主♂エド



「え、今なんて?」

「だから12だか13って」

「んんん?」

「なんだよ」

「いや、薄々思ってはいたんですけど、直接言われると衝撃がね?」

「今更何言ってんだ」

 そんな話をしてから、どんなに誘っても手を出されなくなった。
 あんなに会う度会う度まぐわっていたのに突然だ。どう考えても、年齢の話をしたからに決まってる。大事にされている、というのは言葉の端々からわかるのだが、そういう流れになっても手を出されないと言うのはやっぱり寂しさがある。
 だって、もう今更だろ。誰のせいでこんな身体になったと思ってるんだ。

「あの野郎、馬鹿にしやがって」

 拳を強く握り締めながら、疼く腹を撫でる。お預けをくらっているせいか、あいつのことを思い浮かべるだけで腹が疼くようになってしまっていた。
 自分ではどうにもできないのが辛くて、柄にもなく涙がポロポロ落ちていく。
 立ち上がり、テーブルの上に置いていた鍵を雑にポケットに入れる。深夜なら、あいつも寝てるだろう。そう思いながら部屋を飛び出した。



 なるべく音を出さないように扉を開けると、ぐっすり寝てるあいつに忍び寄る。

「……?師匠?」

 嗚呼、起きやがって。そう言えばお前も眠り浅いんだったな、なんて思いながら、何か行動を取られる前にサイコパワーで縛り付ける。

「えっ?なん、どうしたんですか?」

「お前は黙ってろ」

 下着ごとスラックスを下ろすと、目の前に萎えきった陰茎が現れた。はぁ、と息をかければ少し反応を示したあいつのそれを口に含んだ。

「ちょっ、なんでっ」

「はっ……黙って見てろよっ、ばぁか!」

 玉を揉みしだきながら裏筋を舐れば、あっという間に勃ち上がるそれにいい気になる。溢れ出した先走りを舐め取り、咥えられるだけ咥えた。久々だからか顎が痛い気がするが気にせず啜ると、耐えられなかったのかあいつが小さく声を上げた。

「っく」

「きもちい?」

「咥えながら喋らないでくださいって」

 気持ちよくなってくれる様、精一杯尽くす。喉奥まで咥えこむと、わざとらしく音を立てながら出し入れをした。

「んんっ、ふっ……んん」

「っ、はぁ……上手になりましたね」

 頭を撫でられながらそう言われ、思わず身体が震える。じゅるじゅると音を立てて先走りを啜れば、あいつの身体がびくっと跳ねた。苦しくてしょうがないはずなのに、喉の奥を突かれる度興奮する自分がいて困惑する。

「喉絞めて、そうそう……偉いですね」
 
「んぐっ、お゛っ」

 嘔吐きそうになりながらも喉の奥まで受け入れ、出し入れを繰り返す。あいつの顔を見上げれば、雄臭い顔でこちらを見つめていて、腹の奥がきゅんと疼いた。
 早く抱いて欲しくて脚と脚をこすり合わせる。気付いているだろうに、やっぱり手を出してこないあいつに寂しさを抱きながらも、吸い上げればそのまま口の中でびゅくびゅくと精を吐き出した。

「かはっ、ごほっ……はーっ、んんっ」

 軽く噎せながら粘度の高いそれをゆっくり飲み下していく。相変わらず不味い。青臭いにおいが口いっぱいに広がって不快だ。でも、あいつのだと思うと不思議と気にならなくなった。
 飲みきると、あいつの方を向いて口を開ける。

「良くできました」

「っ♡」

 頭を撫でながら熱っぽく呟かれ、それだけで危うく達しかけた。力の入らない足に気合を入れ、膝立ちになるとそのままあいつの上に跨る。

「っお前はそこで見てろ」

 指を舐め、ゆっくり後孔に這わせ、飲み込ませていく。連日散々自分で弄っていたせいか、そこは柔らかくすぐ2本の指を飲み込んだ。

「ふっ、うぅ……んんっ」

 耐えられず思わず声が漏れる。良いところに触らないように気をつけながら、入口を拡げるように動かせばぞくぞくと鳥肌が立った。
 あいつのパーカーをぎゅっと握り締め、快感の波に耐える。余裕そうに微笑むあいつに腹が立って腰を突き出すと、孔を見せびらかすように拡げてやった。

