ルクエド
オメガバース
ベッドルームの扉を開けると、予想通り果実のような甘い香りが部屋中に充満していた。フェロモンに持っていかれそうになるのをなんとか堪えながら、布の塊に声を掛ける。
「エド、ただいま」
「……おかえり」
布の塊から不機嫌そうな声が返ってきて、思わず吹き出す。エドはまだ慣れてないからか、巣作りが下手くそで微笑ましい。集められたシーツやらTシャツやらを掻き分け、中からむくれている彼を見付けると、ぎゅうっと強く抱き締めた。ふわりと甘い香りが漂い、くらくらする。
「……遅ぇよ、ばぁか」
「これでもなるべく早く帰ってきたんだぜ?」
首筋に吸い跡を残しながらそう囁けば、その度彼はぴくりと身動ぎをした。
「ん、抱けよ……」
半身を起こし、甘えるように擦り寄ってくる彼に我慢が効かなくなりそうになりながら「薬は?」と問うと、か細く「効かなかった」とだけ返ってきた。
そうだよな。お前、薬効きにくい体質だもんな。
「そんなに抱かれたい?」
「はっ、てめぇだって我慢の限界だろ?」
そりゃ、こんな美味そうな匂いを漂わせてたら襲いたくもなるだろ。色々な物が散らばったベッドに、なるべく優しく押し倒すと、鼻先が触れてしまいそうなくらいの近さで囁く。
「そりゃ、今すぐにでも抱きてぇけど」
「っ、なら早くしろよっ」
発情期で余裕のない彼はそう言うと、キスをせがむ様に鼻先を擦り付けてくる。……今のは危なかった。可愛すぎて飛ぶかと思った。
「後で文句言うなよ?」
「言わねぇからっ、抱いて……んんっ!」
言い終わる前に開かれた口に舌を差し込む。逃げ惑う舌を捕まえ絡めると、彼は目をぎゅっと閉じた。
甘い香りのする薄暗い部屋に、水音が響く。そのまま貪り尽くしてしまいたい欲求をなんとか殴り飛ばし、唇を離す。
「望み通り抱いてやるから」
熱っぽく囁いてやれば、彼は期待で身体を震わせた。ほんと、可愛い奴だ。首筋に吸い跡を残しながら、タンクトップの上からでも分かるくらい膨らんでいる胸の突起を指の腹で押し潰す。
「ん゛っ、うあっ!」
本当はすぐにでも直接吸い付いてやりたかったが、ぐっと我慢した。ほら、αにはαのプライドってのがあるだろ?とにかく、フェロモンにただ飲まれる訳には行かない。
胸の突起を指先でカリカリ刺激しながら匂いを吸い込む。甘い、ずっと嗅いでいたくなるようないい匂いだ。
「あっ、ん……あんま嗅ぐなっ」
「無理言うなって!こっちだってわりと余裕ないんだぞ?」
「んっ、うるせっ……なぁ、直接いじめてほしいっ」
「お前なぁ……」
自分からタンクトップを捲り上げる彼に、思わず眉間を押さえる。エドのことだから無意識なんだろう。本当にたちが悪い。
「わかったから……苛めてやるよ」
さらけ出された2つの突起を摘み上げ、ぐにぐにと押し潰す。待ち望んだであろう刺激に、彼はがくんと身体を揺らした。
「あ゛っ!」
「おら、こうされんの好きだろ?」
「んんっ、そこいじめられんのっ、すき♡」
すでに蕩けている彼の胸の突起に舌を這わせる。たく、こっちの気も知らないで。加虐心を煽られ、じゅるじゅるとわざと音を立てて吸い付けば、彼は一際高く鳴いた。
「ひぃっ、う!んんっ、あっ!」
「気持ちいいか?」
「んっ、いいっ♡」
舌先で凹みを穿ってやると、たまらないと言わんばかりに逃げようとするので身体で押さえつけてやる。彼も相当興奮しているのだろう。匂いが更に強くなってきた。
「んあっ!やだぁっ……♡」
「嫌じゃねぇだろ?」
「……ん゛っ!ばかぁっ♡あ゛っ!♡」
