ルクエド



「くそっ、変態!」

 そう吐き捨てるように言いながら、目の前でにやにやしているあいつに蹴りをいれる。が、足を掴まれ大きく開かされてバランスを崩し、そのままソファに押し倒された。

「似合ってんぜ?子兎ちゃん」

「しねっ!」

 俺は今、恋人に安っぽい黒い衣装……俗に言うバニーの衣装を着させられていた。ブラウンのタイツなんかも履かされて、慣れない感覚に羞恥心を煽られる。
 抵抗しろって?抵抗しようにも、力じゃ前腕化け物のあいつに敵うわけがないんだからどうしようもないだろ。
 こんなんばっかじゃねぇか、と悪態を吐きながら、なんとか押し返そうとするが、なんの抵抗にもならなかった。

「チクショウ、どけよ!」

「はぁ?まだまだこれからだろ?」

 にやにやとニヤけるあいつの頬をつねるが、特に気にすることなく白い尻尾のついた尻を、心許ない布越しに撫で回され鳥肌が立つ。それだけで、気持ちいいことをたくさん覚えさせられた身体が熱くなって嫌な気持ちになった。
 
「っ、んん……」

「はは、色っぽい声」

「はぁっ、うるせぇな……んっ」

 身体を撫でまわしていた手が、緩やかに主張する2つの胸の突起に伸びる。思わずぎゅっと目を瞑り、刺激に耐えようとするが無駄な抵抗だった。
 やわやわと胸全体を揉みしだきながら、布越しに突起を摘まれ思わず声が漏れる。

「んんっ!やぁっ……」

「なんやかんやいつもノリノリだよな」

「あうっ、そんなことっ!ない……っ」

「そういうところ、好きだぜ」

「っ、……それ、今言うなっ!」

 熱の籠った声で不意に好きと言われ、顔がかっと赤くなるのがわかった。恥ずかしい。
 きっとちょろいと思われてるんだろう。でも、つい言うことを聞いてしまうくらいには俺だってアイツのことが好きなんだ。

「顔赤くして……可愛いな」

「うるせっ、ばぁか」

 ぎゅっとしがみつきながら耳元で小さくそう言えば、ははっと笑われた。殺意がわきつつも、おもむろに突起を押し潰され身体が跳ねる。

「はあっ、んんっ!」

「乳首触られんの好きだなあ。気持ちいいか?」

「っ、別に、そんなんじゃ……」

 心許ない布をぺろっと捲られ、直接突起を苛められる。指で弾くように触られ、先っぽがじくじくと疼いてしょうがない。

「んっ、うぅ……んーっ!」

「声、我慢すんなよ」

 熱っぽく耳元でそう囁かれ、恐る恐る口を開いた。突起を潰される度、あ、だとかやぁ、だとか女みたいな嬌声が漏れ出て嫌になる。
 
「はぁ、……ぁっ、あぁ!」

「そうそう、声出した方が気持ちいいからな」

 ぢゅっとわざとらしく音を立てながら突起を吸われ、しがみついた指先に力が籠もる。ぞわぞわと鳥肌が立って、舌先で転がされればもう駄目だった。

「やだ、っ!んあ……、っ、ああ……!」

「っ、はは、可愛いな」

「うるせっ、やぁっ、……あっ」

 認めたくないが気持ちがよくて、そこだけですぐぐずぐずになってしまう。
 膨らんだ股間が窮屈でしょうがなくて、耳元で「股間が苦しい」とだけ言えば、あいつはいやらしく笑った後、股の布を横にずらした。
 ついでにタイツも破られ、ぶるんと半勃ちになった陰茎が飛び出し、なんとも言えない気分になる。

「はぁっ、えろ……」

 呟くように吐かれた言葉に、かっと顔が熱くなる。こんな惨めな格好でも興奮してくれているのが嬉しくて、思わずキスを強請った。
 ちゅっと唇に吸い付けば、そのまま貪るように食いつかれ、口内に厚みのある舌が侵入してきて舌を絡め取られる。恐る恐る応えるように舌を絡めると、ふふっと微笑まれた。

「はぁっ……、んん、っ……んっ、ふっ」

 目を瞑り、そのまま夢中で貪られていると、温かい手が陰茎を握り込む。そのまま先走りを絡めてちゅこちゅこと音を立てて扱かれ、直接的な刺激に身体が跳ねた。

「ぷはっ、ああっ!んあっ、ひぃっ!ぅ、!」

「よしよし、気持ちいいな」

「っ、んんっ、あ、ぅっ……ああっ!」

 可愛いだのなんだの熱っぽく囁かれながら、あいつの手に翻弄される。先端をいたずらに擽られ、慣れない刺激に思わず反り返り感じ入る。身体が熱い。それこそ溶けてしまいそうなくらいに。
 嗚呼、ルークに溶かされるならそれでいいか。

「あ、ん!ぅ、あっ……いくっ、イッちゃうから、!手ぇとめろって!」

「ん、イッていいぜ?」

「ばかっ、やろっ、ああぁぁっ!」

 無慈悲に先端を擦られ、びゅくびゅくと勢い良く精を吐き出す。ふわふわとした余韻に浸っていると、ぎゅっと抱き締められた。首筋を齧られ、まるで肉食動物に食べられてしまうようなそれに、身体が震える。痛みと微かな快感に無意識に揺れる腰を止めることが出来ない。

「ふぅ、ふぅ……」

「はは、エロい顔」

「うるせっ……、」

「なぁ、子兎ちゃん……次はどうされたい?」

 脳に直接響かせるように囁かれ、思考が蕩けていく。疼く腹の奥に刺激が欲しくて、殆ど無意識に自分の腹を撫でる。切なくて後孔をきゅうっと締め付けながら、縋り付くように抱き着き呟いた。

