主♂エド


「ローションガーゼって知ってます?」

「……帰る」

 帰ろうとする師匠のジャケットの裾を慌てて掴み、引き止める。純真無垢な師匠がそれを知っているとは思えないので、なんとなく嫌な予感がしたんだろう。

「お前がそういう顔で何か言う時は碌なことがねぇ」

 そう吐き捨てて帰ろうとする師匠の腰に腕を回して逃さないようにすれば、観念したのかそのまま大人しくなったので抱きしめつつ。
 
「そんなことないですよ。大丈夫大丈夫、気持ちいいだけだから」

「やっぱりそういうことじゃねぇか」

 割と強めに顔面を殴ってくる師匠の手を受け止めながら、駄目ですか?と聞けば、少し悩んだ後顔を赤くしながら小さい声で「気になりはする」とだけ帰ってきた。
 もう少しで落とせそうだな、と思いながら手を引っ張り押し倒すと、視線をそらすので頬にキスを落としつつ。

「準備するのでいい子で待てますか?」

「……やめろって言ったらやめろよ?」

「ふふ、勿論」

 気持ちいい事に興味はあるんだよなと思いつつ、サイドチェストから使いかけのローションを取り出す。救急セットの中にたしかガーゼがあったはず、と立ち上がり準備を始めた。




 数十分後、きちんとベッドに腰かけて待っていた師匠を手招きする。

「一応濡れても良いようにバスルームでやりましょうか」

「くそ、やっぱり帰ればよかった……」

 二人で入るにはやや狭いバスルームに裸で入る。ぶつくさ言いながらも、それでもジャケットとスキニーを脱いでくれる彼をにこやかに眺めつつ、椅子に座るよう促した。申し訳ないが流石にこれをベッドでやる勇気はなかった。

「んじゃ、はじめますか」

 借りてきた猫のように小さくなっている彼にキスを落とす。手を繋ぎながら薄い唇にリップ音を立てながら吸い付けば、上擦った声が微かに漏れ出た。開かれた唇に舌を差し込み口内を貪る。

「んんっ、ふ……ぁっ」

「んっ……ふふ、可愛いですね。いい子いい子」

 頭を撫でれば、気持ちよさそうにとろんと蕩ける彼に破顔しそうになる。じゅるっと音を立てて吸い付けば身体を震わせる彼の胸の突起を、ローションの付いた手でそっと撫で回した。

「う、……っ、ん……ああっ」

 ぴくぴくと反応する彼に気を良くしながら、硬くなっていく突起を堪能する。
 ころころと逃げ回る突起を摘んで押し潰せば彼の口から大きめの嬌声が漏れた。可愛いなぁと思いつつ曝け出された首筋に噛みつき、跡を残す。

「んんっ、ここ声響く」

「大丈夫ですよ。エドくんはなんにも気にしないでください」

「うあっ……、っ、気になるもんは気になる」

「そのうち何も気にならなくなりますから」

 これは本当の事だ。きっと彼には刺激が強すぎて喋ることすらできなくなる。ちゅっとリップ音を立てながら噛み跡の周辺に赤い跡を付け、ローションまみれの手で緩く勃ち上がった彼の陰茎に手を伸ばす。

「っ、ああっ!……んん、う〜〜っ!」

「あはは、硬くなった」

「うるせっ、んあっ……っ!」

 ゆっくりと扱いてやれば、背中に腕を回された。耳元で聞こえる嬌声が耳に毒すぎて、自然と息が荒くなる。
 自分でもびっくりするほど興奮しているのがわかり、今すぐ押し倒してぐちゃぐちゃにしてしまいたい欲をぐっと抑え、彼の耳元で気持ちいいですか?と問う。

「んんっ、気持ちいい……とけそう」

「はー、ホント可愛いなぁ。それじゃそろそろメインイベント行きますか」

 そう言いながら、膝立ちになって人肌に温めたローションをたっぷりガーゼに染み込ませると、そっと先端に覆いかぶせる。
 状況を飲み込めてない彼が、大きく身体を跳ねさせた。

「ひっ??あ゛あっ!まっ、これダメだっ!」

「まだ乗せただけですよ?」

「ん゛あっ!まっ、あ゛あ゛っ!……、ぎぃっ!」

 逃げようとする彼の足を両膝で押さえ付け、ゆっくり磨くようにしゅるしゅると先端を撫でる。それだけで、彼はじたじたと暴れてガーゼから逃れようと必死だ。

「や゛あ゛っ、!う゛うっ!あ゛〜〜〜〜っ!」

 ぷしゃっと彼の陰茎から透明な液体が勢い良く吹き出す。俺の顔まで飛んだそれを舐め取りながら、両手で彼の陰茎を苛め抜く。がりがりと肩に爪を立てられているが、気にしていられない。
 よがり狂うその痴態から目が離せなかった。

「ん゛お゛っ、あ゛ァっ!しぬ!あ゛っ、これ、やばい!またきちゃう゛う〜〜〜〜っ!」

「いいですよ、何度でもイって?」

「がっ……!――――っ!いってるっ!いってるからぁ……っ!」

 力加減に気を付けつつ先端への責めを継続すれば、彼はがくがくと震えながら、何度も壊れたように潮を吹いた。絶頂から中々降りてこられず、両目からぼろぼろ涙を零し鳴き叫ぶ。

