主♂エド



「俺、今回はめちゃくちゃ怒ってますからね」

 珍しくあいつを本気で怒らせた。ちょっとばかし無理をしたからだ。
 怒られるだろうとは思ったが、でもまぁ、手段を選んではいられない状況だったんだ。仕方ないだろとも思う。

「言いたいことはわかります。ただ、それにしては無茶が過ぎます」

「……」

「もー!お仕置きが必要ですかね」

 そう言うと、あいつは俺を抱きかかえ、ベッドへと直行した。ただヤりてぇだけだろ、と言いかけてやめる。これ以上怒らせたら何をさせられるかわからない。

「おいで」

「ん」

 そう言われ、ほとんど無意識に身体が動く。抱き締められ、そこまで怒っていないのではと思ったが違った。

「さ、お尻出してください」

 笑顔でわけのわからないことを言われる。呆けていると、下着ごとスキニーを膝まで下ろされた。
 そのまま理由もわからず尻を突き出すような体勢にさせられる。いきなり挿入でもされるのかと思ったがそんなことはなく。
 ぱちん、と肌を平手打ちにした音が部屋に響き渡った。驚いて思わず声を上げる。

「っ痛ってえ!」

「古来から悪い子には尻叩きって決まってますからね」

「やめっ!っ……ろ!」

 ひりひりと叩かれたところが痛む。また同じところを叩かれ、涙目になりながらあいつを見れば「なんですか?」と微笑まれた。
 ああ、これはやめてくれないやつだ。そう思いぎゅっと目を閉じ、耐える。
 
「っ!、……ぁっ!」

 過敏になった肌を叩かれ声を上げかける。痛いだけなはずなのに、気持ちがいい。腹の奥を思わず締め付け、かぁっと顔に熱が集中する。
 そんな叩かれて喜ぶなんて変態みたいじゃないか。そう思うが、気持ちいいことに慣れきってしまった身体が勝手に昂っていく。

「んぁっ!」

「そんな声出して……悪い子」

「っ!」

 耳元で囁かれ声が詰まる。好きでこうなっているわけではないのに、その言葉にすら興奮するのだからもう駄目なのかもしれない。
 
「ほら、ちゃんと反省して」

「くぅっ、してるって……ああっ!」

「叩かれる度そんな声出してたら説得力無いですよ」

 叩かれている場所の感覚がもうない。気持ちよさだけがぐるぐる身体の中で暴れていて、それに飲まれそうになる。
 なんとか立て直そうとあいつの服の裾を掴む。

「あはは、気持ちよくなっちゃった?」

「ひっ、!」

 陰茎を撫でられ、はじめて自分が勃ちかけているのに気付いた。耳元で「可愛い」と囁かれ、胸が高鳴る。

「はぁっ!あう、っ、あっ!」

「撫でながら叩くのって難しいなぁ……ね、反省しましたか?」

「した!したからぁ!」

「本当ですか?」

「本当だって、ああっ!」

 喋っている途中でばちんと叩かれ声が漏れた。叩かれた場所が熱を持ち、ひりひりと痛んだ。
 待っていられなくなって、起き上がりながらあいつのパーカーを掴み、唇を重ねる。ちゅっと音を立てて吸い付けばそのまま押し倒された。

「んぅ、ふぁ……、」

「はぁっ、俺、ホントに怒ってたんですからね」

「っ、悪かった……」

「これからは無理しないって約束出来ますか?」

「する、するから……」

 だから早く抱いて。そう耳元で囁けば目を丸くして驚かれた。
 脚を腰に絡みつかせ、誘うようにあいつの唇にキスをする。そうするとあいつは観念したのかふふっと笑うと、そのまま唇に齧りつかれた。

「ふぁっ、!……んんっ、ちゅっ」

「ん、はは……えっち」

「うるせっ、」

 あいつがサイドチェストに手を伸ばす。中からローションを取り出すと、掌に広げた。体温で温められたそれを指に絡めると、そのまま後孔にあてがう。

「あ゛っ……!」

「ここも触ってあげようね」

 そう言うと、ローション濡れの手がすでに勃ち上がった胸の突起へ伸びた。器用にこりこりと押し潰されて、昂った身体には毒なくらいの快感が走る。
 それと同時に、ゆっくりと指が後孔に飲みこまれていく。早く腹の奥に欲しくてしょうがない。

