30歳ルク✕12歳エド
その日もエドは俺の家にいた。
なんでも、親代わりのバイソンが今日は帰ってこないらしい。本人から泊めてやってくれ、なんて言われたら断れなかった。
俺達が爛れた関係なのを、バイソンは知らない。信頼されているのは良いことだけども、なんて思いながら罪悪感に胸がチクチク痛む。
「ルーク、風呂出たぞ」
風呂に入っていた彼が上がってきた。頭を撫で回しながら「おう、髪の毛ちゃんと乾かしたか?」なんて聞けば、口を尖らせながら彼が言う。
「バイソンみてぇなこと言いやがって、ちゃんと乾かしたっての」
ほこほこと温かい身体をぎゅっと抱きしめれば、俺のシャンプーの匂いがふわっと香った。普段とは違う彼の匂いに、つい興奮する。
「はぁっ、あったけぇ」
「やっ、嗅ぐな!」
「嫌だ」
もっと嗅いでいたくて、首筋に顔を埋める。少し汗ばんだ肌を舐めれば、彼はぴくっと身体を跳ねさせた。
嗚呼、可愛い。跡を残したくなる気持ちをぐっと抑え、顔を離す。
「もういいのか?」
「食いたくなるから駄目」
今一歩意味がわかっていないのか首を傾げる彼に、ふふっと微笑みかけ、可愛い奴だななんて思いながら頭を撫でる。
「?」
「なんでもねぇよ」
抱き上げながら頬にキスを落とす。少しテレビでも見て寝かしつけるか、とソファに座らせると、裾を掴まれた。
「ルーク、……今日はしねぇの?気持ちこと」
「ん゛っ!」
そう言われ思わず変な声が出る。言ってる意味わかってんのか?なんて思いつつ頭を抱えていると、答えが帰ってこないのを不思議に思ったのか彼が腰回りに抱きついてきた。
「てっきりするのかと思った。……俺、おかしいこといった?」
上目遣いで目をうるうるさせながら言う彼に、魔性と言う言葉が頭をよぎる。そんなこと言うなよ。また手を出してしまいたくなるだろ。なんて思いつつ言い聞かせる。
「あれは好きな人とすることだから駄目だ」
「俺は、先生のこと好きだ。先生は俺のこと嫌い?」
今にも泣きだしそうな顔でそう続ける彼に、ぎゅっと胸が痛くなる。嫌いな訳ないだろ。好きだよ、ちゃんと。でもいけないことなんだよ。
「俺達って、恋人じゃねぇの?」
「っ、俺は……」
「……ごめん、困らせた」
いい子にするから、なんて呟きながら離れていくもんだから、隣に座ってぎゅっと抱きしめる。腹を括る時だ。ずっとこのまま誤魔化し続けることなんて出来ない。
「エド……聞いてくれ。俺はな、ちゃんとお前のことが好きだ。付き合おう」
「っ!」
ずずっと鼻を啜る音が聞こえる。泣かせちまったな。なんて思いながら頭を撫でていると、彼がぎゅうっと抱きしめ返してきた。
「ルーク、俺も好き」
「ありがとう。でも他の人にはまだ内緒な」
「……うん」
こくんと頷いた彼が健気で可愛くて、つい唇にキスを落とす。ずっとこのままくっついていたい。子供特有の体温の高さに、彼も生きているんだと安心する。嗚呼、墓まで持っていくつもりだったのに、言っちまったな。
「なあ、きもちいいこと、しよ?」
「っ、エロガキ」
「うっせぇ、教えたのはてめぇだろ」
まだまだ軽い彼を持ち上げ、ベッドルームへ運ぶ。大人しくしがみついてくる彼に思わずにやけながら、扉を開けると、シーツの海にそっと降ろす。
「ルーク……キスして」
「はいはい」
小さい舌をつき出しながらそう言う彼を押し倒し、その舌にしゃぶりつく。逃げようとする舌を絡め取り、舌先で味わえば上擦った声が隙間から漏れ出た。
「んんっ、はぁ……」
「可愛いな」
「せんせ、……っ」
ちゅうっと音を立てて唇を吸う度、ぴくりと身体が跳ねた。パジャマ代わりに貸した少し大きいTシャツを捲り上げ、可愛らしく震える突起を撫でれば擽ったそうに彼が笑う。いつかここだけで気持ち良くなれるようにしてやろうなんて思いつつ、傷つけないように指の腹でなぞった。
「ふふ、擽ってぇよ」
「擽ったい場所って、性感帯なんだぜ?」
「せいかん、?」
「気持ち良くなれる場所ってこと」
「……ばぁか」
言葉の意味がわかった途端、かあっと顔を赤くする彼が可愛くて思わずぎゅうっと抱きしめる。首筋に顔を埋めると、すうっと匂いを肺いっぱいに吸い込んだ。
「あんま吸うなって」
「嫌だ、すごく興奮する」
「変態!」
