主♂エド
またあいつが良からぬことを考えている。なぜわかるかって、そりゃもう顔を見ていたらなんとなくわかる。
部屋につくなりソファに押し倒されると、唇を吸われた。キスは嫌ではない。気持ちいいことは嫌いではないし、興味がないのかと言われたら嘘になる。
手を絡ませながら、少し口を開けば舌を滑り込まされ好き勝手に貪られる。上擦った声が隙間から漏れ出て、羞恥から顔がカッと熱くなった。
「ふぁっ、んん……っ、んっ……」
「はぁっ……可愛い」
ちゅっと音を立てて離れていく唇を、ほとんど無意識に追い掛ければ微笑まれる。再び唇を重ねると、今度は自分から舌を差し込んだ。多少慣れたとはいえ、自分からはあまりしないからかどうしてもぎこちない動きになる。音を立てて舌を吸われ、ぞくぞくと鳥肌が立った。一頻り貪られた後、満足したのかリップ音を立てながら離れていった。
少しカサついた指が、胸の突起へと触れる。すぐに勃ちあがったそこをコリコリと押し潰す様に刺激され、思わず声が漏れた。
「んんっ、あっ……、」
じゅっと音を立てて突起を吸い付かれ、舌先で転がすように刺激される。もう片方を摘み上げて扱かれると、思わず身体が反り返った。
「気持ちよさそうですね」
「……うるせっ、あっ」
調子に乗ったあいつが突起に噛みつく。じん、とした痛みと気持ち良さが駆け抜けていって、あいつのパーカーを掴んだ。口から勝手に声が漏れて、もう何度も聞かれているのに恥ずかしい。きっと慣れることはないんだろうな、とぼんやり思った。
顔を上げたあいつが呟く。
「……ねえ、したいことがあるんですけど」
「……何だよ」
「エネマグラって知ってます?」
「知るわけねぇだろ」
「そうですよねぇ」
立ち上がったあいつは俺を抱えあげると、足早にベッドへ向かう。
まだやるなんて言ってねぇぞ、と呟けば「でも興味あるでしょ?」なんて耳元で囁かれ、ベッドの上に優しく置かれた。この時点で断らせる気ないだろ、と思いながらも、逃げない自分も自分かとため息をつく。
サイドチェストに手を伸ばし、真新しいローションと
見慣れないものを取り出したあいつは、視線に気付いてこちらを向くと微笑んだ。
「これです。細めのにしたのでそんなに苦しくはないとは思うんですけど……」
そう言いながら目の前に出されたのは、想像したよりも幾分か小さい、なんとも言えない形状のそれだった。もっと大きくてとんでもない形をしているかと思ったので少し安心する。
「後ろ向いてもらっても?」
「……しょうがねぇな」
言われた通り膝立ちで後ろを向く。スキニーと下着をずり下ろされ、尻を突き出すような体勢に思わず顔が赤くなる。
あいつが指にローションを絡ませ、後孔に押し当てた。ナカの気持ちよさを知った身体が期待に蠢く。ゆっくり飲み込まれていく指をきゅうきゅう締め付けながら、異物感にシーツを握り締めた。
「うっ、くっ……、」
「力抜いて、そうそう上手上手」
「んんっ、んぁ……!」
拡げるように指を回され、思わず身体が揺れる。時たま良いところに指が掠めて上擦った声が漏れた。いつもだったらそこを抉るように押し潰したりするのに、わざと触れないように動き回る指に物足りなさを感じてあいつの方を向く。
「どうしました?」
「焦らしてんじゃねぇよ」
「ふふ、欲しがりさんですね。でも駄目です。今は拡げてるだけですから」
そう言いながら指を動かされ、中途半端に高められた身体が疼く。勝手に腰が揺れて、良い所に掠める度疼きが大きくなっていく。我慢ができない、と自分で良い所に当てるように動かせば指を引き抜かれた。
「なんでっ……」
「そんなに触ってほしい?」
こくこくと頷けばゆっくりと2本の指が挿入され、ぐぱぐぱと後孔を拓かれていく。てっきり触ってくれるのかと思ったがそんなことはなく、相変わらず慣らすような動きに焦らされる。
