ルクエド
朝、あいつの腕の中で目が覚めた。
嗚呼、そういや昨日は泊まったんだっけか。なんて思いながら起き上がり、伸びをしながら欠伸を一つする。
部屋を見渡すと、カーテンの隙間からは朝日が差し込み、なんとも清々しい朝だった。
なるべく起こさないように立ち上がり、シャワーでも浴びるかとバスルームへ向かう。
蛇口を捻りシャワーを出す。冷たい水が身体を流れ落ち、段々と温かくなっていくのをぼんやり浴びていると、扉が開いた。
あいつが欠伸をしながらバスルームに入ってきたのだ。
「ちっ……入ってくんなよ」
「別に家主なんだからいいだろ?」
「……狭ぇっ!」
引っ付いてくるあいつに肘打ちをしながらなんとか引き剥がそうとするが、そのままぎゅっと抱き締められた。あいつの陰茎がごりっと腰に当たる。
「な、なんでもう勃ってんだよ」
「さぁ?なんでだろうな」
「……昨日もしただろ」
「エドは嫌か?」
お預けをされた犬みたいに露骨にしょんぼりしているのが鏡越しに見えて、思わず揺らぐ。
そんな顔されて、断れるわけ無いだろ。
上半身だけ後ろを向いて、あいつの唇に吸い付く。シャワーの音にかき消えるくらい小さい声で呟いた。
「……嫌じゃねぇよ」
聞こえたかどうか不安になったが、すぐ口を塞がれたのできっと聞こえたんだろう。薄く口を開けば、肉厚な舌が割り込んできて、ついていこうと必死に舌を絡めた。貪るようなキスに頭がくらくらする。
「んんっ、ちゅっ、……はぁっ、んっ!」
あいつの手が、期待で既に勃ち上がった胸の突起へ伸びる。遠慮なんてなくこりこりと押し潰され、身体が跳ねた。そんな触り方されたら、耐えられない。
「ふぁっ、ああっ!んっ、」
「気持ちいいか?」
「う、ん……いいっ……!」
くりくりを円を描くように擦りながら、顎を掴まれ前を向かされる。そこには、鏡に映った自分がいた。
顔を赤く染め、蕩けた顔をした自分自身と目が合う。
「っ!」
「はは、エロい顔」
目を逸らしたほうがいいのは分かっているが、何故か目を離せない。項を噛まれながら、両方の突起を弄られ腰が抜けそうになる。
「まっ、て……!」
「ん?」
「鏡っ、はずかしっ……!」
鏡の中のあいつがニヤッと笑った。噛まれたところをべろりと舐められ鳥肌が立つ。やめてくれる気配はなく、それどころかどんどん大胆になっていく手の動きに翻弄される。追い詰められるような責めに腰が抜けそうだった。
「はぁっ!んんっ、んぁっ……っ!」
「声、我慢すんなって」
ぎゅっと強く突起を摘まれ、そのまま扱かれる。絶頂の気配に思わずあいつの腕に爪を立てながら、鏡の中の俺と見つめ合っていた。
「あっ!乳首伸びちゃっ……ぅ、んっ!やばっ……イき、そっ」
「ふふ、可愛いな……イっていいぜ」
「っ!ふぅっ、んあっ!ぅ〜〜〜〜っ!」
囁かれた瞬間、陰茎から白濁とした液体がびゅくびゅくと吐き出される。飛び散ったそれがお湯に流されていくのを、ぜえぜえと肩で息をしながら眺めていた。
「ぅあっ、っ……んんっ、」
「はー、マジで可愛い。なぁ、このままシてもいいか?」
「くそっ、やめる気なんざねぇクセに」
耳元でねっとり囁かれ、その色気に腰が抜けるかと思った。がくがくと震える足に気合を入れながら壁に手をつき、尻を突き出す。鏡いっぱいに蕩けた自分の顔が映し出されて、かあっと顔が赤くなる。
ほとんど無意識に触りやすいよう足を開いた。あいつの手が湿り気を帯びた尻を撫でる。
「っ、はぁっ……」
行き来する手に、思わず吐息を溢す。
あいつがボディソープやらなんやらが置かれた棚に手を伸ばした。そこから見慣れた透明なボトルを取り出すと、尻に振りかける。とろとろとしたそれは、自分で準備するときに使っているローションだ。