「ぐう゛っ!おかしくなるっ!とけてるっ、あ゛あっ」

「大丈夫、ちゃんとありますよ」

「まっ、今扱かないでぇ!お゛っ!もれちゃう、から!とまってぇ!」

 そう叫び終わる前に、しょろしょろと音を立てて色のついた液体が流れ落ちていく。漏らしてしまった彼を見て更に可逆心が煽られるが、約束したからには止まってやろう。
 陰茎からガーゼを離すと、彼はぜえぜえと息を切らせながらこちらに倒れてきた。それを受け止めて問いかける。

「お疲れ様です。どうでした?」

「はーっ、!はーっ、……!しねっ!!」

 ずびずびと鼻を鳴らし罵倒を吐く彼の額にキスを落としそっと抱きしめる。それすら響くのかびくびくと身体を跳ねさせる彼の息が整うのを待ってから、もう一度聞けば小さな声で「気持ち良すぎて怖い」とだけ答えられた。
 シャワーの蛇口を捻り、お湯で軽く彼の身体を洗い流す。

「っ、お前はいいのかよ」

「えっ俺ですか?俺は遠慮しておきます」

「そうじゃねぇっ、……続きしねぇのかよ」

「……してもいいんですか?」

「っ……腹ん中に欲しい」

 シャワーの音に掻き消されそうなくらい小さい声で呟いた彼をなるべく優しく床へ押し倒す。唇にしゃぶりつきながら、ローションを指に絡めて後孔に埋めていく。
 1本目を難なく飲み込んたそこにローションを足しながら出し入れすれば、いつもより大きい水音がくちゅくちゅバスルームに響き気分が高められる。
 食べ頃に膨らんだしこりを押し潰せば、彼の陰茎からぴゅくっと白濁とした液体が流れ落ちた。

「あ゛あっ♡♡はっ♡♡」

「ふふ、随分と良さそうですね」

「そこ押されるのきもちい……っ♡、」

「素直で可愛い」

 早くナカに挿入れたくて焦れる。それは彼も同じようで、鼻を鳴らしながらすり寄ってくるので心臓に悪いなと思いつつ指を増やす。
 ゆっくり拡げながら抜き差しすれば、喉を晒して喘ぐのでその喉元に噛みついた。

「ん゛あ゛っ♡♡、うう〜〜〜〜っ!♡♡早くほしいっ……!♡」

 唇を吸われながら言われて、ギリギリのところで保っていた理性の糸がぶちりと千切れた音がした。
 乱雑に指を引き抜くと、己の陰茎をゆっくり挿入する。

「ほら、あげますよっ」

「あ゛あ゛っ♡♡挿入ってきたぁ♡♡んんっ……」

「っ、ほんとタチ悪い!」

 うっとりとした顔で、少し膨らんだ腹を撫でる姿を見て危うく暴発しかけた。正直反則だと思う。だって可愛すぎるから。
 そのまま最奥まで辿り着くと、我慢できず彼の腰が揺れた。

「はあ♡♡っ、早くうごいてぇ♡♡」

「うっ……、」

 すでにぐでんぐでんに蕩けている彼の腰を持ち、ゆっくり引き抜く。ナカ全体が逃さないとでも言うように絡みついてきて思わず呻いた。
 ぱん、と肌と肌がぶつかる音がシャワールームに響き渡る。
 出しっぱなしのシャワーが身体にかかり、流れ落ちていく。温かくて気持ちよくて、二人して溶けてしまっているみたいだった。

「ん゛あ゛っ!♡♡や゛あっ、う゛あ゛ん♡♡や゛っ、あん♡♡きもちいっ♡♡」

「っ、ふふ、上手に喘げてますよ。すごく可愛い」

「ん゛ん゛〜〜〜〜っ♡♡」

 耳元で囁いてやれば、ナカをぎゅうぎゅうと締め付けながら潮を吹いた。よく鍛えられた身体をビクつかせながら喘ぐ彼から目が離せない。
 奥をえぐるように責めると、ぐぽっと嫌な音を立てて先端が結腸へ挿入り込む。

「〜〜〜〜っ!♡♡い゛っでるっ♡♡ずっと、イってりゅ♡♡♡」

 滑舌も怪しくなった彼が喘ぎながら肩に噛みついてきた。跡を付けようとでもしているのか吸い付いてはいるが、思うように付けれずぐずり出す彼に思わず微笑む。
 気持ちよさと微かな痛みとでこちらも限界が近い。ラストスパートと言わんばかりに最奥に腰を叩きつけた。

「――――っ!♡♡♡」

「はーっ!エドくん、好きですよ」

 びゅくびゅくと腹の奥にマーキングをした瞬間、彼の身体からかくんと力が抜けた。どうやら気絶してしまったようだった。陰茎を引き抜けば、びくびくと身体を震わせる彼の身体を起こし、体液を洗い流す。
 後処理をしながらきっと後で殴られるだろうな、とぼんやり思った。
 
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