「はぁ、……後、欲しい」

 あいつはふふ、と微笑むと「了解」と答え、ポケットから小袋のローションを取り出した。口に咥え器用に袋を開ける様をついまじまじと見てしまって、恥ずかしくなって思わず目を逸らす。
 嗚呼、これから抱かれるんだ。期待にひくつく後孔にローションに塗れた指を添えられ、息を吐いた。

「っ、ぅあっ……、んっ!」

 あいつの太い指が、ゆっくりと挿入ってくる。圧迫感と異物感が多少あるが、望んだ刺激に後孔が歓喜するのがわかった。
 あいつが色っぽい声で「締め付けすぎ」と囁いてきて、かぁっと顔が熱くなる。

「っ!……だって……!」

「だって、なんだ?」

 意地悪く問われ、逃げたくてしょうがなくなった。でも、逃げない。逃げたくない。
 あいつの目をしっかり見つめながら「早くお前のが欲しい」と吐息混じりに呟けば、あいつの目が獣のようにギラついたのがわかった。

「お前なぁ……、加減出来なくなるだろ」

「っ、はぁ、もとより加減なんか出来ねぇ癖に!……あぅっ!」

 指がゆっくりと拡げるように動く。ぐちぐちと、粘着質な音が部屋に響いて、耳を塞ぎたくなった。
 煽られる癖に、ちゃんと拡げてくれるあいつにトキメキを覚えながらキスを強請る。
 好きだ、と心の中で思いながら、口内に差し込まれた厚い舌になんとかついていこうと絡ませた。

「ふぁっ、♡……はぁっ、んんっ!ちゅ、♡んあ……っ!」
 
「っ、はぁ……、もうちょい拡がってから、な?」

 そう呟きながら、ナカのしこりを押し潰されて目の前がチカチカと明滅した。自然と縋り付く指先に力が入る。気持ちがいい。押し出されるように、陰茎からぴゅくっと精が漏れ出した。

「あ゛ぁっ!♡う゛ん゛、やぁっ♡あっ!」

「可愛いな」

「かわいくな、いっ!ん゛ん゛っ!あん♡やばっ♡またいくっ♡」

 理由もわからず喘ぎながら、じくじく疼く奥を早くいじめて欲しくて腰を揺らす。
 イきそうになりながら、それでも我慢しようと奥歯を噛みしめるが、追い立てるように前立腺を押し潰されて、バチバチと背筋を電流が駆け巡った。

「おら、イっちまえ」

「っ〜〜〜〜!!♡♡♡」

 身体を弓なりに反らしながら、二度目の絶頂をキメる。気持ちがいい。こんなの戻ってこれなくなる。
 後孔をきゅうきゅう締め付けながら、余韻に浸る暇もなく2本目の指が挿入され首を横に振った。

「ひぃっ、♡♡あ゛あっ♡♡やあっ、ぅっ、」 

「よしよし、気持ちいいな」

「きもちいっ♡♡きもちいからっ♡♡♡ああっ♡♡」

 口から勝手に声が出る。うわ言のように気持ちいいと繰り返しながら、あいつの服に鼻先を擦り付ける。ふわっと少し汗の匂いが鼻腔を擽って、それにさえ興奮した。
 太い指がじゅぽじゅぽ音を立てて出し入れされる。おかしくなりそうなくらい気持ちよくて、ほんの少しだけ怖くなった。

「あぁっ♡んんっ!♡♡ケツ、おかしくなるっ♡♡」

「指でそんなこと言ってたら持たないぜ?」

 あいつがチャックを下ろし、陰茎を取り出す。ぺち、っと音を立てて腹に乗せられ、その大きさに驚く。先走りに濡れたそれを何度も見ているはずなのに、そうされると自分のモノより大きいのが良くわかった。

「はぁっ♡♡はあっ!♡♡あ゛っ♡♡」

「はは、物欲しそうな顔しやがって」

 指をゆっくり引き抜かれ、後孔が収縮するのがわかる。早く欲しい。奥まで暴いて、突いて欲しい。
 ぎゅっとしがみつきながら、腰を揺らした。教えられたように、あいつの目を見つめながら「早くお前のが欲しいんだよ」と囁くと、がっとソファに押さえ付けられて、そのまま後孔に陰茎を押し付けられた。

「後悔すんなよ?」

「はぁっ♡……上等だ、来いよ」

 誘うように腰を揺らしながら、わかりやすく挑発する。ゆっくりと、あいつのバカでかい陰茎が後孔に飲み込まれていく。息を止めないように気をつけながら、それを受け入れていった。

「あ、あ♡♡おっきいっ♡♡」

「っきっつ……」

 最悪までゆっくり時間を掛けて挿入され、じわじわと幸福感に支配される。
 疼いてしょうがなかった腹の奥も、でかい陰茎を喜び受け入れていた。きっと、俺はもうルークがいなければ生きていけないんだろう。そんなことまで思っていると、崩れた前髪を手で掻き分ける姿に雄を感じ、思わずきゅうきゅうとナカを締め付けた。

「っ?今締まったな」

「はぁ♡♡うっせぇ……っ♡♡」

 かっこいいなんて思ってしまった自分を恨みつつ、あいつの背中に腕を回す。陰茎の大きさに慣れるまで眉間に皺を寄せながら待ってくれているあいつにキスをせがみ、誘うように腰を動かす。

「……たく、何処で覚えてきたんだよ」

「はっ、誰が話すかよ♡ああっ♡」

 ゆっくり引き抜かれていく陰茎に喘ぎながら啄むように唇を重ねた。
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