膨らんだそこに柔く噛みつけば、軽くイってしまったのか背を反らした。むしろこちらに胸を押し付けるような形になってしまっているのは無意識なのだろう。
可愛くてもっと苛めたくなるが、ここはぐっと我慢して。空いた手で股座を弄れば、ハーフパンツにまで先走りが染みているのがわかる。
「はぁ、えっろ……。腰浮かせられるか?」
「んんっ、わかった」
そう囁けば素直に言う通り腰を浮かせたので、そのまま下着ごとハーフパンツを脱がせてやる。既に勃ち上がった陰茎は先走りでびっしょり濡れていた。
「びしょびしょじゃん」
「うっせぇっ……」
「こっちもとろとろ。ひとりで触ってた?」
「はぁっ、あっ、言わせんなっ」
既に柔らかそうな後孔に指先を埋める。否定をしなかったあたり、図星なんだろう。問題なくずぶずぶと2本の指が飲み込まれていったのを見て確信する。
「俺のこと思ってた?」
「んんっ、だから言わせんじゃねっ」
顔を真っ赤にしながら怒る彼を宥めるようにキスを落とし、それでも否定をしない彼に思わずにんまり笑う。
本当、質悪いな。
「可愛い」
「うーっ、ばぁか……早く挿入れろよぉ」
「まぁ待てってば」
きゅうきゅう締め付けてくる後孔の感覚を楽しみながら、何度もキスを落とす。キスをする度にナカを締め付けてくるのがいじらしくて、そっと頭を撫でれば猫のように目を細めた。
指の腹で前立腺をぐりぐり押し潰すと、彼は背を撓らせる。その度に玉のような汗が肌を伝い、シーツへと落ちていく。
「あ、ん゛っ!♡♡♡」
十分解れているのを確認し、ゆっくり後孔から指を引き抜くと、サイドチェストに手を伸ばす。中からお目当てのゴムを取り出し袋を破いた。
「今ゴム着けるから」
「んっ、はやくっ」
己の手でぐずぐずになった後孔を拡げながら、誘うように彼は腰を揺らす。その姿に、ぎりぎりで耐えていた理性の糸がぶちりと音を立てて千切れた。
「お前っ!」
「あはっ♡挿入ってきたぁ♡」
「たく、ほんと質悪いな」
「んぎぃっ♡♡あ゛っ♡♡」
容赦なく一気に奥まで差し込めば、衝撃で果てたのか彼ががくがくと身体を震わせていた。目からぼろぼろ生理的な涙を零し感じ入る様に、更に煽られる。
「〜〜〜〜っ!♡♡♡」
快感から逃がれるように身体をくねらせる彼の腰を掴み、後ろから覆いかぶさると思い切り腰を打ち付ける。項に噛み付きたくなる衝動を何とか押さえつけ、何度も吸い跡を散らしていると、息も絶え絶えの彼が叫んだ。
「るーくっ、うなじっ♡♡噛んで欲しいっ♡♡」
「っ、いいのかよ」
「いいからっ♡♡噛んでっ♡♡」
噛んでくれと言われて、思わず揺らぐ。だって、それって番うってことだろ?俺でいいのか?という気持ちと、一思いに噛んでしまいたい衝動に揺れる。
「俺でいいのか?」
「んんっ!♡♡るーくがいい!♡♡」
「っ!」
嬉しくなって思わず彼を抱き締める。でも、彼は今正気ではない。少なくとも発情期で頭なんて働いてないだろうし、もしかしたらその内、運命の番なんてのが現れるかもしれない。
それで?もし現れたとして、俺はエドを渡せるのか?そんなの、答えはとっくに出ていた。
「あ゛ぁっ♡♡」
口の中に鉄の味が広がる。噛んだ瞬間、何とも言えない幸福感にも似た感覚を味わう。きっと、彼も同じなんだろう。きゅうきゅうとナカを締めながら、媚びきった嬌声を上げる彼に、容赦なく腰を打ち付ける。
「い゛、♡♡いってるからぁっ♡♡ん゛〜〜〜〜っ!♡♡」
「大事にするからな」
はっきり残った噛み跡にキスを落とし、吐息混じりに囁けばまたナカが締まった。
この瞬間から、彼は可愛い可愛い俺だけのΩになった。誰にもくれてやらねぇ。執着心を剥き出しにしながら、彼の奥で果てた。
