ルクエド



 ふと目が覚める。カーテンの隙間から外を見れば、まだまだ薄暗い。夜と朝の中間くらいなその空に、二度寝でもしようかと隣でぐうすか寝ているルークから布団を剥ぎ取り被った。別にいいだろ。どうせ風邪なんか引かないんだから。
 どうして一緒に寝てんだとかは今更なので言わない。もう何度寝てると思ってんだ。誰にでもなくキレながら、二度寝を決めようとすると、ふと違和感を感じであいつの方を見る。

「あー……」

 生理現象。朝勃ちってやつ。全裸で寝ていると言うのはまぁ今更なので置いておいて、控え目に言ってもデカいあいつのアレが勃っていた。
 うっすら暗い部屋の中、あまりまじまじと見る機会のないそれを見る。

「本当でけぇな……」

 これが俺の中に挿入ったのか、とぼんやり思う。だって、普通に考えてこんなの挿入るわけないだろ。
 つい数時間前まで咥えこんでいたのを思い出して、腹の奥がきゅんと疼いた。

「……」

 膝立ちで、なるべく起こさないようにゆっくり近付き触る。あいつは特に起きることなくそのまま寝ているので、調子に乗って唾液を垂らし扱いてみれば、先端に先走りが滲みはじめた。
 
「はぁっ、」

 雄臭いにおいがして、思わず生唾を飲み込む。舌を這わせれば、あいつがびくっと反応した。起こしたか?と思って様子を見るが、すぐ寝息が聞こえて安心する。
 気を取り直して先端にしゃぶりつく。口に入らない部分は指で扱きながら、教えてもらった通り陰茎を刺激すれば、こぷっと先走りが溢れ出した。

「っ、んんっ……、ふ、っ」

 自分でもなんでこんなことをしているのか分からないが、それでもやめられなかった。
 奥まで飲み込もうとして、咥えきれず嘔吐く。口を離し、へたり込みながら息を整える。
 ちゅっとキスを落とし自分の指に唾液を絡めると、後孔にゆっくり指を埋め込んだ。

「んんっ、……っ」

 陰茎に頬擦りするような形で後孔を弄る。昨晩抱かれていたせいか柔らかい。これなら2本目も挿入るだろうと、ゆっくり指を増やした。

「なーにしてんだ?」

 声を掛けられびくっと身体が揺れる。いつの間にか起きたらしいあいつと目があって震えた。
 見られた、と羞恥から顔が赤くなるのがわかる。咄嗟に指を引き抜き素知らぬ顔をするが、時すでに遅しだった。

「ばっ、別に……」

「別にじゃないだろ。なんだ?抱かれ足りなかったのか?」

「ちがっ……」

「流石に言い訳出来ねぇぞ」

 笑顔で言われ、額から汗が噴き出る。それはそうだ。こんな状況、言い訳のしようがない。
 太い指を目の前に差し出され、唇に添えられる。舐めろってことか、と察して口を開き指に舌を絡ませた。

「そうそう、いい子」

 褒められてついつい頬が緩む。わざとらしく音を立ててしゃぶればあいつは満足そうに微笑んだ。目を瞑り、緩く出し入れする。口の端から唾液が流れて、シーツへと零れ落ちていく。

「んっ、んんっ……はぁっ♡」

「ははっ、エロい顔」

 吐息を吐けば、粗雑に指を引き抜かれた。「もう少しこっちこれるか?」と聞かれ、頷いて膝立ちでのそのそと動く。
 後孔に唾液に塗れた指を這わせられ、ほとんど無意識に腰が揺れた。

「っ♡」

 ゆっくりと、自分よりも太い指が2本、ナカに挿入ってくる。もうすでに解れているそこは切れることなく指を受け入れていた。

「はぁっ、♡んんっ!♡」

「柔らかいな」

「だってっ、昨日もしてただろ」

 息も絶え絶えに言葉をなんとか吐き出す。焦らすようにゆっくり出し入れされ、思考がとろける。
 そのままふっくら膨らんだ前立腺を押し潰され、身体が跳ねた。勝手に口から嬌声が漏れ出て止まらない。
 
「あ゛っ♡♡ん、うぅ♡♡ん゛あ゛っ!♡♡」

「はぁっ、気持ちいいな」

「う、ん♡♡」

 あいつの上にへたり込みながら、もう十分挿入るだろうに、しつこく指で弄ばれ焦れる。じゅぷじゅぷと音を立てて出し入れされ、びくびくと身体を震わせた。
 
「やぁっ♡はっ、ぅ♡♡んんっ♡♡」

 焦らされれば焦らされるほど、身体が熱を持つ。早く欲しくて、後ろ手であいつの陰茎を扱きながら「早くしろよぉ……」と懇願すれば、あいつは一瞬驚いた様な顔をした後、色気のある表情で笑った。
 指を引き抜かれ、持ち上げられる。ひくつく後孔に、あいつのデカいのが押し付けられて、次に来るであろう刺激に身構えていると、あいつが口を開いた。

「いいぜ……自分で挿入れられるよな?」

「……はぁっ!?」

 焦らすように後孔に先走りを擦り付けられる。にゅるにゅると陰茎が尻の溝を入ったり来たりして、かくかくと腰が勝手に動いた。

「出来ないのか?」

「っ!でき、る……」

 あいつの陰茎を軽く握り、後孔にゆっくり挿入していく。ゆっくり息を吐きながら、太い先端を飲み込むと、後は自重でするする挿入っていった。最奥まで飲み込むと、深呼吸をする。