そう言いながら手でなんとか押し返そうとしているが、その手に力は入っていない。股間で主張している物の存在に気付いて、耳元で囁いた。
「その変態相手に興奮してんのは誰だよ」
「っ!」
汚れちゃ困るだろうからって、ハーフパンツを下着ごと脱がせると、勃ち上がった陰茎が空気に触れた。まだ皮の被っている可愛いそれに手を這わせる。
「うるせぇっ!悪いか!」
「悪くねぇよ。俺もそうだし」
先走りを手に絡め軽く扱いてやれば、刺激が強いのかきゅうっとしがみついてきたので微笑ましく思いつつ、胸の突起に舌を這わせる。感触に驚いた彼があっ、と声を上げた。
「っ、ぅ……あぅ、」
「気持ちいいか?」
「んっ、わかんな、いっ!」
「わからないかぁ」
陰茎を刺激しながらちゅうっと淡い色の突起に吸い付き、味わうように転がせば、彼はその都度ぴくぴくと身体を跳ねさせた。どこもかしこも美味くて、汗ばんだ肌をよく味わう。
「せんせ、来ちゃう」
「イクって言うんだよ」
「うぅ、あっ!いく、イク!」
瞬間、一際大きく身体を跳ねさせ、ぴゅるっと精を吐き出した。肩まで赤く染めならが、ぜぇぜぇ肩で息をしている彼が落ち着くのを待っていると、起き上がった彼が近寄ってきた。
「るーくも、気持ちよくしたい」
「っ!してくれるのか?」
「ん、やる」
チャックを下ろし勃ち上がった陰茎を取り出せば、どうすればいいのか分からない様子で上目遣いで見てくるので頭を抱えた。
「どうした?」
「いや、なんでもないよ。エドは自分の、触ったことあるか?」
「……す、少しだけ」
「じゃあ同じように触ってくれればいいよ」
怖ず怖ずと小さい手が触れてくる。擽ったいような、焦れったいような、なんとも言えない感覚に思わず呻く。
「うっ、もう少し強く出来るか?」
「こう?」
「はぁっ、そうそう……上手いな」
真剣な顔で陰茎を扱く彼の頭を撫でながら褒めれば、嬉しそうに笑うもんだから、可愛くて思わず出そうになった。
「……気持ちいい?」
「ん、良いよ。そろそろ出るぞ」
「わっ、」
勢い良くびゅくびゅくと精を吐き出す。彼の手を俺の白濁が汚していて、嗚呼、エロいなとぼんやりした頭で思う。ティッシュでそれを拭き取りながら、トロンとした顔のままの彼に言う。
「大丈夫か?」
「ん、だいじょぶ……ねぇ、せんせ……こないだのして欲しい」
彼はぼそぼそと呟くと、そのままコロンと寝転んだ。「こないだの?素股のことか?」と聞くと、小さく頷いた。
「……そのまま後ろ向けるか?」
「ん、わかった……これでいい?」
のそのそと後ろを向き、尻を少し上げた彼の腰を掴み、ゆっくり太腿の間に陰茎を挟みこむ。まるでナカに挿入でもしているようで、頭がくらくらした。
先走りの滑りを借りながら、ゆっくり脚の隙間に陰茎を抜き差しする。
「っ、はぁ……これやべぇな」
「あっ、せんせ……んんっ、これ、ちんこ擦れる」
「気持ちいいか?」
「はぁっ、あっ……うん、きもちいっ」
跡を付けないように気をつけながら、首筋にキスを落とす。興奮して、さっき出したばかりなのにすぐにでも出てしまいそうだった。
可愛い可愛い、俺だけの教え子。両思いだとわかっても罪悪感はある。だって、許されるわけがない。
「っ、せんせぇ……んう、またイクっ、」
「可愛いっ」
「せんせっ、あぁっ……せんせ、いっ!」
自分の陰茎で彼のを刺激しながら、腰を打ち付ける。ぱんっと乾いた音が部屋に響き渡った。はぁはぁと息を吐きながら、夢中で貪り食う。
「ん〜〜〜っ……いってるからぁ、とまってっ」
「っ、もう少しだから」
「ちんことけちゃうっ、あっ、ぁ〜〜〜っ!」
悲痛な声を上げながら、彼が何度目かもわからない絶頂を迎える。そのまま擦り付けると、しょわっと音がして、特徴的な臭いが辺りに漂った。漏らしたのか、と思わず興奮する。
「ばかぁ、あぁっ!んんっ」
「はあっ、うっ」
覆い被さり、後ろからぎゅうっと抱き締める。そのままびゅくびゅくと精を吐き出し、彼の腹とシーツを汚した。
余韻を味わいながらゆっくり引き抜くと、彼の身体から力が抜ける。
「はーっ、はーっ……せんせのばかぁ」
涙目でこちらを振り向く彼の額にキスをしながら、これはもう一度風呂の入り直しだな、とぼんやり思った。