ベッドルームの扉を開けると、予想通り果実のような甘い香りが部屋中に充満していた。フェロモンに持っていかれそうになるのをなんとか堪えながら、布の塊に声を掛ける。
「エド、ただいま」
「……おかえり」
布の塊から不機嫌そうな声が返ってきて、思わず吹き出す。エドはまだ慣れてないからか、巣作りが下手くそで微笑ましい。集められたシーツやらTシャツやらを掻き分け、中からむくれている彼を見付けると、ぎゅうっと強く抱き締めた。ふわりと甘い香りが漂い、くらくらする。
「……遅ぇよ、ばぁか」
「これでもなるべく早く帰ってきたんだぜ?」
首筋に吸い跡を残しながらそう囁けば、その度彼はぴくりと身動ぎをした。
「ん、抱けよ……」
半身を起こし、甘えるように擦り寄ってくる彼に我慢が効かなくなりそうになりながら「薬は?」と問うと、か細く「効かなかった」とだけ返ってきた。
そうだよな。お前、薬効きにくい体質だもんな。
「そんなに抱かれたい?」
「はっ、てめぇだって我慢の限界だろ?」
そりゃ、こんな美味そうな匂いを漂わせてたら襲いたくもなるだろ。色々な物が散らばったベッドに、なるべく優しく押し倒すと、鼻先が触れてしまいそうなくらいの近さで囁く。
「そりゃ、今すぐにでも抱きてぇけど」
「っ、なら早くしろよっ」
発情期で余裕のない彼はそう言うと、キスをせがむ様に鼻先を擦り付けてくる。……今のは危なかった。可愛すぎて飛ぶかと思った。
「後で文句言うなよ?」
「言わねぇからっ、抱いて……んんっ!」
言い終わる前に開かれた口に舌を差し込む。逃げ惑う舌を捕まえ絡めると、彼は目をぎゅっと閉じた。
甘い香りのする薄暗い部屋に、水音が響く。そのまま貪り尽くしてしまいたい欲求をなんとか殴り飛ばし、唇を離す。
「望み通り抱いてやるから」
熱っぽく囁いてやれば、彼は期待で身体を震わせた。ほんと、可愛い奴だ。首筋に吸い跡を残しながら、タンクトップの上からでも分かるくらい膨らんでいる胸の突起を指の腹で押し潰す。
「ん゛っ、うあっ!」
本当はすぐにでも直接吸い付いてやりたかったが、ぐっと我慢した。ほら、αにはαのプライドってのがあるだろ?とにかく、フェロモンにただ飲まれる訳には行かない。
胸の突起を指先でカリカリ刺激しながら匂いを吸い込む。甘い、ずっと嗅いでいたくなるようないい匂いだ。
「あっ、ん……あんま嗅ぐなっ」
「無理言うなって!こっちだってわりと余裕ないんだぞ?」
「んっ、うるせっ……なぁ、直接いじめてほしいっ」
「お前なぁ……」
自分からタンクトップを捲り上げる彼に、思わず眉間を押さえる。エドのことだから無意識なんだろう。本当にたちが悪い。
「わかったから……苛めてやるよ」
さらけ出された2つの突起を摘み上げ、ぐにぐにと押し潰す。待ち望んだであろう刺激に、彼はがくんと身体を揺らした。
「あ゛っ!」
「おら、こうされんの好きだろ?」
「んんっ、そこいじめられんのっ、すき♡」
すでに蕩けている彼の胸の突起に舌を這わせる。たく、こっちの気も知らないで。加虐心を煽られ、じゅるじゅるとわざと音を立てて吸い付けば、彼は一際高く鳴いた。
「ひぃっ、う!んんっ、あっ!」
「気持ちいいか?」
「んっ、いいっ♡」
舌先で凹みを穿ってやると、たまらないと言わんばかりに逃げようとするので身体で押さえつけてやる。彼も相当興奮しているのだろう。匂いが更に強くなってきた。
「んあっ!やだぁっ……♡」
「嫌じゃねぇだろ?」
「……ん゛っ!ばかぁっ♡あ゛っ!♡」
膨らんだそこに柔く噛みつけば、軽くイってしまったのか背を反らした。むしろこちらに胸を押し付けるような形になってしまっているのは無意識なのだろう。
