主♂エド




 可愛らしいフリフリのスカートがふわりと揺れる。
 ものすごく嫌そうな顔の彼は、脱衣所から出てくるなり殴りかかってきたのでそれを受け止め、ぎゅうっと抱き締めると大人しくなった。
 
「……これでいいのかよ」

「うん、すごく可愛いです」

「似合ってねえだろ」

「そんなことないですよ?少なくとも俺は好きです」

 不機嫌そうな彼の頬にキスを落としそう囁けば、かあっと顔を赤くするので今すぐにでも押し倒したい気持を堪えて貴重な女装姿を目に焼き付ける。
 童話にでも出てきそうな、ふわふわフリフリのスカートに黒いリボンが至るところにあしらわれたドレスは薄いチョコミントカラーで、とても可愛らしい。
 その可愛さとはちぐはぐに、よく鍛え上げられた筋肉が覗く。そのアンバランスさにとにかく煽られた。

「俺じゃなけりゃもっと……」

「エドくんだからいいんですよ」

 似合う似合わないの話ではなく、彼がそれを着ていることに興奮するのだ。
 余裕がないことを悟られたくなくて、唇にそっとキスを落とす。ちゅっと音を立てて吸い付けば、彼は驚いたように目を見開き、そのままきゅっと目を閉じた。
 
「可愛いね」

「っ、はぁっ、うるせぇ」

 手を絡ませながら、口の隙間に舌を滑り込ませる。上顎を擽れば、ぴくっと身体が揺れた。
 逃げようとする舌を絡め取ると、そのままベッドへ押し倒す。

「はぁっ、んん……っ!ふぅっ、うぅ」
 
 口の隙間から漏れ出るくぐもった声に、興奮を覚えた。一頻り貪ると、ちゅっと音を立てて吸い付いた後、満足して離れる。二人の間に銀色の橋が架かった。

「っ、ぅ……、」

「女装、興奮しますね」

 吐息混じりに耳元で囁けば、耳まで真っ赤にして少し黙った後、小さく頷いた。彼も興奮してくれているんだ、と嬉しくなってぱっつぱつの胸を優しく揉む。
 布越しに胸の突起を擦れば、身体をビクリと大袈裟に揺らした。

「あは、もう勃ってる」

「っ、言うなっ!あぁっ!」

 かりかりと突起を引っ掻くと、彼は途端に喘ぎ出した。乳首好きですもんね、と囁きながら耳を舐ってやる。
 
「やぁ、うあっ……んん♡」

「もうとろけた顔して……、えっち♡」

「っ、おまえのせいだぁ!」

「ははっ、俺のせいなんです?」

「ちくしょっ、ああっ!♡」

 そう言って鼻をすする彼をあやしながら、勃ち上がった突起を薄い布越しに摘み上げ、コリコリと押し潰す。
 いつもより興奮しているのか、吐息混じりに喘ぐ彼に思わず微笑んだ。
 
「可愛い。こっちも勃ってるね」

 スカートをまくり上げ、可愛らしく――彼のために言っておくと、決して可愛らしいサイズではないのだけれど。主張する陰茎に手を伸ばす。
 すでに先走りに濡れたそれを、ぬちゃぬちゃと音を立てて扱けば目を見開いた。

「んあっ♡」

「あはは、可愛い声」

 直接的な快感に堪らず声を上げた彼の陰茎を指で輪を作り、上下に扱き可愛がる。滲み出た先走りがドレスに濃い染みを作っていて、目に毒だななんて思った。

「んんっ♡♡やん♡、ああっ!♡♡」

「よしよし、気持ちいいね」

「うん、♡う、あっ♡きもちぃ♡♡」

「素直で良いですね。一回イッておきますか」

 扱き上げる手を早め、絶頂へと導いていく。しばらくそうしていると、その時は来た。

「うぅ〜〜〜〜!!♡♡♡」

 びゅくびゅくと勢い良く陰茎から白濁とした液体が溢れ出し、スカートに掛かる。
 生理的な涙が頬を伝って落ちていく。それを舐め取り、耳元で自分でも出来る?と聞けば素直に頷いた。絡めていた彼の右手を掴み、陰茎に持っていくとそのまま握らせる。

