主♂エド
ちょっとしたいたずら心だった。
じゃれ合いの延長線上のつもりで、よく鍛えられた筋肉をつ、となぞる。身体を揺らして反応した師匠に気を良くして、無防備な脇腹に手を添える。
「っ!」
そのままこしょこしょと擽れば、少しむっとした顔の彼が笑い出した。やっぱり、普段から敏感なだけあって擽りも効くようだ。
「はははっ!くそっ、お前それやめろっ」
「やめませーん」
「てめぇっ!」
腕を掴まれるがそのまま擽り倒すと段々と力が抜けてきた。可愛い人だ、と思いながら息も絶え絶えにひいひい言っている彼を眺める。
「あっはは、擽ってぇからやめろって」
「わかっててやってるんですよ」
「お前っ、後で覚えとけよっ!」
身を捩って逃げようとする彼を、体重を掛けて押さえつけるとそのまま擽りを続行する。最初こそ笑っていた彼だが少しずつ余裕がなくなって、口数が少なくなっていく。う、だとかん、だとか短い音を発しながらびくびく震える彼は情事を思い出させた。
このまま擽っていたらどうなるんだろう。そう悪い自分が問いかける。
「はぁっ、っ!くそっ!んんっ、……あははっ!」
「段々気持ちよくなってきた?」
「そんなわけっ、ねぇだろ!ううっ……、ばか!やめろって言って、はははっ!」
途切れ途切れに言葉を吐く彼の脇をくすぐり続ける。逃げようとする力が強くなってくるが、気にせずに手を動かすと、その時は来た。
「はぁっ!まっ、なんか変だっ!はなせよっ、」
「可愛い」
「ばっ、はうっ……!はなせって!あっ、」
ふるふると身体を震わせながら、彼が喘ぐ。それは明らかに快感に近しいものがあって、前髪が乱れて両目が見え、思わずほくそ笑んだ。
「ああっ!やだ、変になるぅ!」
「そのままイッちゃいましょうか」
「っ!うう〜〜〜〜っ!」
彼が2、3度身体を大きく揺らした。その反応から、言葉通り絶頂したのだろう。ゼェゼェと肩で息をしながらしがみついて来る彼の頬にキスを落とし、流れ出た生理的な涙を舐め取る。
「はーっ、はーっ!お前っ、ふざけんなよ」
「いやね、擽ってたらどうなるのかなって思いまして」
「ぶっころすぞ、くそが」
どこかで聞いたことのある言葉を吐く彼の唇にそっとキスを落とすと、そのまま押し倒した。