「こんなもんかな?じゃあエネマグラ挿入れてきますね」
ヒヤリとした物が後孔に当てられ、ゆっくり飲み込まれていく。確かに何か挿入っていく感覚はあるが、思ったよりもキツくはない。あっという間に限界まで飲まれたそれに拍子抜けしつつ、向き直る。
「……んで?どうすりゃあいいんだ」
「慣らすためにしばらく放置らしいです」
めんどくせぇ、と言いかけた口をそのまま塞がれる。わざとらしくリップ音を立てて唇を吸われ、舐められて息が上がった。とろとろと蕩かされているような気持ち良さに夢中で貪るようなキスをする。
「んんぁっ、ふっ……うう、……」
口の端から漏れ出ていく声も、もう気にならなかった。もっと気持ちよくなりたくて、腰を揺らせば再度胸の突起を摘み上げられ、大袈裟に身体が揺れる。爪の先でカリカリと刺激されれば、思わず後孔をきゅっと締め付けた。
そう、締め付けてしまった。
「、っ!?」
散々焦らされてずくずくと疼く良いところを、エネマグラが抉り上げる。目の前が真っ白になって、思わずあいつの手を掴み握りしめた。
「ああ〜〜〜〜っ!ふぁっ……、んんっ!やあっ、何かへん……」
「ゆっくり締め付けたり緩めたりしてみてください」
「っ、やっ……できな、いっ」
「ゆっくりでいいから、ほら」
言われた通りに締め付けたり緩めたりを繰り返す。するとどうだろう。ぞわぞわと鳥肌が立ち、まるでずっとイっているような快感に襲われた。
「なに、こわいっ、ああっ……!まっ、イってるっ、」
「大丈夫大丈夫、気持ちいいですね」
「はぁっ、ああ〜〜〜〜っ!!おかしくなるっ、」
イっているのに、陰茎からは透明な液体がとろとろこぼれ落ちていくだけで……。精液を出したいのに出せない苦しみに、思わずあいつに縋り付けば抱きしめられる。
「ふふ、可愛い。もっと乱れてください」
「――――っ!!まっ、出したいっ!」
「どうぞ?」
半べそをかきながら楽になりたい一心で後孔に力を入れ、エネマグラを出そうとする。瞬間、バチバチと電流の様な快感が駆け抜け、ぷしっと陰茎から透明な液体を吹き出しながら果てた。
「あ゛あ゛〜〜〜〜っ!!しんじゃうっ、やっやだ……抜いて……!」
「まだだーめ」
いやいやと首を横に振りながら快感から逃れようとするが、そうすればそうするほど後孔を締め付けてしまい、気持ち良さが悪化する。自分で自分の首を絞めるような行為に、あいつの首筋に齧りつきながら耐えようとするがどうにもならない。何度も潮を吹き、ただ腹を汚していた。
「はっ、はっ、う゛う、あ゛あ゛あ!!」
「すご……気持ちいいですね」
「やだ、っ、やだぁ……!」
「やじゃないでしょ?」
「……ああっ!お前のが、お前のがいいっ!」
息も絶え絶えになりながら言えば、エネマグラを引き抜かれた。
衝撃で、何度目かもわからない絶頂を迎える。耳元で「それは反則でしょ」と囁かれながら押し倒され、後孔に熱いものをあてられた。
「はっ、はっ、……お前もバキバキじゃねえか」
「そりゃあ当たり前でしょ?」
「……おら、来いよ」
自分で後孔を拡げながら言えば、あいつが小さく呻いた。十分に解れた後孔に、ゆっくりと先端が飲まれていく。深いキスを強請るように唇に吸い付けば、そのまま口内に舌を差し込まれ、気持ち良さに自分の陰茎からとろとろと白濁とした液体がこぼれ落ちた。
「ふっ、あう……んんっ♡」
「ん、はは……可愛い」
大きいものが肉壁を掻き分け挿入ってくる。待ち望んだそれに身体が震えた。
じゅるじゅるとはしたない音を立てながら唾液を交換しあい、口内を貪り合う。
長い時間を掛けて最奥にたどり着くと、ゆっくりと引き抜かれていく。ああ、はじまる。うれしさに思わず口角が上がった。
ぱん、と肌と肌がぶつかる音がして、目の前が弾けた。