あ゛、でっけぇ……っ、とける……」

「そいつはどうも。こっちも溶けそうだよ」

 そう言われ、多幸感に包まれた。嗚呼、俺達今一緒くたになってる。
 奥までゆっくり挿入されると、あいつがふーっと息を吐いた。

「大丈夫か?」

「だい、じょぶ……っ、あ゛っ……おれ、なくなっちゃ……」

「無くならねぇよ。おら、戻ってこいって」

 ぱん、と乾いた音が響く。思っていた衝撃とは違うそれに、混乱しているとまたぱんと音がしてようやく尻を叩かれた事に気付いた。

「〜〜〜〜っ!♡♡」

「今のでイったのか?やっぱマゾの才能あるよ」

「ぎぃっ♡♡う゛っ、あ゛♡♡ひびくぅ♡♡」

 また、ぱんと乾いた音が部屋に響き渡る。ひりひりと叩かれた所が痛むが、それだけではなかった。
 気持ちがいい。気持ちがいいんだ。尻を叩かれて、痛いはずなのに。
 思わずぎゅっとナカに挿入されたあいつの陰茎を締め付ける。あいつの息遣いと、尻を叩く音だけが耳に届く。

「あ゛ん゛っ!♡♡♡きもちいっ、おかしい♡♡♡お゛っ♡♡♡」

「っ、はぁ……おかしくねぇよ。くっ、大丈夫だから」

 何度も尻を叩かれ、ひりひりと痛む。それがまた気持ちよくって、頭が混乱していると覆いかぶさるようにぎゅっと抱き締められた。

「あ゛っ♡♡♡るーくぅ、奥さびしっ♡♡」

「っ、ホント最高だよ。可愛いな、エド、可愛い……」

 律動が始まる。最初は慣らすようにゆっくりと動かされ、肉がめくれ上がるのがわかる。そのまま奥に叩きつけるように一気に押し込まれ、衝撃に目の前がちかちかと明滅した。
 
「ん゛お゛っ!♡♡♡」

「くっ、一回出すぞ」

「ん゛♡♡♡っはぁ、出して♡♡♡」

 言ったと同時に腹の奥にびゅくびゅくと精が放たれる。その刺激でもイッているのか、もう自分でも良く分からなかった。
 終わりのないようなナカイキに、唾液をだらだら垂らしながらよがり狂う。わからない、もう何もわからない。

「〜〜〜〜っ♡♡♡」

「っ、はぁっ、まだいけるか?」

 こくこくと強く頷き、がりがりとシーツを引っ掻く。ルークが俺で気持ちよくなっていると言うことを、嬉しいと思うんだから俺ももう相当毒されているんだろう。
 
「もっとちょうだい♡♡」

 あいつの方を振り向きながらそう言えば、そのまま唇を重ねられる。必死で舌を絡めながら誘うように腰を揺らすと、どちゅっと音を立てて陰茎が挿入り込んで来た。結腸にノックをするように何度も叩かれ、ぐぽっと先端がめり込んだ。

「ん゛ん゛〜〜〜〜っ!!♡♡♡」

「ちゅっ、はぁ……気持ちいいなっ」

「あ゛ぁ゛っ!♡♡♡あ、ん゛!♡♡♡うん♡♡♡」

「可愛い、エド……好きだ」

「お゛っ♡♡♡おれもっ♡♡♡るーく……!るーく♡♡すき、すき♡♡♡」

 狂ったようにあいつの名前を呼びながら、意識を手放した。
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