主♂エド



 予報ハズレの雨が降る。傘なんて持ってなかった俺たちは、慌ててフードを被るが大粒の雨の前では気休め程度にしかならない。
 この辺りに時間を潰せそうな屋根のある場所はないし、家も少し遠い。どうするかと思っていると、師匠が袖を掴んでこう言った。

「ここからなら俺ん家の方が近ぇ」

 来るか?と続けられ反射的に頷く。だって、師匠の家にお呼ばれするのは初めてだから。
 走り出す師匠の後を置いていかれないようについていった。


 
 ガチャリと扉を開け、綺麗に片付けられた部屋に入る。タオルを取ってくるからと脱衣所に彼が消えたのを良いことに部屋を見渡せば、壁に飾られた本が自分が渡したものだと気付き、にやけが止まらなくなった。

「あんまじろじろ見んなよ」

「ごめんなさい、嬉しくてつい」

 手渡されたタオルを受け取りながら素直に謝れば軽く小突かれた。どうやら許してくれたようだ。

「着替え、俺ので良いか?お前なら入るよな」

「いいんです?」

「そのままで風邪引かれても困るだろ」

「それはそう。あ、シャワー借りてもいいですか?」

「いいぜ」

「あ、一緒に入ります?師匠だってそのままじゃ風邪引いちゃいますよ」

 そう提案すれば、顔を赤くしながら今度は強めに小突かれたので冗談ですよ、と言いながら脱衣所に入らせてもらう。雨でびちゃびちゃに濡れた服を脱ぎ、洗濯機に投げ込む。後で洗濯機を回させてもらおう。

「いやでもまさか師匠の家に来れるなんてな……」

 蛇口を捻りお湯を出す。冷えた身体に、程よい温かさのお湯がかかり気持ちがいい。上を眺めながら少しぼんやりしていると、扉が開いた。そこには全裸の師匠が立っていた。

「おわっ、師匠!?」
 
「……」

「どうかしました?」

「お前が一緒に入るかなんて言ったんだろ……」

 顔を赤らめながら言う彼の手を取り思わず抱きしめる。ひんやりと冷えた身体をシャワーで温めながらキスを落とせば、ぎゅっと目を閉じるので可愛いな、と思いつつ。

「いいんです?」

「別に……」

 音を立てながら吸い付けば、可愛らしくふるふると震えるので、いつまで経っても慣れないななんて思いながら、薄く開かれた口内に舌を差し込んだ。
 舌を絡ませ、貪り合う。

「っ、はぁ……ぅっ、んん」

「ちゅ、可愛いね」

「うるせっ……」

 彼の腕が背中に回される。ぎゅっと強く抱きしめながら胸の突起に手を伸ばし、もう既に勃ちかけているそれの周りを焦らすように撫でた。
 
「んっ、うぅ……、あっ」

「気持ち良い?」

「うっせぇ……っ、んあっ……」

 シャワーの音に掻き消えるくらいの小さな声で喘ぐ彼が愛おしい。じゅっと音を立てて首筋に跡を残し、胸の突起を責め立てる。
 突起を片方口に含み、転がす。もう片方を優しく抓れば、彼が大袈裟なくらい身体を揺らした。
 気持ち良さそうでよかった、なんて思いつつ、

「うあ、っ……、やっ……ぅっ」

 口に含んだ突起を優しく甘噛すれば、彼の脚からかくっと力が抜けた。咄嗟に抱きとめると、肩を貸しながら聞く。

「危なっ、大丈夫ですか?」

「だい、じょうぶっ」

「……とりあえず出ますかね」

 シャワーを止めてから既に脚が笑っている彼を抱きかかえ、さっと水気をタオルに吸い取らせる。
 そのままベッドへ直行すると、真ん中に降ろし覆いかぶさりながら囁いた。

「続き、してもいいですか?」

「っ、聞くな……しろよ……」

 小さく小さく返事をした彼に微笑みかけると、そのまま枕で顔を隠してしまった。
 お言葉に甘えて、胸の突起に指を滑られせる。身体を揺らし反応する彼が可愛くて頬がつい緩む。可愛い、と枕越しに囁けば、ぎゅっと手に力が入った。
 かりかりと爪の先で突起を引っ掻きながら、手にキスを落とす。