「っ、」

「はっ、こう言うの好きだろ?」

「あんま煽らないでくださいよ」

 見せびらかしただけですぐ余裕がなくなる姿に満足感を覚えながら、指を引き抜くとあいつの陰茎を後孔に押し付ける。
 自重でずぶずぶと挿入ってくる久々の感覚に、腰が抜けそうになりながらもなんとか耐える。
 あいつの陰茎をなんとか腹に収めれば、久々のそれに満足感で脳が溶けそうだった。
 ついきゅっと締め付ける度、あいつが呻いておもしろい。

「はぁーっ、はーっ……、お前っ、なんで手出してこねぇんだよ」

「っ、今聞きます?それ」

「今すぐ話せ」

「……だって、12、3なんでしょ?ならもっと健全に大事にされるべきだ」

「っ、はぁっ、誰のせいでこんな身体になったとおもってんだてめぇ!」

 思わず大きな声が出る。やっぱり年齢のこと気にしてやがって。この大真面目のクソ馬鹿が。
 お前があんなことやこんなこと、教えたから身体が疼いてしょうがなかったんだろ。

「俺じゃ駄目なのかよっ」

「ちょ、なんでそんな話に」

「年齢なんて気にしてやがって、馬鹿野郎」

 別になんとも思っていなかったはずなのに、勝手に涙が溢れて止まらない。花をすすりながら、あいつに擦り寄れば、大きなため息とともに、あいつが口を開いた。 

「腕と足の紐、外してもらっても良いですか?」

 小さく頷くと、あいつを拘束していたサイコパワーが揺らめいて消えていく。
 瞬間、あいつは起き上がって抱き締めてきた。
 ナカに挿入された陰茎の角度が変わって思わず喘ぐ。

「っあ、ぅ、」

「ごめんなさい、今回は俺が悪いなこれ。俺の独り善がりでした」

「っ……嫌いになったのかって、思って」

「そんな訳ないでしょ。俺にはエドくんしかいないんだから」

 ぎゅっと抱きしめられ、安心から身体の力が抜ける。自分から口に吸い付きキスを強請れば、そのまま押し倒され、唇を舐められた。口を開けると、厚い舌が口の中に侵入してくる。必死で舌を追いかけながら絡ませると、じんわりと心の中が暖かくなった。

「んんっ、ふぁっ……ぅう」

「っ、はぁ……エドくん、ごめんなさい」

「別に、もういい……」

「求められて嬉しかったけど、いいのかな?って思って迷いました。ごめんなさい。……ねえ……続き、してもいいですか?」

 耳元で熱っぽく言われ、身体が跳ねる。ナカに挿入った陰茎を思わず締め付けると、あいつが呻く。
 欲に濡れた2つの紅い瞳が、俺を見下ろしていた。嗚呼、求められている。嬉しさに、涙が一筋流れ落ちる。
 
「はぁ♡して……、たくさん種付けして♡♡」

「っ!もー、そんな言葉どこで覚えてきたんですか」

 ゆっくりあいつの陰茎が出ていく。早くあの刺激が欲しくて、腰をほとんど無意識に揺らしながら強請れば、ふふっと微笑まれた。

「こんな風に求められて、嬉しくないわけないんだよなぁ」

 ばつん、と一気に奥に叩きつけられ、目の前が真っ白になる。ぎゅっとあいつのパーカーを握りしめながら、久々の快感にそれだけで果てた。

「〜〜〜〜っ!♡♡♡」

「ふふ、もうイッちゃった?」

 耳元で囁かれ、こくこくと必死に頷く。待ち望んだ快感に気持ちがよすぎて意識が飛びかけたが、なんとか持ち堪える。

「あ゛ぁっ!♡♡んっ♡♡♡」

「可愛い……ねぇ、もっと乱れて?」

 前立腺をこそぎ落とすように潰され、陰茎から壊れたみたいに精液が飛び散った。
 もう自分が何を喋っているのかも分からず、気持ちがいいだの好きだの喚き散らしながら、狂ったように喘ぐ。

「ひぃっ♡♡そこっ!♡♡こわれりゅ♡♡」
 
「壊されたかったんでしょ?俺に」

「うん♡♡♡こわしてっ♡♡♡、すきっ♡♡きりとっ♡♡♡」

「っ、はー……えっち」

 こぼれ落ちた涙を舐め取られながら、強すぎる快感に食いちぎられていく。それさえ気持ちがいいと思うのだから、もう俺は逃げられないんだろうなとぼんやり思った。
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