エド受け


 どうして俺はまたこの廃屋に来ているのだろう。
 ふと気付けばあの気持ちの悪い触手の化け物に襲われた廃屋の前に立っていた。ここに来る間の記憶はなく、つい先程までいつも通り駅の柵に腰を掛け、仲間の連絡を待っていたはずだ。
 自分の意志ではなく誰かに身体を乗っ取られた様な感触に、碌でもない昔の記憶を思い出して吐き気が込み上げる。なんとか抗おうと藻掻くが、その甲斐も虚しく腕が勝手に飾り気のない扉に手をかける。
 室内に入れば、カビ臭い匂いの中に微かになんとも言えない甘い匂いが漂っていて、何故だか身体がカッと熱くなる。
 奥まで足を踏み入れたところで、身体の自由が戻った。
 悪い夢を見ているのではないかと頬をつねるが、やはり痛みがある。逃げるなら今しかないと出口へ走り出そうとすると、眼の前の常闇からぬるりと粘液に濡れた触手が現れ両脚を絡め取られた。バランスを崩し、そのまま固い床に倒れ込む。来るであろう痛みに耐えようと目を瞑るが、いつまで経っても衝撃はなく、代わりにヌトヌトとした嫌な感触が素肌に纏わりついてくる。恐る恐る目を開ければ、太い触手達がクッションのように寄せ集まっていた。
 何故、と思う間もなく別の触手に両手を拘束され、不思議と逃げようと言う気持ちは何処かへ行ってしまっており、なすがままに膝立ちのような体勢にされる。
 触手から香っているのか、甘い香りが強くなった。その香りを嗅ぐ度、身体が前回の快楽を思い出し頭がくらくらする。

「ぁっ、……んんっ」

 素肌を撫でる感覚に耐えていると、身体を弄っていた触手が胸の突起へと触れ思わず声が漏れる。触手達が焦らすように輪郭をなぞりあげ身体が震えた。
 太い触手がゆっくりと近付いてくる。先端が十字に割れ、細かい突起がびっしりと付いた中身が見えた。
 あんな物で胸の突起を弄られたら、と思わず身を捩るがガッチリと固定された身体ではどうすることもできなかった。

「んあっ、嫌だっ!そんなの……っ、あ゛あ゛っ!やぁっ!う゛う゛〜〜〜っ!」

 そのまま無防備な突起にかぶり付かれ、直接的な快感に思わず喉を晒して泣き叫ぶ。人にはとてもじゃないが真似できない、蠢く突起たちに押し潰されるように蹂躙され、未知の感覚に奥歯を噛みしめた。

「ぐぅっ……!あ゛っ!」

 突然チクリと何かが刺されたような痛みに驚いて声が漏れる。瞬間、突起がじくじくと熱を持つ。そう言えば前回も同じように何かを刺されたな、とぼんやり思った。

「んん、やぁっ……くすぐってぇ……」 

 優しく撫でる様な動きに背筋がゾワゾワする。思わず胸を突き出すような体勢になり、まるで自分から強請っているようで恥ずかしさからカッと顔が熱くなった。
 焦らされているような感覚にもじもじと身体を動かす。すると、急に吸い付く様な動きに変わる。また違った刺激に達しそうになるのを耐えようとするが、その甲斐も虚しくすぐに絶頂を迎えた。

「もっ、無理っ!ああ〜〜っ!!」

 首を横に振りながら、何も出ないのにと思うが、触手の考えることなんてわかるわけがない。絶頂の後のふわふわした感覚に酔い痴れていると、胸全体が熱を持ち出す。未知の感覚に戸惑っていると、胸の突起から何かが溢れ出す様な感覚に襲われた。それをじゅるじゅると音を立てて吸われ、気持ち良さに目眩がする。

「あ゛っ、なんだこれっ!んぐっ、ああっ!」

 触手の隙間から乳白色のさらさらした液体が流れ落ちていく。それが何なのか自分にはわからず、ただただ恐怖だった。うっすら残る前回の記憶でもそうされた気がする。
 交互にじゅっと吸われ、思わず身体を反らした。

「や゛あ゛っ、んんっ、すわないでっ……おかしくな、るっ……」

 吸われる度、頭がおかしくなるんじゃないかと思うくらいの快楽に襲われ思考が蕩けていく。ただ喘ぐことしか出来ず、口の端からは涎が流れ落ちていた。

「ん゛っ、わかんなくなるっ!……あ゛っ、ぐぅ!」

 その流れ落ちていく涎を啜るように細い触手が顔を這いずり回る。
 ふと、眼の前に性器のような形をした触手が差し出された。

「っ!」
 
 前回喉の奥を嬲られたのを思い出し、口を開けないよう食いしばる。だが唇に粘液を擦り付けられ、他の触手に鼻を摘まれ息ができず結局口を開く羽目になった。
 一気に喉奥まで差し込まれ、反射的に吐き気が込み上げる。