「指、挿入れるぞ」
「いちいち言わなくてもっ、……んっ」
ぬめりを帯びた太い指がゆっくり挿入ってくる。昨日も怒張を受け入れていたせいか、解れた後孔は特に引っかかることなくすんなりと指を飲み込んだ。ぞわぞわと鳥肌が立ち、気持ちが高ぶっていく。
「はは、もう2本目挿入りそうだな」
「んぅ、……早くてめぇの寄越せよ」
「そう焦んなって」
「っ、……うあっ!」
項に噛み付かれながら、指を増やされ思わず声を上げる。わざと音を立てるようにぐちぐちとナカを掻き回す指に、理性が溶けていく。気持ちがいい。でももっと気持ちのいいことを知っている俺の全てが、あいつを欲していた。
ずびずびと鼻を啜りながら振り返ると、至近距離にあるあいつの唇に吸い付き囁く。
「なぁ、もう我慢できねぇんだよ」
「っ、お前なぁ……」
「もう挿入るからっ、ルーク……」
自分で後孔を拡げながら強請れば、あいつは驚いたように目を見開くと乱雑に指を引き抜いた。
あ、来る。そう思った瞬間、熱い物が充てがわれる。自然と息が上がり、鏡の中の俺はとろんとした顔をしていた。
「あぁ……♡」
「はぁ、エッロい顔」
「うるせっ、んっ、……あぁっ♡」
ゆっくりと肉壁を掻き分けて陰茎が差し込まれる。焦らすように浅い所を抜き差しされ、気が狂いそうだ。
ぎゅうぎゅうとナカを締め付けながら、壁に爪を立てる。
「っ、あ゛っ♡んっ、……奥っ、さびしっ♡」
「言われなくてもくれてやるよ!」
「ん゛お゛っ!♡♡」
ずん、と一気に最奥まで突き入れられ、目の前がチカチカと明滅する。気持ちが良くてそのまま崩れ落ちそうになるのを、腰を掴まれなんとか持ち堪える。
ごりごりと削るようにカリ首で前立腺を苛められ、その度壊れたように自分の陰茎から白濁とした液体が零れ落ちた。
「あ゛〜〜っ!!♡♡」
狭いバスルームに俺の声が反響する。でも、もうそんなこと気にしていられない。ずっとイっているような感覚に頭が狂いそうになる。気持ちがいい。嬌声しか吐き出せなくなった口で、なんとかあいつの名前を呼ぶ。
「んあっ……はぁっ♡♡るーく、る、ぅ!♡♡はらんなか、きもちい♡♡」
「はぁっ、よかったな……」
熱っぽい声が鼓膜を揺らす。そのまま首筋を噛み付かれ、ナカをぎゅっと締め付けた。まるで獣みたいな激しい交わりに、喘ぐことしか出来なかった。
「あぁっ!♡♡ん゛、お゛っ、……ほっ♡♡んぎぃっ、うぅ♡♡」
「可愛い、可愛いな……っ!なぁエド、好きだ」
「っ〜〜〜〜!♡♡♡おれも、すきぃ……、ルーク!すき……っ♡♡」
うわ言のように何度も好きと繰り返す。顔が見たくて、後ろを振り返りながら「顔、見たい」と言うと、そのまま陰茎を引き抜かれる。
へ?と素っ頓狂な声を上げると、ひっくり返され抱きかかえられた。すげぇ、俺だってそこそこ重いのに。
再びあいつの陰茎がみちみちと音を立て最奥まで挿入ってくる。奥の奥をノックされ、いやいやと首を横に振った。
「がぁっ、あ゛っ♡♡深いっ、ん゛っ、奥まで来てるっ♡♡♡はぁっ、ダメんなる!♡♡♡」
「ダメになっても大丈夫だから、もっとイキ顔見せてくれよ」
「はぁ、ん゛お゛っ♡♡♡イクっ、い〜〜〜〜っ!♡♡」
瞬間、全身を快感が駆け巡る。びゅくびゅくと白濁を吐き出しながら、あいつの背中にがりがりと爪を食い込ませた。奥であいつも果てたのか、ナカに埋め込まれた陰茎がびくびくと脈動した。精が吐き出されている感覚がする。
締め付けると、すぐに硬さを取り戻したそれに驚きながら、同時に嬉しくなった。
「はぁっ……なぁ、もっかいシてもいいか?」
「う、ん♡♡♡っ、あっ……いっぱい、しよ?」
壁に押し付けられながら、唇を重ねる。分厚い舌に翻弄されながら、そっと目を閉じた。