可愛くてもっと苛めたくなるが、ここはぐっと我慢して。空いた手で股座を弄れば、ハーフパンツにまで先走りが染みているのがわかる。
「はぁ、えっろ……。腰浮かせられるか?」
「んんっ、わかった」
そう囁けば素直に言う通り腰を浮かせたので、そのまま下着ごとハーフパンツを脱がせてやる。既に勃ち上がった陰茎は先走りでびっしょり濡れていた。
「びしょびしょじゃん」
「うっせぇっ……」
「こっちもとろとろ。ひとりで触ってた?」
「はぁっ、あっ、言わせんなっ」
既に柔らかそうな後孔に指先を埋める。否定をしなかったあたり、図星なんだろう。問題なくずぶずぶと2本の指が飲み込まれていったのを見て確信する。
「俺のこと思ってた?」
「んんっ、だから言わせんじゃねっ」
顔を真っ赤にしながら怒る彼を宥めるようにキスを落とし、それでも否定をしない彼に思わずにんまり笑う。
本当、質悪いな。
「可愛い」
「うーっ、ばぁか……早く挿入れろよぉ」
「まぁ待てってば」
きゅうきゅう締め付けてくる後孔の感覚を楽しみながら、何度もキスを落とす。キスをする度にナカを締め付けてくるのがいじらしくて、そっと頭を撫でれば猫のように目を細めた。
指の腹で前立腺をぐりぐり押し潰すと、彼は背を撓らせる。その度に玉のような汗が肌を伝い、シーツへと落ちていく。
「あ、ん゛っ!♡♡♡」
十分解れているのを確認し、ゆっくり後孔から指を引き抜くと、サイドチェストに手を伸ばす。中からお目当てのゴムを取り出し袋を破いた。
「今ゴム着けるから」
「んっ、はやくっ」
己の手でぐずぐずになった後孔を拡げながら、誘うように彼は腰を揺らす。その姿に、ぎりぎりで耐えていた理性の糸がぶちりと音を立てて千切れた。
「お前っ!」
「あはっ♡挿入ってきたぁ♡」
「たく、ほんと質悪いな」
「んぎぃっ♡♡あ゛っ♡♡」
容赦なく一気に奥まで差し込めば、衝撃で果てたのか彼ががくがくと身体を震わせていた。目からぼろぼろ生理的な涙を零し感じ入る様に、更に煽られる。
「〜〜〜〜っ!♡♡♡」
快感から逃がれるように身体をくねらせる彼の腰を掴み、後ろから覆いかぶさると思い切り腰を打ち付ける。項に噛み付きたくなる衝動を何とか押さえつけ、何度も吸い跡を散らしていると、息も絶え絶えの彼が叫んだ。
「るーくっ、うなじっ♡♡噛んで欲しいっ♡♡」
「っ、いいのかよ」
「いいからっ♡♡噛んでっ♡♡」
噛んでくれと言われて、思わず揺らぐ。だって、それって番うってことだろ?俺でいいのか?という気持ちと、一思いに噛んでしまいたい衝動に揺れる。
「俺でいいのか?」
「んんっ!♡♡るーくがいい!♡♡」
「っ!」
嬉しくなって思わず彼を抱き締める。でも、彼は今正気ではない。少なくとも発情期で頭なんて働いてないだろうし、もしかしたらその内、運命の番なんてのが現れるかもしれない。
それで?もし現れたとして、俺はエドを渡せるのか?そんなの、答えはとっくに出ていた。
「あ゛ぁっ♡♡」
口の中に鉄の味が広がる。噛んだ瞬間、何とも言えない幸福感にも似た感覚を味わう。きっと、彼も同じなんだろう。きゅうきゅうとナカを締めながら、媚びきった嬌声を上げる彼に、容赦なく腰を打ち付ける。
「い゛、♡♡いってるからぁっ♡♡ん゛〜〜〜〜っ!♡♡」
「大事にするからな」
はっきり残った噛み跡にキスを落とし、吐息混じりに囁けばまたナカが締まった。
この瞬間から、彼は可愛い可愛い俺だけのΩになった。誰にもくれてやらねぇ。執着心を剥き出しにしながら、彼の奥で果てた。