「っ、ぅん……、あっ」

 少し触っただけで簡単に芯を持つそこを摘み上げ、片方を口に含めば声が上がった。
 もっと声が聞きたいと、口に含んだそれを甘噛しながら、もう片方をきゅっと押し潰す。

「ひっ!うぅ、っ……やぁっ」

「嫌じゃないでしょ?」

「やだぁ、はやく下さわれよぉ……」

 息も絶え絶えにそう言うので下を見れば、もうすでに勃ち上がった陰茎を脚に擦り付けていたので思わず微笑んだ。こんなになっちゃって、可愛い人だ。
 望まれた通り陰茎に手を伸ばすと、彼は息を呑んだ。裏筋をなぞるように触ればとぷっと先走りが漏れたので、それを指で掬い上げ絡ませる。指で輪を作り、扱き上げれば一際身体を大きく揺らして感じ入った。

「ああっ!やっ、うあっ!んんっ」

「ね、前でイキたい?」

「いきたいっ、んあっ!……このままじゃ溶けるっ!」

「溶けないよ。大丈夫だからイッちゃおうか」

「っ、あっ……ああ〜〜〜〜っ!!」

「ねぇ、顔見せて?」

 びゅくびゅくと精を吐き出しながら絶頂を迎えた彼の顔が見たくて、手にキスを落としながら囁く。手から力が抜けたのを見て、枕を引き剥がすとそのまま唇に食らいついた。

「ふぁっ、んむっ……んン゛ッ」

「はあっ……んっ……ふふ、次はどうされたいですか?」

「っ!言わせんな」

 すでにくたりと力の抜けた様子の彼が叫ぶ。どうせなら、その口からどうされたいのか聞きたいよな、と首筋にキスを落としながら様子を見れば、焦れた彼が小さな声で呟いた。

「はっ、はやく……お前のがほしい」

 そのまま足を上げると、後孔を手で拡げるよう見せられ、頭を殴られでもしたような衝撃に襲われる。危うくそのままぶち込むところだった。危ない危ない。

「おねだり上手で可愛い」

「うるせぇっ」

 先程出された精を指に絡め、後孔に指を埋める。きゅうきゅうと締め付けてくるナカの感覚を楽しみながら、抜き差しをすれば、彼が天を仰ぐ。

「あぁっ、うぅん!なんでゆび!」

「慣らさず挿入れたら辛いのエドくんでしょ?」

「つらくてもいいから、ああっ!んっ、ほしいっ!」

「駄目、せめて2本挿入るまで待って」

 良いところを押し潰しながら、なるべく早くと急いた気持ちで後孔を慣らす。首筋に食らいつき跡を残せば、敏感な彼の身体がびくっと跳ねた。

「あ゛っ!う゛んん!いじわる!」

 気持ち良さでもうとっくにぐずぐずの彼が声を上げる。そんな事言われても、と思いながら唇を重ねれば、ちゅうちゅうと吸い付いてきて可愛いなと思った。
 そうしているうちに、2本目が挿入るくらい柔らかくなったそこから音を立てて指を引き抜く。

「……挿入れますよ」

「はぁっ!あ゛ん゛っ!はいってきたあ……っ、」

 うわ言のように呟く彼の額の汗を拭いながら、ゆっくり押し開いていく。恍惚とした表情でそれを受け入れる彼が愛おしくて、ぎゅうっと抱きしめればそれだけで果てたのか彼の陰茎からとろとろと精が吐き出されていた。
 最奥まで到達すると、肉壁にマーキングするように先端を擦り付ける。

「んん♡♡あっ……!きもちいっ、う゛う゛っ!♡♡」

「はぁっ、良かった。もっと気持ちよくなって?」

 ぱん、と肌と肌がぶつかる音が部屋に響き渡る。瞬間、彼が嬉しそうに嬌声を上げた。

「ああっ!♡♡んあ、♡♡、おく、きて♡♡♡」

「っ、もう……あんまり煽らないでくださいよ!」

 背中にがりがりと爪を立てられながら言われ、危うく暴発するところだったのをなんとか耐える。
 最奥を力任せにごちゅごちゅと苛め、ぐぽっと嫌な音を立てて先端が結腸に入り込むと、彼は白目を剥いて意識を手放した。

「っ、またですか」

 置いてけぼりは馴れっこだけど流石に面白くない。それならばと、陰茎をギリギリまで引き抜き一気に結腸まで叩きつけた。

「ぎぃっ!!♡♡あ゛あ〜〜〜〜っ!!♡♡♡」

「おかえりなさい♡」

 叩き起こされた彼が、酷い声を上げながら戻って来る。
 まあそんな日もいいだろ、と頬にキスをしながら腰を打ち付けた。
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