「後も苛めてあげますね」

「っ♡♡♡」

 ゆるゆると彼が自分で扱き出したのを横目に、サイドチェストに手を伸ばす。中から目的のローションを掴み取ると、手にぶちまけて指に絡めた。

「腰、持ち上げますよ」

「ん、♡♡わかった♡」

 足を掴みそのまま持ち上げると、目の前に縦に割れた性器が現れる。皺を伸ばすように撫でればひくひくと引くつくのが見てわかった。
 可愛くて、つい苛めたくなる。

「ねぇ、どうされたいですか?」

「あう、やっ♡そんなの言えるかっ♡」

「いいんです?このままやめちゃっても」

 そう呟けば、半泣きで「やだぁ、やめないで」と懇願され、思わずにやける。
 彼は少し考えた後、自分で後孔を拡げながらこう言った。

「おれのここ、ぐちゃぐちゃになるまで苛めて欲しい♡♡♡」

「はー……、最高だよ」

 思わず頭を抱えた。教えてないのにこれはかなりクる物がある。敬語も投げ捨てそう呟くと、ローションに塗れた指をゆっくり突き挿入れた。

「あぁっ……挿入ってきたぁ♡♡」

「ほんとにもう、どこで覚えてきたんですか」

「お前以外にいるわけねぇだろ」

 言い淀むことなくそう言われ、嬉しさからにやけるのが止まらくなる。見られるのが少し恥ずかしくて顔を背けていると、彼の視線を感じた。見れば勝ち誇ったような表情の彼が目に入り、この人には勝てないな、と思い知る。
 照れ隠しに彼のナカに挿入された指をすべらせ、ふっくらと膨らんだ前立腺を押し潰した。

「あ゛、んっ♡まって、つよいっ♡」

「今のはエドくんが悪いでしょ!」

「俺なにもしてな゛っ♡♡い゛ぃ♡♡」

 とんとんと前立腺を叩くように刺激しながら、きゅうきゅう纏わりついてくる肉癖の感触を楽しむ。出し入れする度、ローションが泡立って弾けた。

「うぅ♡♡きりとぉ……あ゛ぁっ!♡♡」

「そんな顔しないでくださいよ、我慢が出来なくなる」

「あう、んん♡♡焦らしてんなよぉ♡♡」 

「まだ拡がってないんだから、もうちょっと待って」

 そう言うと、不満げな彼が後孔に手を伸ばす。何をするのかと見ていれば、俺の指が挿入った後孔に指を突っ込んで拡げてきた。

「もっ、大丈夫だからぁ♡♡♡」

「っ!」

 はやくちょうだい。
 舌っ足らずにそう言われ、ぶちりと理性の糸が千切れた。
 指を乱雑に引き抜くと、己の陰茎を取り出し蜜壺に押し当てる。だって、そんな事をされて理性が保てるわけがないだろ。
 こちらの気など知る由もなく、彼は微笑むと腰を揺らした。先端が擦られてぬちゃぬちゃと卑猥な音を立てる。

「はぁ♡♡キリト……、」

「ふふ、今あげますよ」

「あぁっ……♡♡♡」

 ゆっくり先端が飲み込まれていく。拡げ足りないんじゃないかと少し心配していたが、具合を見るにどうやら大丈夫そうだ。
 浅い所を出し入れすると、身体を震わせて喜ぶ彼に思わず頬が緩む。
 可愛い、と耳元で囁けば、後孔がきゅうっと締まった。

「う゛あ゛ぁっ……!♡♡♡ん゛、♡♡好きっ♡♡」
 
「俺も好きですよ」

 そう囁きながら、我慢できずにそのまま最奥まで穿つ。瞬間、押し出されるように彼の陰茎から白濁とした液体がぴゅくっと漏れ出た。

「ん゛お゛ぉっ!♡♡♡」

「あは、気持ちいいね」

 首を縦に何度も振り頷く彼の唇にそっとキスを落とすと、律動を開始する。膨らんだ前立腺を抉る度、狂ったように叫ぶ彼を愛おしいと思いながら苛めれば、腕が背中に回された。

「お゛っ♡♡またいくっ♡♡♡まって、ま゛っ♡♡あ゛〜〜〜〜っ♡♡♡」

「待てるわけないんですよね、って」

 貪り食うようにガツガツと腰を動かす。すると今度は出さずに果てたのか蜜壺をぎゅうぎゅうと締め付けながら彼は涙を流した。
 露出された首筋に噛み付くと、それさえ刺激なのか良い反応を見せたので何度も薄い皮膚に歯型を残していく。

「や゛ぁ♡♡お゛ぉっ!♡♡♡狂う、こんなのおかしくなる♡♡」

「いいよ、もっとおかしくなって?」

「あ゛ぁっ♡♡♡いぐぅっ♡♡♡ん゛あ゛あ゛っ!♡♡」

 身体を壊れたように震わせながら、彼は感じ入る。それが可愛くて可愛くて、もっと乱れてて欲しくて腰を振った。
 息も絶え絶えな彼の耳元でぐちゃぐちゃにしていいんですもんね?と囁いてやる。

「う、♡♡ん♡♡あ゛っ♡♡きりとぉっ!♡♡あ゛ん♡♡ぐちゃぐちゃにされたいっ♡♡もっと♡♡♡」

「っ、ほんと質悪いなぁ!」

 とろとろと白濁を溢し続ける陰茎に手を伸ばし、腰を動かしながら先端を擦る。それから逃れようと藻掻く彼を体重を掛けて押さえつけると、先端がぐぽっと嫌な音を立てて結腸にめり込んだ。

「う゛〜〜〜〜!!♡♡♡」

 ぷしゃっと音を立てて彼が潮を吹く。まるで漏らしたかのようにドレスに染みを作る様があまりに目に毒で、思わず微笑んだ。


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