「んうっ、や゛あっ!そこ、っ!」

「ここ苛められるの好きですもんね」

「ああっ!、んん、すきぃっ……、んあ!」

「可愛い……こっちももう1本挿入りそうですね」

 もう1本増やされると、ぐちぐちと卑猥な水音を立てながら指が出し入れされ、気持ちいいところに掠めて堪らず喉を晒して喘いだ。
 蕩けそうなくらい、気持ちがいい。

「あ゛あっ!もっ、だめんなる……!」

「大丈夫だよ。駄目になっても好きだから」

「〜〜〜〜っ!あ゛ぁ~〜〜〜っ!」

 後孔をぎゅっと締め付けながらびゅくびゅくと白濁とした液体を吐き出した。余韻に浸る暇もなく与えられる快感に、頭が溶けそうになる。

「はやくっ!奥欲しいぃ、!」

「いいよ、全部あげる」

 ちゅぽっと音を立てて指が引き抜かれる。「後向けますか?」と囁かれ、息も絶え絶えに体勢を変え四つん這いになると、後ろからぎゅっと抱きしめられた。
 ローションまみれの陰茎を後孔に押し付けられ、期待に腰が揺れる。

「ふふ、腰揺れてる」

「はーっ、うるせぇっ……ああっ!」

 ゆっくりと先端が飲み込まれていく。焦らすように浅いところで出し入れされ、気が狂いそうになった。
 早く最奥をぶち抜かれたくて、そこがじくじくと疼く。

「う゛あっ♡♡ん゛ん〜〜〜〜!♡♡はやくぅ♡♡♡」

「可愛いね」

「んぎぃっ!♡♡♡」

 時間を掛けて陰茎が最奥に辿り着く。ゆっくり引き抜かれたかと思うと、ばつん、と音を立てて最奥に叩きつけられ、待ち望んだ快感に意識が飛びかけたのをなんとか持ち堪える。
 陰茎からとろとろと白濁がこぼれ出し、シーツを汚す。

「よしよし、いい子いい子」

「〜〜〜〜っ!!♡♡♡」

 頭を撫でられ、褒められたのが嬉しくて、つい後孔を締め付けるとあいつが小さく呻いた。
 こんなの、溶ける。奥に叩きつけられる度、陰茎から透明な液体が壊れたみたいに吹き出ていた。

「あ゛あっ!♡♡♡んお゛っ♡♡♡あ゛ん゛♡♡♡」

「すご……、ずっとイってる?」

「はぁっ♡♡い゛っ♡♡♡あ゛ぁ〜〜〜〜っ!♡♡♡」

「そんなお尻叩かれるの良かったの?」

「そんなわけなっ、あ゛あっ!!♡♡♡」

 そう言いながらぱん、と音を立てて尻を叩かれ、口から媚びきった声が漏れた。落ち着きかけていたひりひりという痛みが戻って来る。痛いのに気持ちが良くて、頭が混乱した。

「あはは、痛いの好きなんだ」

「すきじゃな、い!」

「説得力ないですよ?ほら、もう一回」

「んあ゛!♡♡♡叩かないでぇ♡♡♡」

 口の端から唾液が垂れる。ぎゅっと肉壁を締め付けると、余裕のなさそうなあいつが呻いた。仕上げと言わんばかりに結腸に先端が入り込み、圧迫感と同時にとてつもない快感に襲われる。

「っ、なかに出してぇ!♡♡♡」

「んっ、勿論」

「んお゛〜〜〜〜っ!!♡♡」

 結腸にびゅくびゅくと精を吐き出され、そのまま意識を飛ばした。




 ぬぽっと音を立てて後孔から陰茎を引き抜く。びくんびくんと身体を揺らしながら反応をする彼を撫でながら、意識が戻るのを待つ。
 少しして彼が呻いたので、ティッシュで飛び散った精液を拭き取りながら声をかければガラガラの声で「尻が痛ぇ」と言われた。反省しながら彼を持ちあげ風呂場へ移動する。
 シャワーの蛇口をひねると、温度を確かめうつらうつらしている彼に声をかけた。

「中に出したのかき出しますね」

「っ、はぁ、んん」

 奥に出した精液を、なるべくやさしくかき出す。その度喘ぐ彼が目の毒だなと思いながら額にキスを落とせば、彼が身体を震わせながら小さく喘いだ。

「大丈夫ですか?」

「ん、だいじょぶ……なぁ」

「なんですか?」

「……」

 小さな声で「もっと欲しい」と言われ、そのまま固い床に押し倒した。
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