「ん゛ん゛〜〜〜っ!!」
 
 胃液がせり上がって苦しくてしょうがないのに、胸をしゃぶられて気持ち良くて頭の中がぐしゃぐしゃになる。喉を苛められる度身体を震わせた。

「ぐっ、う゛う゛〜〜〜!んんっ、ん゛」

 いつの間にか下も脱がされていて、触手にスキニーや下着が引っ掛かっていた。触られてもいないのにすでに何度か達しているせいか、白濁とした液体が絡んでいるのを、細い触手達が丹念に舐め取っている。
 喉を苛めていた触手が震えたかと思うと、熱い液体を吐き出される。触手達が漂わせる甘い香りと同じ味のそれをゆっくり飲み下すと、腹がカッと熱くなった。

「はぁっ♡♡ん゛ん゛っ♡♡う゛ん゛っ、♡♡」

 もっと欲しくて、恥も捨ててしゃぶりつく。じゅぷじゅぷとはしたない音を立て出し入れされる触手に吸い付きながら喘ぐ。
 肌を這いずり回っていた細い触手たちが、後孔に群がった。尻たぶを拡げられ、後孔が引く付くのが見ないでもわかった。ヌルヌルとした粘膜を纏った触手がゆっくりと挿入され、期待に息が上がる。
 喉の奥で二発目の液体が放たれた。気管に入りかけ噎せながらも飲み下せば、そのまま口を塞いでいた触手が引き抜かれた。

「――――っ!!♡♡ああっ♡♡はーっ……♡♡んんっ♡♡」

 後孔に挿入された触手達がそこを拡げるように蠢く。奥が疼いてしょうがない。切なくてきゅうきゅうと締め付けてしまう。
 いつの間にか陰茎は細い触手達で埋め尽くされ、出した端から吸いつくされていた。

「んあっ♡おくぅ……♡♡はやくほしいっ♡♡はーっ……♡」

 口から涎が垂れる。舌を突き出しながら感じ入れば、孔を拡げていた触手達が一気に引き抜かれ、何度目かもわからない絶頂を迎えた。
 息をつく暇もなく、男性器のような形をした、それでいてボコボコと瘤のある触手が勢い良く挿入され、堪らず反り返り喉を晒す。

「あ゛あ゛あ゛〜〜〜〜っ!!♡♡♡」

 鍛え抜かれた腹がぽこっと膨らみ、深くまで挿入されているのが見てわかる。頭が壊れてしまいそうな快感に、涙を流しなからイキ散らした。

「お゛っ♡♡♡こわれりゅ♡♡♡ああっ♡♡」
 
 ゆっくり引き抜かれるのさえ気持ちよく、口から喘ぎ声が勝手に溢れ出す。ボコボコとした凹凸が引っかかる度、とんでもない快楽に眼の前が明滅する。
 ギリギリまで引き抜かれると、そのまま力任せに最奥まで差し込まれ、暴力的な刺激に意識が飛びかけた。
 
「ぎぃ〜〜〜〜っっ♡♡♡ぐぁっ♡♡ん゛あ゛っ♡♡しんじゃう♡♡しんじゃう♡♡」

 ぐぽぐぽと嫌な音を立てて触手が結腸に入り込み、その衝撃で飛びかけた意識が戻って来る。繰り返される悪夢のような責めに頭を振って耐えようとするが、何にもならなかった。

「がぁっ♡♡♡きもちぃっ♡♡♡だめなとこっ♡♡はいってりゅから!♡♡ん゛お゛っ♡♡むりぃっ!♡♡♡しんじゃう!♡♡♡たすけて♡♡♡」

 誰に言うでもなく助けを求めるが、助けてくれる人なといるわけもなく……。
 薄暗い廃屋の中に、獣のような叫びがただ虚しく響くだけだった。

「ぐお゛っ♡♡あ゛あ゛〜〜〜〜っ!!♡♡♡きもちいっ♡♡♡だめんなる♡♡」

 最奥に熱い液体を吐きかけられ、気持ちよさに思わず笑む。腹が膨らむくらい吐き出され、息をするのも苦しい。犬のようにはっはっと息を吐き、項垂れる。
 栓のようになっていた触手を勢いよく引き抜かれ、後孔からごぽごぽと白濁とした液体を吹き出した。

「お゛お゛――――っ!!♡♡♡」

 後孔がひくひくと引くつく度何度かに分けて吐き出される白濁を眺めながら意識が薄らいでいく。
 遠くに人影が見えたような気がしたが、ぼんやりとした視界では良くわからなかった。
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