「はぁっ♡♡っ、う゛♡はぁっ……挿入った♡」
 
「そのまま動けるか?」

「っ、てめっ、好き勝手言いやがっ、あ゛あ゛っ♡♡」

 喋っている途中で最奥を軽く突かれ、腰が抜けそうになった。なんとか耐えると、言われた通りゆっくり引き抜き、浅いところで抜き差しをする。ぞわぞわと鳥肌が立って、気持ちがいい。
 
「あぁっ♡♡んうっ、♡♡っう〜〜っ!♡♡」

「腰、支えててやるから脚開けよ」

「っ、♡♡あぅっ、♡♡くそっ、これでいいかよっ♡♡」

 シーツをぎゅっと掴み、はっはっと短い息を吐きながら、震える脚を気合でなんとか立たせ、見せつけるように腰を動かす。

「ははっ、絶景だな」

「あっ♡うっせぇっ!」

 そう言われ、思わずカッと顔が赤くなった。余裕ぶりやがって、こっちは動くので精一杯だって言うのに。なんて思いながら、良いところに当てないように動かす。

「そんなんじゃ日が暮れるぞ?」

「はっ?あ゛ぁ〜〜〜〜っ!♡♡♡」
 
 腰を支えてていた手をぱっと離される。かくかくと震えていた脚だけじゃ自重を支えきれず、そのまま最奥まで陰茎を押し込まれ、イキ散らした。
 
「っ〜〜!♡♡♡」

 思わずあいつの上に倒れ込む。身体が壊れたみたいにびくびく震え、ぎゅっと後孔を締め付けた。
 余韻に浸っていると、陰茎を柔らかくなった結腸まで串刺され、衝撃に目の前がちかちかと明滅する。

「あ゛っ♡♡なん、でぇっ♡♡♡ま゛っえ゛♡♡深いぃっ♡♡♡」

「っ、浅いところばっかじゃつまんないだろ?はー……酷くされるの好きだもんな」

「すきじゃなっ♡♡い゛ってりゅ♡♡イってりゅからぁ♡♡♡」

 あいつの胸に額を擦り付けながら、刺激に耐えようとするがどうしようもなく、ばちゅばちゅと前立腺を押し潰される度、陰茎から勢いをなくした精が流れ落ちていく。

「お゛っ♡♡あ゛〜〜〜〜っ!!♡♡るーくっ、るっ♡♡むりぃ、♡♡くるしっ♡♡♡い゛っあ゛♡♡♡」

「っ、はぁ……本当に可愛い奴。体勢変えんぞ」

「あ゛っ♡♡ぬかないでっ♡♡」

 一度ずるっと陰茎を引き抜かれ、思わず媚びきった声が出る。されるがままにベッドへ押し倒され、あいつの腰に足を絡める。そのままごちゅっと結腸に先端がめり込んできて危うく飛びかけた。

「くっ、」

「〜〜〜〜っ!!♡♡♡」

 腹の奥であいつの陰茎からびゅくびゅくと精が吐き出された。余韻に喘ぎながら、腰をゆるゆると揺らす。

「まだバテんなよ?」

「っ!」

 耳元で熱っぽく囁かれ、首筋を噛まれる。痛みで意識を失えないまま容赦なく前立腺を突かれ、嫌な感覚がした。
 いやだ、このままじゃ漏らす!

「ん゛お゛っ♡♡あっ、ルーク、♡♡まっ、♡♡♡でちゃう、あ゛っ♡♡おしっこでちゃ♡♡♡」

「はーっ、……っく、見ててやるから出しちまえよ」

「ん゛んっ!♡♡ほん、とにでちゃうからっ♡♡ま゛♡♡やだぁ♡♡やだっ♡♡♡」

 自分の陰茎を握り締めなんとか出ないようにするが、抵抗も虚しく前立腺ごと膀胱を押し潰され、じょぼじょぼと色のついた液体が腹を汚した。

「あ゛〜〜〜〜っ!♡♡♡」

「っ、はぁ、えっろ……♡」

「やだぁっ♡♡♡やだ、とまって♡♡♡、そんな見ないでっ♡♡♡」

 辺りに独特なアンモニア臭が香って、恥ずかしいやら情けないやらで思わず泣きじゃくる。ぎゅっと抱き締められ、落ち着かせようとでもしているのか、あいつの大きな手が頭を撫でた。
 耳元で「大丈夫だから」と言われ、涙を舐め取られる。腕を背中に回し、抱きしめ返すとあいつはにっこり笑った。

「ちょっといじめ過ぎちまったな。ほらゆっくりしてやるから」

 言い切る前にナカの陰茎が動き出す。先程までの容赦ない責めとは違う、甘い甘い快感にあいつの背中に爪を立てた。

「はぁ♡♡♡あっ♡♡ルーク、♡♡るー、くぅ……♡♡♡」

「大丈夫か?」

「だいじょう、ぶ♡♡♡きもちぃっ♡♡♡あっ♡♡はらんなか♡♡♡ぜんぶきもちい……♡♡♡」

 どろどろに溶かされた思考の中、もう何を口走っているのかもわからなかった。でも、いいか。こんなに気持ちいいんだから。

「あっ♡♡孕むっ♡♡♡あかちゃ、できちゃう♡♡♡」

「っ、それいいな」

「あ゛〜〜〜〜っ♡♡」

 腹を撫でられながら、何度目かもわからない絶頂をキメる。
 いつの間にか朝日が差し込んできていて、あいつの太陽みたいな髪がキラキラ光っている。嗚呼、もう今日は動けないだろう。そう思いながら、意識を手放した。
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